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人の悪口を言わない

 今日年度末ということもあり、職場の個人目標管理表が、上司からの返答コメント付きで返却されてきた。30科目ほどある項目のうち、唯一評価の高かった項目は、「人の悪口を言わない。」であった。職場の管理目標にこの項目があることも、最初は不思議に思ったが、いじめで不登校、職場をやめてしまう人が多いと言われる近年、いじめのきっかけになる「悪口を言わない。」ことで、職場環境が良好になり、コミュニケーションが活発になることで、仕事の循環もよくなり、職場全体のパフォーマンスが上がり、良好な人間関係であるため、離職率も減少するのであろう。だから、「悪口を言わない。」が、職場の個人管理表の項目中にあるのだろう。

 ところで、どうして私は「悪口を言わない。」のか、と自問してみた。この4〇年間の人生の中で散々悪口を言われてきて、やはり誰かに悪口を言われている状況は、非常に不愉快だと痛感したからである。せめて自分の身の回りの人には、そのような不愉快な思いをしてほしくないし、自分から悪口の負の連鎖を広げたくもないからだ。書いてみながら、何とも学校の道徳の時間に教わったような理由で、身も蓋もない。

 そんな私でも、時折突き上げてくるような心の怒りを感じてしまうことがあり、たまに何か口から吐き出したい衝動にかられることがある。そんな時は、タイ語で悪態をつくようにしている。例えば、「アライワ?」「アイヒア、ムン。」「バチャイミヤグーヌッ。」など、そうするといくらか気持ちがスーッと落ち着いてくる。

 あと、嫌な感情が膨らんで、どうしても悪口を言いたい衝動がムクムク沸いてくる時、できるだけその出来事や感情をポジティブに変換するように心がけている。できるだけその場で言語化しないようにもし、かなり気持ちが落ち着いてきてから、言語化するようにする。もしくは、笑い話に仕立ててオチをつけて誰かに話す。

 更に、嫌な感情がどうにも納まらない場合は、職場とは関係のない信頼できる友人にのみ話しを聞いてもらい、何とか自分の中で折り合いをつける努力をする。

 このように、文章化してみると悪口を言いたい衝動の処理は、結構大変なことがわかった。ある意味特殊技能かもしれない。来年度も「悪口を言わない。」を貫けるように頑張りたいものだ。


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