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ジョージはトークがおじょーず

波長の合う人、合わない人っていると思う。

例えば会社の同僚のYはとってもいいやつなのだけれど、まさしく波長が合わない。

会話していてもなんだか弾まないし、テンポが合わない。

ちょっと前に飲み会でYが引っ越したと言う話を聞いた。アウトドア派な彼は郊外に結構な広さの家を建てたらしい。

めっちゃ広いやん!それって甲子園何個分?

と軽くボケたら5秒ほど間があって

いや、さすがに甲子園ほどは広くないかな

と真顔で答えられた。
今思うと私の絡みがきっついし、彼こそボケていたのかもしれない。

でもその時私は「お、おう」となって黙ることしかできなかった。



そんな私にもこの人波長が合うなぁと思う人も何人かいる。

その中の1人。
私が京都で学生をしていた頃に通っていた美容師の話をしたい。


彼の名前はジョージ。コテコテの関西人だ。多分丈治的なやつだ。しらんけど。

頭にはツバの大きな中折れ帽。
帽子を取ると少し禿げている。

ぴちぴちのシャツにぴちぴちのスキニージーンズ。
靴はウエスタンブーツ。

椅子に座ると際立つポッコリお腹。

そして顔はフットボールアワーの岩尾さんそっくり🤣

雰囲気ありありな彼だが話す内容もいつもぶっ飛んでいた。

彼はお客様に手を出すタイプの美容師だった。
30歳程で独立し、自分の店を持っていたのは、確かに美容師としての腕が立つのと、トークが達者だった証拠だ。

女の子からしたら遊ぶ相手としてちょうどよかったのかもしれない。

狭い範囲をトコトン掘りまくる恋愛しかできない私からしたら彼の話は全く別次元の話だった。

ある日彼は言った。



「店持てたからお客に手ぇ出すのはやめることにしたんやけど、最近すごいことに気付いてん。」


「なんですか?」


「道聞いてくる外国人観光客いるやろ。綺麗な人多いしナンパし放題やで。マイトンくんもやってみたらおもろいで。」


ジョージの店は京都市でも有名な神社が近くにあり、観光客で溢れていた。ターゲットは自分から探しに行かなくても店にいるだけで向こうからやってくると言う。

京都に遊びにきた外国人観光客が、そこで出会ったフットボール岩尾さんと思い出を作っていると言う事実に軽い眩暈を覚えながらも、ジョージのアホみたいな行動力に元気をもらえた気がした。


ジョージはいつも褒めてくれた。


「マイトンくん、おしゃれやから……」とか、「マイトンくんなら知ってると思うけど……」とか絶妙にこちらが嬉しくなるワードを散りばめて会話してくれた。


今思い出すと、波長が合うというか、上手に合わせてくれていたんだな、と思う。


これってやっぱり仕事柄必要なスキルなのかもしれないけど、相手に寄り添う気持ちと、興味を惹くエピソード。この2つが突き抜けていたジョージの店は連日予約客でいっぱいだった。


あまり意識したことはなかったけど、その後の私の人との付き合い方に大きく影響を与えた気がする。


ジョージに教えてもらっためちゃくちゃ美味いコーヒーを淹れてくれる喫茶店や、私に似合うと言って紹介してくれたアパレルブランド。


京都を離れて15年。また行ってみたいなあ。ジョージはまだお店やってるのかなぁ、、って思って今調べたらお店はあるみたい!


よし、次帰ったら遊びに行ってみよう!
お互いおっさんになったからこそできる話があるはずだ。


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マイトン@路地裏で遊ぼう
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