移住して、下田から繋がる人と仕事
「今日はよろしくお願いしますー！」
待ち合わせ場所で開口一番、キュートな笑顔で挨拶をしてくれたのは
石原 美華（いしはら みか）さん。
通称ミミゾウとか、ミミちゃんの愛称で親しまれています。
伊豆高原のファスティング施設、東急ホテル、禅の湯など
下田近辺でフリーランスのヨガインストラクター、
「まごころヨガ」として活動中です。
お顔立ちは海外風ですが、生まれは八王子。
物心つくまでを静岡県伊東市で過ごしていたという彼女。
下田に移住をするまでは都内でヨガ講師をしていたそうです。
その頃から、趣味のサーフィンのために
下田にはちょこちょこ遊びに来ていたんだとか。
「心を癒すために下田に来ました。下田の海や自然が大好きで。」
下田がもともと好きで移住されたんですか？そう質問すると、
「実はパートナーと別れて傷心で･･･」ときまり悪そうに石原さんは笑いました。心に傷を負った彼女は、昔から好きだった綺麗で透き通った下田の海に癒してもらうために、移住を決めたんだそう。
下田に来た当初は知り合いもいなかったため、
石原さんのヨガ講師としての仕事もゼロからになりました。
「バイトでもしながら少しずつヨガ講師のお仕事を探していこう。」
そんな気持ちで下田での移住生活を始めたといいます。
「正直、最初はびっくりしましたよ！笑」
「あんたどこ住んでんの？仕事は？」
下田で暮らし始め、バイトを探していた矢先、
銭湯で知らないおばちゃんに話しかけられた石原さん。
話の流れでバイトを探していることをポロっとこぼしたんだそう。
「じゃああんた、東急ホテルで働きなよ！私もそこで働いてるからさ、
明日電話してみな！〇〇からの紹介でって言えばいいから！」
いわれた通り翌日電話すると、そのまま採用。
怒涛の勢いでバイト先が決まりました。
「今思えばあのおばちゃんに繋げてもらったから、
いま東急さんでヨガのお仕事ができてるんですよね。」
最初は東急ホテルのレストランのバイトとして
雇ってもらった彼女でしたが、都内でヨガのインストラクターを
していたことを話したところ、「じゃあ、うちでヨガやりなよ！」
なんて話に発展。たまたま、東急ホテルで定期的にヨガ教室を行っていた先生が下田から引っ越してしまうことになり、後任を探しているタイミングだったんだとか。東急ホテルでのヨガレッスンを知った人から、
またヨガのお仕事を紹介してもらい･･･石原さんの、下田でのヨガ講師としての活動が始まりました。
将来的にはヨガで食べていけるようになりたいと考えていた石原さん。
知り合った人には積極的にそのことを話していたそうです。
「フリーランスで移住した人へのアドバイスですか??
私の話なんて参考にならないと思いますよ～。」
なんて石原さんはおっしゃっていたけれど、
「ミミさんがそうやって、自分のやりたいことを明確にして口に出していたから、皆応援したくなってお仕事持ってきちゃうんでしょうね」。
私が言うと、「そうなんですかねぇ」とミミさんが照れくさそうに笑いました。
今の目標はチャリティヨガイベントの開催。
集まったお金を動物の保護施設や、環境保護団体に
寄付したいんだとか。
彼女の住む家の大家さんは、保健所で保護される動物たちを引き取って、
個人で保護活動をしています。
石原さん自身も、そんな子たちを引き取って現在一緒に生活しています。
元保護犬の「結ちゃん」は南伊豆の山の中に捨てられていた子。
結ちゃんの名前には「私の心と、保護犬ちゃんの心が結ばれますように」。
彼女のそんな願いが込められています。
「ヨガ」は繋げるというサンスクリット語が由来の言葉。
下田でゼロから始めたフリーランスのヨガインストラクターの活動も、
人から人へ繋がって、お仕事に繋がって。
「ヨガ講師なんて言っているけど、教えるっていうより、
心と身体を繋げてくれるヨガの良さを、皆にシェアしたいんです。」
石原さんが初めてインドでヨガを体験したとき、
終わった後の心の穏やかさ、身体の軽さに驚いたといいます。
その感覚を皆さんにも感じてもらえたら。そんな気持ちで活動を続けているそうです。
下田から始まり、どんどん繋がって広くなっていく石原さんの活動。
来年には南伊豆のキャンプ2件とリトリートツアーの企画の話が持ち上がっているんだとか。
「下田の方々の人柄のあったかさと、繋がりにいつも助けてもらっていて、
読んでくれた人にそのことが伝われば嬉しいです。」
下田の人の「繋げる力」ってフリーランスにとって、実はすごく心強いのかもしれません。
(ライター/ VILLAGE INC. 本間 千裕）
(写真提供/ 伊豆下田100景 岩崎 努 / まごころヨガ 石原 美華)
まごころヨガ(instagram)：https://www.instagram.com/magocoro33yoga/