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まほろばの朱(あかり)生育記録(10)【🍓太陽熱養生処理のイイトコロ】

こんにちは《吉田農園まほら》代表の眞崎です。長崎県・雲仙国見の苺『まほろばの朱(あかり)🍓』ができるまでの生育を今期も記録していきます。
9月、まもなく苺苗の植え付けが始まります。昨年同様7〜8月に太陽熱養生処理という土壌消毒を行いましたので、書き留めておきたいと思います。

他にもバチルス菌や乳酸菌群、もみ殻薫炭も投入

◆土着菌を殺さない土づくり!
土着菌とは、その地域に元々棲みついている様々な菌のことを言うそうです。どの地域にも様々な事や人の多様性があるように菌の世界にも多様な世界が広がっていることが想像できます。
《太陽熱養生処理》は、その菌(微生物)を利用するだけとか、最大限活用するとかを謳っているわけではなく、ただただ《土着菌くん》も多様な菌の一微生物として活躍してね!という思いがあってこの方法を採用している次第です。米ぬかや薫炭は、菌の住処になります。土着菌が地元民なら投入した乳酸菌群は新規移住者といったところでしょうか⁈
そして《吉田農園まほら》の『まほろばの朱(あかり)🍓』は、この太陽熱処理を経て育てた苺🍓と定義付けています。土着菌も含めた様々な微生物の力を利用した土の中で、苺の苗が育ち🌱良い実を成らすことに思いを馳せているところです。

処理後、土がフカフカになります!

◆太陽熱養生処理のイイトコロ、糖蜜と酵母菌の力!
菌を殺す・殺さないとか刺激的に書きましたが、そもそもなぜ土の中の菌を殺菌させる農業の工程が必要かというと、それは《連作障害》を防ぐためです。同じ作物を同じ場所(畑)にずっと植えていくと、土の中で作物にとって《悪影響のある菌》がはびこり、作物がよく育たなくなってしまいます。これを《連作障害》と呼びます。水稲の田んぼでは、水を張るのでこの連作障害は起こりにくいんですが、畑の作物ではこれが起こってしまいます。これを防ぐために《土壌消毒》という作業や《別の作物を植える輪作》などが必要になります。
その土壌消毒にも色々あって、強力な薬剤で菌を全滅させる《薬剤処理》、田んぼのように水を張って殺菌する《水処理》、太陽熱の力を利用して殺菌する《太陽熱処理》などがあります。どの方法も次に良い果実を実らせる合理的な方法で優劣はありません。但し、悪影響のある菌を減らすも全体として菌を活かしバランスを取るという意味では、太陽熱処理にイイトコロがあると言えると思っています。
《吉田農園まほら》では、この太陽熱処理の方法を選択し、さらに糖蜜と酵母菌を投入した《太陽熱養生処理》という土壌消毒を採用しているといった次第です。

◆自然か人工かではなく、農業は元々ハイブリッド力が大事!
最後に私の農園の農業スタイルについて述べておきます。有機農業や慣行栽培などのカテゴリー分けがあるように、{自然農法}から{工場栽培による管理農業}まで農業自体もいろんなスタイルがあり、多様性に満ちています。これから農業のテッパンスタイルは管理農業側に振れていくのは確実だと思いますが、マニュアル化が難しいのが農業のボトルネックであり、イイトコロでもあると思っています。その地域にはその地域の土着菌が生息し、多様な世界を形造っていることへのリスペクトが、私の農園のスタイルを決めているのかもしれません。
それは{自然}の部分を推進し、{人工}の部分を抑制するとかの話しではなく、農業は元々そのハイブリッドな力をバランス良く利用してきたと考えています。AIによるスマート化が進んでも、その部分は守っていきたいなぁと考える今日この頃です。

有明海から望む島原半島北部
中央の山が雲仙岳

日出ずる国《まほろば》に僕ら生まれ育ち
今こうして踏みしめる大地
常に開く新しいぺージ
旅に出よう!それぞれのステージ

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