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毎週ショートショートnote 『不眠症浮袋』

前回『無人島生活福袋』で書いた話の続きです。



無人島での福袋探しゲームが始まって3日経つ。
いつ誰が襲ってきてもおかしくない状況で全く寝れない日が続いている。

昨日、島の高台から海を見たら沢山の袋が浮いていた。
あの数のクラスメイトが既に消えたということだろうか。

基本的に島は静かだが、時折争うような声が聞こえてくる。

きっと食料か何かを奪い合っているのだろう。
もしかしたら、もっと酷いことが起きているのかもしれない。
この期に及んで見苦しい奴らだ。

そうだ、このクラスに良心のある奴なんているはずが無い。

そこでふと気付いた。

クラスメイトが消えたと知っても全く心が痛まない。そんな自分の良心もとうに消えてしまったのだろう。


こうなると、この島には福袋なんてひとつもないのかもしれない。


辛すぎる日常はあれだけ終わってもいいと思っていたのに、いざ袋を見つけても開ける勇気が湧かなかった。

でもひとつも福袋なんて無いんじゃないかと思ったら妙に覚悟が決まった。



夜が明けたら中身を確かめよう。





(410字)

昨日に続いてたらはかにさんの毎週ショートショートnoteに参加です。

今回は裏お題の『不眠症浮袋』でした。
続きを読みたいというコメントをいただいたので、続きの物語として書きました。読んでくださりありがとうございます😊

前回のコメントで、コニシ課長に人が最初に失うのは良心だと言われました。では良心の塊の私は人ではないのでしょうか?

#なんのはなしですか

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