毎週ショートショートnote 『ユニーク輪唱』
「うーん、これは珍しい。一見するとただの輪唱病なんだがこれはカエルC型だね」
輪唱検査技師が先程撮った音トゲン写真を見ながら呟いた。
「え？今流行ってるのは静かな湖畔B型じゃないんですか？」
「そうなんだよなぁ。どこで感染したのか。ちょっと耳貸して」
音トゲン写真をくるりと丸めてメガホンのようにした技師は耳元でささやく。
「き、金をだせるのか？」
「ちょ、ちょっとやめてください！それはカオナシが砂金を出せると分かったときの強欲なカエルのセリフ！先生の声が輪唱のように重なって聞こえます！そして何よりカエルの声が一つだけ混じってて気持ち悪い！」
「ハクさまー、どこへ行っておったぁー？」
「あぁ！それは千尋が息を止めて姿を消しているのに突然現れたカエルのせいで魔法が解けた時のセリフ！そしてやっぱり一つだけカエルの声が混じって気持ち悪い！」
「千を出せ！」
「うわぁ！全部カエルの声になった！！」
「治療失敗！ごめん！」
(410字)
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お題は『ユニーク輪唱』。
年始から裏お題までいけて満足😆
ちなみにお風呂は熱海のお風呂が好きです。
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