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誇れる下田に。みんなの拠り所に。

大自然に恵まれた環境。都市部に住んでいる方にとっては羨ましいくらいの魅力が溢れる下田ではありますが、過疎化や少子高齢化は避けて通れない課題です。近年は移住者も増え始め、その中にはこれから子育てを始める人、子育て世代の方々も少なくありません。

そんな下田で子育てママを応援するサークル「子育てママサークルにこにこ (現:子育て応援にこにこサークル)」を立ち上げたのが大内仁美(おおうち ひとみ)さん。現在3人のママでもある大内さんは2011年の東日本大震災を機に下田にUターン移住。生まれ育った街に戻ってきた大内さんが感じた子育て環境やそこで始めたサークルのこと、そしてこれからの下田についてお話を聞いてみました。

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ーー まず、大内さんがUターンされた経緯を教えてください。

私は下田で生まれ育って、高校卒業後に県外へ。保育士として働いた後、結婚を機に福島に行きました。そして、2011年に東日本大震災がありました。震災の時にちょうど友人の結婚式があり実家に帰省していました。震災後、福島には帰れないと思いそのまま下田へUターン移住することを決めました。その後一番下の子が生まれて、今は3人の子を育てています。

ーー その頃の下田の子育て環境はどうでしたか?

戻ってきた当時(2011年頃)の下田は福島に比べると子育て環境が充実していなかったと感じています。
福島にいる時は2人の子育てをしていましたが、子育て環境がとても良かったんです!子育て支援センターや子どもの医療費の助成などもしっかりしていました。公園なども周りにたくさんありました。

ーー 当時の下田はまだまだだったんですね。

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ーー 子育てママサークルを立ち上げようと思ったきっかけは?

下田市社会福祉協議会さん(以下、社協さん)からのお誘いがきっかけです。
2人目の子が幼稚園に上がって少し手が離れた頃、社協さんが主催するファミリーサポート※の養成講座を受ました。その時に社協さんの担当者からのママサークルとかをつくらないか?とのお誘いがあり、一緒に受講していたママ達と一緒にサークルを立ち上げることになりました。
※ファミリーサポートとは:子育てを応援してほしい人(おねがい会員)と子育てを応援したい人(まかせて会員)をつなぐ仕組みです。

ーー 子育て支援センターとは違う「環境」をつくったんですね。

市町村の子育て支援センターなども初めてだと一歩が踏み出しづらいなと。知らない人の中に入る緊張や子どもがいる環境なので。子育てする難しさや大変さを感じる中で、もっと一歩を踏み出しやすい環境を作りたいと思ってサークルを作りました。

ーー それが2016年に発足した子育てママサークルニコニコですね。      (現:子育て応援にこにこサークル※2020年に改名

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ーー サークル活動がどんな感じで動き始めたか教えてください。

ファミリーサポートの養成講座を受けていた5人から、友達に声かけなどをして集まった10人くらいでサークルをスタートしました。最初は名前を決めたり、やりたいことを話し合ったり。「何かしなければ」と始めたものの、何をしていこうかと全て手探りでした。月に一回くらい集まって「やりたいこと」などを出し合って少しづつ動き始めました。

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ーー 主な活動内容としては?

主な活動としては、親子で楽しんでもらえる季節に合わせたイベントや料理教室、定期的なフリーマーケットを開催しています。社協さんを含め他の団体などとコラボしたイベントもあり、ママのためのイベントなどもやっています。(プレイリーダー養成講座、アロマ講座など)
トヨペットさんとコラボして開催したハロウィンイベントなどはお父さんの参加率も高くすごく盛り上がりました。

20180219 フリマ

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ーー サークルを運営する上で大変なことはありますか?

サークル活動なので仕事や子育ての合間を使って自分たちで企画や準備をしなければならないので、大変な時もあります。役員のメンバーなどには結構負担をかけてしまっていますが、みなさん本当に頑張ってくれています。
サークルメンバーの入れ替わりなどもあります。仕事の都合で異動や引っ越しがあったり、子どもの成長(小学校入学)など、子育ての環境の変化に合わせてママ環境が変化していくのでサークルメンバーも常に変化しています。そういう変化が多いママの集まりなので維持していくのも簡単ではありません。最近だと仕事をするために年齢が低い時期から保育園などを利用する人も多いので、そういう場合はサークルに入る人は少ないですね。
初期から続けてくれている役員には本当に感謝しています。現在は私も含め役員が中心に運営をしていますが、世代交代などもあるのでで新しいメンバーに入ってきて欲しいですね。

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ーー サークル活動を初めて良かったことは?

子育てに関わる人たちや同じような活動をしている人たちと知り合いになれたことですね。あとは市(行政)と関わることが増えたこともあり、様々な場面で団体としての意見が言えるようになりました。個人では伝わらない子育てに対する意見が、団体としてだと(多数意見として)しっかり受け止めてもらえることもわかりました。あとは、お母さん同士の繋がりも広げることができます。

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ーー 移住促進などの効果もあり、子育て世代の移住者も増えて来ていますがそれについてはどう思いますか?

移住されてくる方々の方が意識が高いと思います。意識というか下田の環境の魅力を理解されて存分に活用されている気がします。笑
下田は自然環境などとても充実していると思いますが、意外と自分たちの方が知らないことが多かったり、うまく利用できていないと感じます。海や山で遊んだり、畑や田植えをしてみたり。もちろんやっている仕事の違いなどもあると思いますが、そういう意味では、子どもを含め移住者の方と一緒に交流することで、本来の下田の魅力的な子育て環境を再発見したり育てていくことができる気がします。

ーー 今後の下田への思いを聞かせてください!

下田に住んでいることに誇りを持ちたいと思っています。子育て環境に限らず、自分自身が今までは住んでいる地域に誇りを持てていなかったと感じています。それは今も問い続けていることです。
必ずしも将来ここに戻ってきて欲しいわけではないですが、子どもたちに「良い環境で育ったなぁ」と思ってもらえることが大切だと思っています。
サークルとしては、子育てで悩んでいる人、移住や引っ越しで知り合いがいない人などの拠り所であったり、友達づくりのきっかけになっていけたら嬉しいです。
新規メンバーや活動場所などは随時募集しています!

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ーー ありがとうございました。

自分が体験した子育て環境の足りない部分を変えるためにサークルを立ち上げた大内さん。子育ての仕方や環境の選択については、それぞれの悩みや大変さがありますが、それを相談できる仲間も大切です。

参加してみてわかること、知れることはたくさんありますが、その一歩が踏み出せない・・・。でも、その先には必ず新しい発見や刺激があります

お気に入りのお店に顔を出すように、サークル活動に参加されてみてはいかがでしょうか?

子育て応援にこにこサークル
代表:大内 仁美
Facebook:https://www.facebook.com/shimodanikoniko
連絡先:shimoda.nikoniko@gmail.com

ライター / イラスト:温泉民宿 勝五郎 土屋尊司
サークル活動写真:大内さんご提供

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