不意打ち
今日は雨。午後は休み。
お目当てのカフェに向かうも入れず。
残念。
別のカフェで時間を過ごす。
少しづつ眠くなり、
帰ろうと思った矢先、
母からメッセ―ジ。
ちょうど義姉が来ているから
よかったら電話して、と。
今までなら、
気分が乗らなかったら電話しない。
でも。
これは世界が囁いているのかも。
乗ってみよう。
ふと、
義姉とどんな間柄になりたいかな、
と思う。
もっと温かく親しみのある感じ、
リラックスした間柄
…になれたらいいかな。
カフェを出て、
電話できそうな場所を探しつつ
フラリと歩く。
どこからか
道端のミュージシャンの
歌が聞こえてくる。
男性の
伸びやかで落ち着いた声。
アコースティックギターの
透明な響き。
懐かしい歌。
・・・あなたの小さなミステイク
いつか思い出に変わる
大人への階段をひとつあがったの
人生はあなたが思うほど悪くない
はやく元気出して
あの笑顔を見せて
ラララララ・・・
涙にじむ。
不意打ち。
思わず小さく口ずさむ。
ダメだ、涙あふれる。
みんな見てるけど、まあいっか。
歌が遠ざかっていく。
たくさんある歌のなかで、
いまのこのタイミングで、
この歌のこの部分が、
今の私に届く不思議。
私は、いつだって応援されてたんだ。
私が、閉じてたんだ。
そんな言葉がふわっと浮かび、
すこし温かくなった。
また涙がじわりとにじんだ。
雑踏のなかで電話をかけた。
「元気?」
いつも通り、少しぎこちない義姉の声だった。
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