分娩介助以外の助産師の役割とは~働く場所と役割の変化~
みなさん、こんにちは。
says運営事務局の坂東です。
助産師さんであるみなさんにとって、助産師の仕事と聞いて何が思い浮かびますか?
「分娩介助ができること!」というのはほとんどの助産師さんが思い浮かべることかと思います。
今回のコラムでは、「助産師の価値は分娩介助以外にはないのだろうか?」という観点から、助産師の役割を深掘りしていきたいと思います。
1.助産師の働く場とは?
助産師の漢字は「お産を助ける」と書きます。
そう思うと、助産師という仕事はお産を中心にして回っているというのは、あながち間違いではありません。
江戸時代では、唯一大名行列を横切ることができる職業とも言われていますが、お産を助けるために助産師(産婆)はなくてはならない存在と言えるでしょう。
しかし、みなさんもご存じの通り、年々出生率は低下しています。
2024年には初めて70万人を割り、68.5万人になると言われています。
2022年に初めて80万人を割ってから、約2年で10万人の減少となりました。
では、助産師の数はいかがでしょうか?
昨年の第107回助産師国家試験の合格者数はのべ2000人います。
毎年この人数が新人助産師として助産師人生をスタートさせていますが、出生数の地域格差、産科病院の減少、助産師の飽和などによって、そもそもお産に携われる機会が減ってきている現状がありす。
それらの助産師が早期リタイアを余儀なくされたとき、彼女たちのことを「分娩介助ができない」助産師と見てしまうのはもったいないと感じませんか?
助産師の定義を振り返る
一度、助産師の定義を振り返ってみましょう。
このことから、法律で決められている助産師の業務は、
助産
妊婦の保健指導
褥婦の保健指導
新生児の保健指導
という4つの軸を持った職業であると言えます。
それらを図式化し、代表的な働く場所を当てはめてみました。
こうみると、実はすべてを網羅する「分娩施設」というのは、助産師という働く場所の一部分であることに気づくと思います。
そのように考えると、「助産師」という職業からイメージできる「分娩を取り扱う病院や診療所で働く専門職」というのは、非常に狭い意味合いではないでしょうか?
また、「助産師」としての知識がとても役立つ場所というのは、ご紹介したところ以外にもあるでしょう。
例えば、不妊治療専門のクリニックが挙げられます。
このように、助産師としての知識を存分に活かせる場所というのは、分娩施設以外にもあり、資格を最大限どのように活かすのかと考えると、可能性が広がるかもしれませんね。
2.今の日本の現状に必要な助産師とは?
助産師という役割は、実は時代によって、どんどん変化しています。
▶戦前
自宅出産
逆子でも経腟で分娩介助
会陰裂傷の縫合は助産師でも行なえた
妊娠期~育児期までのトータルケア
▶戦後~昭和後期
自宅・助産院での出産から病院での出産が増加
ベビーブーム
ミルクの台頭により、母乳育児の衰退
仰臥位分娩、会陰切開、帝王切開、器械分娩
新生児医療の発展により、早産児生存率の上昇・妊産婦死亡率の低下
▶平成~令和
少子化
無痛分娩・和痛分娩の台頭
痩せ志向の妊婦の増加
高度生殖医療によって授かる妊産婦の増加
働く妊婦、働く子育て世代の増加
時代背景や生きる人の生活様式や考えが変わる中、その時代に生きる人々を支え、寄り添う助産師も、「今」に合わせて変わっていく必要があるのかもしれません。
例えば、平成から令和にかけての時代背景により、助産師にはどのようなスキルが新しく求められているのでしょうか?
加速する少子化
加速する少子化は、若い助産師育成にも影響を及ぼしています。
しかし、お産の介助現場だけでなく、社会で役立つ助産師として、どのようなことができるのかを考えられるようにしていくのも、過渡期に生きる助産師の役割かもしれません。
無痛分娩・和痛分娩の台頭
無痛分娩や和痛分娩を希望される妊産婦が増えてきたことによって、より高度なケア技術を求められるようになってきています。
また、分娩期の支援だけではなく、スムーズにお産を進めるために、妊娠期からの支援も欠かせません。
痩せ志向の妊婦の増加
妊娠前のBMIから算出される体重増加量の目安が、2021年3月の「妊産婦のための食生活指針」の改訂に伴い、変更になりました。
その理由として、痩せ志向の妊婦の増加や低出生体重児の増加などがあげられます。
痩せ志向は若年者からあるので、妊婦になったからとその考えが消えることはありません。
だからこそ、若年者へのプレコンセプションケアがとても大切になってきます。
いつか妊娠をする可能性に向けての体づくりも、助産師の役割ではないでしょうか?
高度生殖医療によって授かる妊産婦の増加
近年、高度生殖医療で授かる妊産婦が増加しています。
みなさんもご存じの通り、不妊治療の保険適応により、早期から治療を始める20~30代も多くなってきています。また35歳以上の高齢妊娠・高齢出産も増えてきていますね。
高度生殖医療には妊娠期~産褥期にかけてリスクが高くなることも知られています。
安全にお産を進めていくためには、不妊治療の知識も持っている助産師であることが求められています。
働く妊婦、働く子育て世代の増加
最後に忘れてはいけないのは、働く世代の増加です。
厚生労働省が公開した、2023年の国民生活基礎調査によると、18歳未満の子どもと母親がいる世帯は推計で927万4000世帯、このうち母親が働いている世帯は721万2000世帯となり77.8%を占めました。
そのため、助産師のケアも“働く”妊産婦・子育て世代に向けたものに変化していく必要があります。
仕事をしながらの妊活・不妊治療、妊娠中の保活、パパの育休取得、育児との両立をしながらのキャリアアップ等々、「働く女性へのケア」と一言に言ってしまうのは簡単ですが、仕事と子育てを両立していくためのライフキャリアを意識したケアは、意識する視点が多く、実はとても高度なことなのです。
3.助産師の価値とは?
助産師に求められていることが変化しているという話から、改めて「助産師の価値」とはどのようなものだと考えましたか。
みなさんそれぞれが「社会に求められる助産師」としての姿は違っていると思います。
しかし、それぞれが描く「助産師の価値」を非難するのではなく、「どちらも大切」と考え、現代社会に順応していくことが、今後の助産師の発展にはとても重要なことではないでしょうか?
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