【技術士二次試験】 課題の設定
技術士二次試験の必須問題、選択科目のⅢでは課題の設定が必要になります。課題の設定で自分が意識したことについてお伝えしたいと思います。なお、かなり自分独自のスタイルが入りますので参考にされる方は注意してください。正直なにが正解がわかりませんので・・・
自分が課題を設定する際に注意していた点は、
1.多面的に考える
2.型を決める
3.技術者倫理を盛り込む
になります。以下にこの3つを説明します。
1.多面的に考える
「いろんな視点から物事を見れますよ」という点をアピールするのが目的です。技術系の細かい課題のみで、「視野が狭いな~、リーダーとしてはどうだ?」のような採点をされないためにも、多面的に考える必要があります。いわゆる、人・モノ・金で課題を考えるというやつです。他の考え方としては、発生前・発生中・発生後などの時間的視点や、やり方が異なる手法的視点、他にもたくさんあると思います。
エネルギー問題を例として挙げると、
人:エネルギー関係の技術者の育成・技術継承
モノ:発電施設の老朽化
金:物価高による調達コスト増加を抑える
エネルギ消費を抑えるための視点を変えた場合
1.エネルギー消費量の削減
2.エネルギーの効率的な利用
3.エネルギーの代替
かなり大所高所な課題を挙げていますが、今の試験問題の題意に沿うと、こうすべきかなと考えています。また、細かい課題を最初に書くと、後の解決策の幅も狭くなり、共通リスクやリスクの解決策を挙げにくくなります。論文は終わりに向けて論点をしぼる作業ともいえるので、最初が狭いと後々が書きづらいです。自分の知識不足とも言えますが・・・
2.型を決める
課題の書き方をある程度、固めたほうが書きやすくなります。書き方としては、
①問題点を解決するには、~に取り組む必要がある。もしくは、問題点や現状を述べる。
(現状の認識を行う)
②しかし、~な理由により、課題を遂行するのは非常に困難である。
(難しい課題だと思わせる)
③困難な状況の中、~をするのが課題である。
(まとめる)
この書き方で、うまい具合に行を埋めることができると思います(約150文字程度)。この型と、多面的な考え方を利用すれば、想定していない問題にもある程度対応することが可能と思います。ただし、内容は薄いので採点者の興味を引くために、技術者倫理を盛り込むようにします。
3.技術者倫理を盛り込む
令和元年以降の試験で、採点項目に技術者倫理が明示されました。口頭試験で質問される、公共の利益優先や環境の保全なんかです。課題を大所高所にすることによって、人々の生活や経済活動、環境保全の話を非常に入れやすくなります。なにより、「技術者は、公衆や環境を第一に考えるべきだ~」という試験の意図もあるので、入れて損はないのではないでしょうか。
4.課題設定の例
上記1~3を考慮して一つ電力関係の課題を設定してみます。
「現代人にとって、日々の生活と電力消費は切り離すことができない関係である。世界人口は80億人に届く勢いであり、世界的な電力消費量が急減することは考えにくく、化石燃料消費による環境汚染を低減するためのEVシフトによる電力需要の増加も考えられる。国民の健康で衛生的な生活を維持しながら、いかにして電力消費量を削減していくかが課題である。」