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フリーランス助産師の確定申告入門
みなさん、こんにちは。
皆さんは今、どんな働き方をしていますか?
助産師から一旦離れている皆さんは、今後どんな働き方をしたいですか?
助産師の働き方は近年広がりをみせています。勤務助産師だけでなく、在宅ワークや訪問助産師など、色々な働き方ができています。
自分に合った働き方をみつけるのはとても大切なことですね♬
実際働く際に、不安になってくるのが「確定申告」ではないでしょうか?(もちろん、私も例外ではありません💦)
今回は、いろいろなケースを踏まえて、確定申告についてみていきましょう✨
1.確定申告とは
所得税の確定申告とは、「1年間の所得(売上から経費を差し引いた儲け)をとりまとめて所得にかかる税金を計算し、国(税務署)に納めるべき税額を報告する手続き」のことです。
1年に1回行うもので、1月1日~12月31日の所得と納める税額を計算し、翌年の2月16日~3月15日のあいだに税務署に報告・納税します。
年末調整を行っていない人は所得税の清算がされていません。確定申告をすることで所得税が還付されることがあります!
2.所得税とは
そもそも所得税とは一体なんなのでしょうか?
所得税は会社からもらう給料・商売で稼いだお金にかかる税金のことです。
1年分の収入から必要経費を引いた金額が、所得税の額を計算するための「所得」になります。
収入ー経費=所得
税金の額を計算する際に、本人を取り巻く環境(家族構成など)に応じて、この所得からさらに一定の額を引きます。これがよく聞く「控除」のことですね。
青色申告特別控除を受けていると「総収入-経費-青色申告特別控除」で計算されます。
控除後の所得が高いほど、税率が高くなる仕組みになっています。これは「累進課税」といいます。
(所得ー控除)×税率=税額
所得税は所得の大きさに応じた負担を求める事ができます。
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3.青色申告と白色申告の違い
確定申告は一般的に「青色申告」「白色申告」と呼ばれる2種類があるという話はよく聞きますね。では、青色申告・白色申告の違いはどのようなものなのでしょうか?
青色申告と白色申告の違いを表にまとめました。
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1)青色申告
青色申告は、原則として複式簿記で帳簿をつけることが義務付けられています。
売り上げや経費など日々の取引の記録をもとにして、「仕訳帳」「総勘定元帳」を作成しておきます。
確定申告の際には、総勘定元帳をもとにして、「損益計算書」「貸借対照表」を作成します。それらと確定申告書B、青色申告決算書、控除を証明する書類の5つを提出します。
2)白色申告
白色申告は「簡易帳簿」でよいとされています。複式帳簿と比べると帳簿付けが簡単なのが特徴ですね。
確定申告の際には、確定申告書B、収支内訳書、控除を証明する書類の3つを提出します。
白色申告を行う際は、事前の申請手続きは不要です。
4.「開業届」を出した方が税金が安くなるってホント?
「個人事業主になるなら、開業届を出した方がいい」「黒字になった時に、税金が安くなる」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
個人事業主になるにあたっては、開業届提出は義務です。
所得税法229条では「その事実があってから、1か月以内に開業届を提出しなければならない」とあります。
しかし、提出しなかった場合・提出が遅れた場合の懲罰はないので、実態としては「出しても出さなくても良い」ということになっています。
◎開業届を出すメリット
メリット① 控除が受けられる
個人事業主が確定申告をする場合、青色申告であれば最大65万円を所得から控除することできます。
控除の分だけ所得金額が小さくなりますので、その分節税できます。
メリット② 損失申告ができる
事業開始してから、軌道に乗るまではどうしても赤字の心配がありますよね。
しばらくは赤字が続くという場合、青色申告なら赤字を最長3年間翌年に繰り越す「損失申告」ができます。
赤字を翌年に繰り越すことで、翌年黒字になり所得が生まれた場合であっても、そこから前年の赤字額が引かれますので納税額を減らすことができるので、嬉しいですね♬
◎開業届を出すデメリット
デメリット① 追徴課税の可能性
開業届を出したあと確定申告を行わなければ、税務署から「無申告」とみなされます。場合によっては、追徴課税を課せられることもあります。
追徴課税になると、通常よりも多く税金を納めることになります。
個人事業主になった場合は、開業届の提出の如何にかかわらず、必ず確定申告の手続きをするようにしましょう!
デメリット② 失業保険がもらえなくなる可能性
開業届を出すと、失業保険がもらえなくなる可能性があるので注意しましょう。
失業保険は正式には雇用保険の「基本手当」といいます。これは、失業者が失業中も生活の心配をせずに、求職活動ができるよう支援してくれるものです。
開業届が税務署に提出されると、すでに個人事業主として活動を始めている=再就職活動中ではないと見なされ、雇用保険の基本手当の対象外になってしまいます。
また、廃業届を出すことで失業保険の対象に戻ることもできます。
◎実際に計算してみましょう
事業の利益(総収入)が500万円で、経費が150万円、医療費などの控除の合計額が50万円という場合を考えてみると、所得税額は以下のようになります。
白色申告の場合
課税される所得金額:
500万円-150万円-50万円=300万円
所得税額:
300万円×10%-97,500円=20万2,500円
65万円の青色申告特別控除を受けている場合
課税される所得金額:
500万円-150万円-50万円-65万円=235万円
所得税額:
235万円×10%-97,500円=13万7,500円
納める税額は65,000円の差となります。
さらに、地方自治体に納める住民税や国民健康保険の保険料も課税所得に基づいて算出されるため、これらの金額も抑えることが可能です。この税額の差が、青色申告特別控除の大きなメリットです。
5.申告漏れを防ぐ!あなたはどの働き方?
勤務助産師の方でアルバイトや委託業務を兼業されている方も多いですね✨
家事育児に主軸を置かれている潜在助産師さんも、今現在またはこれから委託業務を受けて、在宅ワークから仕事を始めたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方のために、4つのケースにおける確定申告についてまとめました。
ケース① 本業で勤務+副業
勤務されている方の副業は雑所得にあたります。
雑所得の場合、年間収入から必要経費を除いた年間所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になりますので注意してくださいね!
ケース② 扶養に入っていない+アルバイト・パート
収入の総額に限らず、勤務先で年末調整を行い、他に収入などがない場合は、確定申告をする必要はありません。
複数のアルバート・パートを掛け持ちしている方もいらっしゃると思います。
年末調整は原則1人につき勤務先1社しかできないようになっています。
複数の勤務先がある場合は他のアルバイト先から源泉徴収票を取り寄せましょう。それらをメインのアルバイト先に渡して、年末調整をやってもらう必要があります。
もし、他のアルバイト先から期限までに取り寄せられず、まとめて年末調整ができなかった場合、自分で確定申告しましょう。
ケース③ 扶養に入っていない+委託業務
業務委託報酬は「事業所得」にあたります。事業所得の場合、年間所得が48万円を超えると確定申告が必要になります。
48万円という金額はすべての人に認められている所得控除の1つである基礎控除の金額となっています。
もし事業で年間所得が48万円以下となった場合、そこから基礎控除の48万円を控除すると所得はゼロまたはマイナスとなり、税金は発生せず、確定申告は不要ということになります。
ケース④ 扶養に入っている+アルバイト・委託業務
パートナーの配偶者控除の対象である専業主婦の方が、在宅ワークなどで一定の報酬を得た場合は注意が必要です!
この場合、年間所得が48万円を超えると、確定申告が必要となるばかりでなく、パートナーの配偶者控除の適用も受けられなくなります。
ただし配偶者控除の適用がなくても、年間所得が48万円超133万円以下なら、配偶者特別控除の適用を受けることができます。
※配偶者特別控除について
6.リスキリングサービス「License says」
最後に、私たちWith Midwifeが提案する、最新の助産師向けリスキリングサービス「License says」についてご紹介させていただきます。
License saysはすべての助産師が助産師として活躍するためのリスキリングを応援します。
「新たな知識を学びたい」「他のキャリアも模索したい」「助産院を開業したい」「起業したい」「新しい働き方に挑戦したい」などなど、様々な想いを持った方のお申し込みをお待ちしています。
受講を迷われている方、まずは30分無料相談をご活用ください。
ライセンス取得済みの助産師やLicense says運営事務局があなたの質問にお答えします。
お気軽にお問合せください。
※日程が合わない場合、事務局から日程を再度提案させていただくことがあります。
※おひとり30分枠でお願いしています。
※ご友人など数名でのご参加もOKです。
<無料相談のお申し込みはこちらから>
いかがだったでしょうか?
確定申告はぱっと見難しそうですが、実際はそんなことありません💛
青色申告か白色申告か、自分に合う方を選択してくださいね!!
では次のnoteでお会いしましょう♬
〈参考ページ〉
https://www.yayoi-kk.co.jp/kakuteishinkoku/index.html
https://www.freee.co.jp/kb/kb-kakuteishinkoku/difference-tax-return/
https://townwork.net/magazine/knowhow/taxes/56651/
https://www.mof.go.jp/tax_information/qanda018.html
https://meetsmore.com/services/tax-return-accountant/media/46589
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
「株式会社With Midwife」では、今回ご紹介した「License says」だけでなく企業専属の助産師が24時間365日従業員の方々をサポートする「The CARE」や助産師同士が繋がれるコミュニティサービス「Meets the Midwife」などを運営しています。
詳しくは、弊社ホームページ「サービス一覧」をご覧いただけますと幸いです。