つちふまずしか勝たん
子供の話を聞くと、学校の指導が昔と全く違うと実感する。
特に食に対する指導は大きく変わった。
今は食べられないものは無理に食べさせないし、食べ残しがあろうがなかろうが、余ったおかずをお代わりしてもOKらしい。
なんて優しい世界!
我々昭和の子供の頃と言ったら、食べ残しする生徒に人権は無かったと言っても過言ではない。
みんな大好きわかめご飯やミートソーススパゲティ、カレーなんかが残っていても、食べ残しがあれば当然ジャンケンする権利は無い。
給食の後の昼休みも、その後の掃除の時間も、食べ終わっていない子は食べ切るまで席を立つことは許されなかった。
掃除の為に教室の後ろに下げられた『机バリケード』の中で、泣きながら鼻をつまんでイワシの内臓を牛乳で流し込む友達を何人も見てきた。
あれは間違いなく地獄のそれだった。
今思えば、多くの生徒にトラウマを植え付けたであろうこの指導も何がしたかったのか?とは思うが、好き嫌いなくここまで生きてこられたのはありがたい。
魚を食べれば、「あんたの食べた後は猫も通らへんな」と言われるくらいキレイに食べられるのも自慢かもしれない。
そして、食の指導よりもさらに意味不明な指導が我が校にはあった。これは昭和というより、うちの地区特有の話と思う。
「裸足っ子運動」である。
なんそれ!という声が聞こえるので解説する。
朝登校すると全生徒は下駄箱で靴と靴下を脱ぐ。そもそも半数の子は靴下を履いていない。何故なら履いてもすぐ脱ぐから。(実に明快である)
学校生活は裸足で過ごす。
グラウンドには小石も落ちているが、そんなことは誰も気にしない。
とにかく裸足で過ごす。
夏はいいが、冬はまずい。底冷えで有名な京都の冬だ。
霜柱があろうが体育は外でやるし、勿論靴は履かない。
そして先生は靴を履いている。(ここで全生徒は理不尽という単語を覚える)
そうまでして生徒に靴を履かせない理由。
それは。。
それは。。。
立派な土踏まずを作ること。(以上)
毎年足形を取るのだが、土踏まずが踏まなすぎて2つに分かれた足形の生徒が多数。 普通見たことないよね、つま先とかかとだけの足跡。
悲惨なのは転校生だった。
希望を胸に、不安半分で転校してきたその学校は、まさかのツチフマズ小学校。
転校初日にツチフマズ先生によって、ピカピカの上靴を脱がされる。
通常転校生なんて、それだけで人気を集めるものだが、我が校は違う。
ヒエラルキーはいかに土踏まずが立派かで決まるのだ。
どこの部族だよ。
正確には、猿みたいな足形の子供が大きな顔をできる世界。
これぞまさに、It's a small world.
この話を家族にしたらうちの長男が一言。
「そっか!パパの時代はまだ上靴なかったんだね!!!」
息子よ、父をいつの時代の人間と思っているんだい?
おわり
サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー