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毎週ショートショートnote 『チョコニート』

おれは一流のショコラティエ。

ベルギーのピエッレ マルコポーロ(略してピエマル)の元で35年修行した。長かった。いや、長すぎた。長すぎてピエマルちょっとオコだった。

そんなおれの作るチョコレートは、食べた者全てを魅了する。

一度食べれば虜となって、チョコを食べること以外は何もしたくなくなるのだ。



『チョコニート』と呼ばれるようになったおれのチョコは今日も食べた者をダメにしていく。



おれは何のためにショコラティエになったのか。


人々の幸せのためではなかったのか。

チョコニート、こんなものがあるから、みんな不幸になるんだ。



おれはチョコニートを握りしめ、何でも忘れさせてくれる『忘れま書店』へと向かった。


メニュー表にあるチョコ冷凍レイトを指さし、キンキンに冷えた書庫にチョコニートを放り込もうとした、まさにその時。


店主が横からチョコをパクリ。


あまぁい香りに我慢出来なかったんだろう。



翌日『忘れま書店』は『働きま店』になったとさ。





(410字)


たらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加します。

お題は『チョコニート』
チョコにはあまぁい魅了がありますよね。


表のお題『書庫冷凍』はこちら。

表と裏でセットの物語となっています。
あわせて読んでくださると嬉しいです。



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