見出し画像

原宿の木漏れ日

みなさんは「原宿」という街をご存知だろうか?
東アジア、日本の首都である東京に構えるファッションをはじめとしたサブカルチャーが詰まった素敵な街、それが「原宿」である。

今回はその原宿でDJイベントを開催することになった私、RAMIELが原宿でDJイベントできることがいかに面白くて素晴らしいことなのかを読者の皆様に熱弁し、「定期的に原宿に行かないと死んでしまう病」に陥れようと思う。

あわよくばこのnoteが後世に伝わる洗脳教育の金字塔として日本の歴史博物館に展示されることを願う。



俺の彼女、原宿

原宿とは僕にとって第二の彼女のような存在である(第一の彼女は長らく不在だが)。
原宿なくしてRAMIELあらず。
僕が原宿という街に抱いている愛情はそれなりにクソデカいと自負しているが、何も最初から原宿という街に惚れ込んでいたわけではない。

原宿という街を好きになったキッカケは色んな体験の積み重ねによるモノなのかもしれないが、原宿に拠点を構えるSabukaru.Onlineが僕に与えた影響は特に大きい。

https://youtu.be/7mwORE7r3wc?si=U3vGNeC4h-R44roj

Sabukaru.OnlineとはInstagram上に存在するwebメディアであり、ニッチなアニメからファッションデザイナーへのインタビュー、お笑い番組まで、日本を中心に世界中のあらゆるサブカルチャーにフォーカスを当てた記事を投稿している。

英語にて発信される記事は非常にクオリティが高く、Instagramのフォロワーは20万人を突破。大好きなアニメの裏話をSabukaruの記事を読んで初めて知り、己の勉強不足に苦渋を舐めることもしばしば。

一言で表すと「最高にカッコいいWebメディア」なのだ。

そんなSabukaruの記事をいくつも読んでいくうちに僕は原宿の虜になっていた。

今までなんとなくアパレルショップが多いおしゃれな街と思っていた原宿にどれだけ多様なカルチャーが根付いていたのか?

そこで働き、生活する人々はどんな想いを持って原宿にいるのか?

そもそも自分が知らない素晴らしい音楽やお店、カルチャーがまだまだ沢山あるということ。

Sabukaru.Onlineの記事を読んでから原宿に出かけてみると目に映る景色もガラッと変わり、胸の高鳴りが止まらずワクワクしてしまうのだ(もしかしなくとも私はこのWebメディアに洗脳教育を施されていたのかもしれない)。

しかし、申し遅れたが僕の本分はDJである。


DJをやっているとどうしても渋谷や新宿、六本木のナイトクラブを中心とした深夜帯の出演が増えがちで原宿で多くの人が行き交う明るい時間にDJできる機会はほぼ皆無。

愛する原宿でDJできないことは僕にとって、終わりの見えない遠距離恋愛も同然であり、非常に歯痒い日々を送っていた。


木漏れ日が差し込んだ日

そんな日々を送っていたわけだが、冒頭に記載している通りこの度原宿でDJイベントを開催する運びになった。

キッカケは友人の紹介で原宿のstudio cienにオフィスを構える聖傘という会社を繋いでいただいたことだ。

会場はこんな感じ
ここにソファーやBARカウンター配置したり、照明を調整したり

モデルやダンサーのエージェンシーを始めとし、様々なクリエイティブプロダクションを担う聖傘はstudio cienという原宿のアートギャラリーをオフィスとして活用しているのだが、オフィスとして使うだけではもったいないということでイベントスペースとしての貸し出しを決意。

そのタイミングで共通の友人が私に声をかけてくれてDJイベントの開催に至ったというわけだ。


KOMOREBI

原宿を愛する男が原宿でDJイベントを開催、既に〆に向かってもいいくらい綺麗な着地だ。

しかしながら、原宿でDJすることは僕にとって特別な価値があるということを再度伝えたい。

そもそも今回のDJイベントは「KOMOREBI」という名前なのだが、これは1年以上前に当時の自分が開催したかったけど断念したイベントの名前だ。

DJの役割は「空間の演出」
※この考えに至った経緯は上記noteを参照

にも関わらず日本のDJはほとんどナイトクラブでしか活躍できておらず、飲みに行けばクラブ・DJ業界の愚痴ばかり。

例えば学校や企業、アパレルや飲食店など衣食住にまつわるありとあらゆる場所でDJをしてより多くの人々にDJ本来の価値を届けられたらどれだけ素敵だろうと思いふけっていた僕が当時開催しようとしたイベントがKOMOREBI。

ナイトクラブのような日常から逃避する非日常的な空間ではなく、心身が休まるような休憩所を作りたい。
それこそ木漏れ日が差し込むような暖かい空間で純粋に音楽を楽しんで老若男女問わず様々な人の交流が生まれる場所を作りたいという想いからKOMOREBIと命名した。

しかし、当時は自分自身のDJの技量も足りなければ、場所も運営も何もかもが実現ベースで進められなくて「近い将来に必ずやろう」と先送りにした。

それが今回様々な縁が巡って開催できる運びに。
廃校や植物園、銭湯など様々な場所でDJ出来ないかと仕掛けている日々だが、このような背景もあって原宿でKOMOREBIというイベントを開催できることは自分にとって「特別」なのだ。


HARAJUKU2.0

僕がこのイベントに対して特別な想いを抱いていることは感じていただけたと思う。

じゃあ「めちゃくちゃ集客頑張って売り上げ作りまくるぜ!!」という心持ちかといえば実は全くそういうわけではない。
なんなら出演していただくDJやアーティストの方々には告知・集客のノルマは一切設けないつもりだ。

その背景には「HARAJUKU2.0」というKOMOREBIの先にある展望が関係してくる。そしてこの展望が実現した時、人々は冒頭に述べたような「定期的に原宿に行かないと死んでしまう病」にかかっていることだろう。

「HARAJUKU2.0」とは簡単に言うと「原宿をもっと心動く街にしよう」という試みだ。

KOMOREBIの開催にあたり「改めて原宿という街を体感しよう」と思い立ち1日かけて原宿を回ったのだが、その中でいくつか気づいたことがある。

まず一つはやはり素敵な街だったということ。
遠目では分かりにくいマンションの一室ですてきなPOPUPが開催されていたり、地元民から人気のお弁当屋さんがあったり、新宿ではほとんど見かけないが原宿だとベビーカーを押してる観光客もいる。
それなりに治安が良い。
Sabukaru.Onlineをキッカケに原宿に惚れ込んでいたつもりだったが、それでもなお新しい発見があったのだ。

ただ一方で、原宿という街を歩いてると孤独を感じる時もあった。

外国人観光客が爆買いして消費していく街だからだろうか?
オシャレしたい若者がインスタ映えする写真だけ撮って帰っていく空気感だろうか?

これだけ色んな人々が色んな想いを持って原宿にいるはずなのに、1日原宿を歩いていると血の通ってない無機質な街のように感じてしまったのだ。

渋谷の百軒店のような店同士の交流や、新宿の思ひ出横丁やゴールデン街のような昔ながらの粋な飲食店もなく、原宿という街全体がただの一商品として消費されてるような空気。

原宿という街を会社のオフィスに置き換えると、同じ建物内に社員はいるのだが、全員個室で隔離された状態で仕事しているようなイメージ。
生活感を感じにくい街だからというのもあるかもしれないが、1日歩いてみてとても寂しい街だなと感じた。

だからこそKOMOREBIは原宿にいる様々な人たちが垣根を超えて集まり、アナログだけど血の通った交流ができる溜まり場にしたいのだ。
そのイメージはさながら銭湯(下記noteが分かりやすく伝えてくれている)

同じ空間にいる人たちが会話するわけではないけど、孤独感はなくて不思議と居心地が良い空間をKOMOREBIでは目指していく。

原宿のアパレルや飲食店、美容院で働く人たちが「平日の仕事終わりといえばKOMOREBIだよね」という共通認識を持ち、お互いが自分たちの店を盛り上げ、街を盛り上げていこうという一体感ある空気を醸成できたならば、今以上に原宿が面白くて心動く街になるのではないだろうか?

だから僕はKOMOREBIの出演者に「集客」は一切求めない。
なぜならKOMOREBIで集めたいのはお客さんではなく、原宿という街やそこに根付くサブカルチャー、そして音楽を愛する仲間たちだからである。

アニメ好きがカラオケでオフ会する、気の合う友人とホームパーティを開く。その時集まってくれた人たちがお客さんではなく仲間であるのと同じで、KOMOREBIにも似たような愛を持つ仲間が集う空間を作ることに全力を注いでいく。

出演するDJやアーティストがそこを履き違えず愛を持っていれば自然と仲間達に声をかけるだろうし、世間一般で重要視される売上や集客のような「結果」ってやつもあとから勝手についてくる。

ノルマという呪縛を解き放つキッカケは漫画「ヒマチの嬢王」の一コマ


KOMOREBIで出演する方々が前向きな目標を持てるように心で向き合う

そしてもし「HARAJUKU2.0」が実現して原宿が心動く街になった暁には街ゆく人々もきっと「定期的に原宿に行かないと死んでしまう病」にかかっているに違いない。


全ては愛ゆえ

KOMOREBIには様々な愛を込めている。

原宿への愛
音楽への愛
 DJへの愛

似通った愛を持つ人がKOMOREBIに集ってくれたら嬉しい。
現代はインターネットが普及して本当に便利になった。
欲しい情報の大半はネット検索するだけで手に入るし、買い物すらスマホで完結させることができる。

だからこそ僕は感動にだけ集中する。
アナログで血の通ったやりとりは時に不便かもしれないが、リアルな体験から得られる感情はどれだけネットで検索しても見つけられないし、買うこともできない。

ナンパでもない、マッチングアプリでもない、プライベートパーティでもなければクラブでもない。
良い音楽と良い人が合わされば良い空間が出来上がる。

そしてKOMOREBIという1つの空間を起点に原宿が心動く街になり、街を歩いてるだけでもどことない居心地の良さを感じられる空気感を作れたら働く人も住む人もやってくる人もみんながもっと原宿という街を好きになってくれることだろう。

熱血コスプレ漫画「2.5次元の誘惑」の一コマ
コスプレイヤーのリリサ(画像右下女性)は会場にいる人たちを「お客さん」ではなく「仲間」だと言い切る。その真意にツバキ(画像上側の銀髪女性)が気づくシーン。


開催情報


日時:5月9日(木)19:00-23:00
料金:エントランス1000円(2ドリンクチケット付)
DJ:RAMIEL, roto, Shingo Yue
LIVE:Konfig
音楽ジャンル:Chill系(lo-fi, R&B, HIPHOP etc…)
場所:studio cien
https://maps.app.goo.gl/xZyuZZTpGPvXC8tC9

その他
・入退場自由
・屋外に喫煙スペースあり
・今後も平日夜に定期開催予定















いいなと思ったら応援しよう!