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“True digital company”を目指すディズニー、足元の柱となるパーク・体験事業の中身とは
今回は先日ボブ・アイガーCEOの復帰が話題になったディズニーの決算を見ていきます。
2月に行われたFY23 Q1の決算発表にてボブ・アイガーCEOは、クリエイティブが中心の会社であることを冒頭で話した上で、テクノロジーという単語を何度か発しています。
具体的には自身が過去に行った変革を2つ上げ、一つが新たなテクノロジーの獲得として「ピクサー、マーベル、ルーカスフィルムの買収」を紹介し、次にDisney+をローンチするなど真のデジタルカンパニー(”true digital company”)になる礎を築いたことを強調しています。
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決算説明の内容も今後どのようにDisney+を収益源にしていくかに集中しており、明らかにストリーミングを中心にしたデジタルシフトがこれからの戦略の焦点になってきそうです。
そんなディズニーについて、今回はDisney+の成長を支えていく今の収益源を探っていきます。
ディズニーのビジネス全体像
まずBusiness results全体を見ると、売上が230億ドル(2兆3000億円ほど)でセグメントの営業利益が30億ドル(3000億円ほど)となっています。
そしてセグメント別に見ると、営業利益はパーク・体験・商品販売から来ており、メディア事業は薄利か赤字の状況になっています。
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パーク・体験・商品販売のさらなる内訳を見ると、やはりアメリカ国内のパーク・体験での売上・営業利益が過半以上を占めています。
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パーク・体験事業の多くを占めるクルーズ
国内のパーク・体験のうち、重要な貢献ファクターとして挙げられているのがディズニー・クルーズ・ラインです。
“reflecting higher occupancy”とあることからおそらく空席率が非常に低いことが想定されます。
具体的にどのくらいの売上がディズニー・クルーズ・ラインから来ているかは不明なため、クルーズ・ラインの運行本数などの情報から大まかな試算を行ってみました。
まず、ディズニー・クルーズ・ラインの公式ページから2人での今後一年予約を調べると、322クルーズ出てきます。
予約ページで表示されるプランの値段は2人で1417ドルからとなっており、日数の長いプランや特別イベントのより高いプランやレストランでの追加料金を支払う場合なども相当数あると考えられることから、平均単価3000ドルのシナリオと5000ドルのシナリオで仮置してみます(一人あたりでは1500ドルか2500ドル)。
船の収容人数は2700人のものが2隻、4000人のものが2席、5000人のものが1隻であることから1クルーズあたりおおよそ3680人を乗せられると仮定できます。
先程の決算説明会の資料で空席率は低いことが予想されるので仮に平均90%ほどが埋まると考えると、
322×1500×3680×0.9 = 1,599,696,000
322×2500×3680×0.9 = 2,666,160,000
で低くても15-26億ドルほどがクルーズ・ラインの年間売上と試算でき、パーク・体験の全体が60億ほどなので、過半もしくはそれを超えるくらいの規模を占めている可能性があります。
先月にはシンガポールを母港に東南アジアでのクルーズを行う路線の就航発表もされており、今後これらで立てた売上をベースに”true digital company”を目指した投資を行っていくと考えられます。