金融商品の勧誘 販売に関係する法律
前回までは、金融商品取引取引法について勉強していきましたが、
ここからは、その他の法律について勉強していきたと思います。
金融サービスの提供に関する法律
(金融サービス提供法)
説明義務
金融商品販売業者は、金融商品の販売が行われるまでに
顧客に対して重要事項を説明する必要があります。
重要事項の説明に関しては、書面の交付による方法もありますが、
顧客の知識、経験、財産に状況及び、金融商品の販売に係る
契約を締結する目的に照らして、その顧客に理解されるために
必要な方法や程度によるものでなければならないとされています。
特定顧客
重要事項の説明義務は、金融商品の販売に関する専門的知識、
経験のある者として政令で定める特定顧客に対しては
適用外となります。
重要事項について説明は不要だという顧客の意思表明が
あった場合、商品関連市場デリバティブ取引及び
その取次ぎの場合を除き、重要事項の説明義務は
免除されますが、金融商品取引法上の説明義務は免除されません。
因果関係 損害額の推定
金融サービス提供法では、重要事項の説明義務に違反して
重要事項の説明を行わなかった場合には、故意または過失の有無
を問わず、損害賠償の責任を負うことになります。
金融サービス提供法では、不法行為と損害の発生との
因果関係及び損害額について、金融商品取引業者側に
立証責任があります。
消費者契約法
消費者契約法は、消費者保護の観点に基づいた
法律です。
消費者を誤認させる行為または消費者を困惑させる
行為が行われた場合の消費者による取消権、
不当な契約条項の無効を定める法律です。
消費者とは、個人のうち「事業としてまたは事業のために
契約の当事者となる場合におけるもの」を除いた者をいいます。
協会員が投資信託の販売を行う場合や、変額年金の販売を
行う場合など、顧客との間の直接の相手方となるわけでは
ないが、このような場合でも、消費者契約法の対象となります。
消費者が契約の取り消しができるケース
1、重要事項の不実告知
消費者に対して重要事項について事実と異なることを
告げたことで、その内容が事実と消費者が誤認した場合。
2、断定的判断の提供
物品、権利、役務その他消費者契約の目的となるものに
関し、将来におけるその価額、将来において消費者が
受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項
について断定的判断を提供することにより、その提供された
断定的判断の内容が確実であると消費者が誤認した場合。
3、不利益事実の故意または重過失による不告知
消費者の利益となる旨を告げ、かつ、その重要事項に
ついて消費者の不利益となる事実を故意または
重大な過失によって告げなかったことにより、
当該事実が存在しないと消費者が誤認した場合。
消費者が取消権を行使する方法は、
消費者契約法での定めは無いため、民法123条により
相手方に対して、意思表示を取り消す旨を伝えれば
良いとされています。
そのため、必ずしも裁判において主張する必要はありません。
また、取消権は、消費者契約に締結から5年を経過した場合に
消滅します。
犯罪による収益の移転防止に関する法律
(犯罪収益移転防止法)
マネー・ロンダリング(資金洗浄)の防止の観点に基づいた
法律です。
犯罪による収益の移転防止、テロリズムに対する資金供与の
防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、国民生活の
安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に
寄与することを目的としています。
顧客に有価証券を取得させる内容の契約を締結する際、
最初に顧客について本人特定事項等の確認で、
本人確認書類の提示、送付を受ける必要があります。
本人確認書類は、個人であれば、運転免許証、在留カード、
特別永住者証明書、個人番号カード、各種健康保険証、
年金手帳などになります。
代理人が取引を行う場合、本人の取引時確認に加えて
代理人についても本人特定事項の確認が必要です。
ハイリスク取引
なりすましが疑われる取引や取引時確認に係る事項を
偽っていた疑いがある顧客などとの取引では、
ハイリスク取引として厳格な取引時確認を行う
必要があり、直ちに確認記録を作成して7年間保存
する必要があります。
顧客から受け取った財産が犯罪による収益である疑いが
あるかどうか、または犯罪収益の取得や処分について
事実を仮装したり、犯罪収益を隠匿している疑いが
あるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる
場合には、速やかに金融庁に対して疑わしい取引の届出を
行わなければならないとされています。
個人情報の保護に関する法律
(個人情報保護法)
協会員は、顧客の個人情報保護のために
個人情報保護法や金融分野ガイドラインなどに
従い、個人情報取扱事業者としての義務を遵守する
必要があります。
1、個人情報
個人情報保護法が対象としているのは、
「個人情報」、「個人データ」、「保有個人データ」、
「要配慮個人情報」、「仮名加工情報」、
「匿名加工情報」、「個人関連情報」
金融分野ガイドラインでは、「機微(センシティブ)情報」
について定められています。
ここまでが、金融商品の勧誘 販売に関係する法律に
ついて勉強してきました。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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