子どものかぜ、ホームケアはどうすればいい?
こんにちは。ミッドワイフのさゆりです。
風邪が流行する季節です。
お子さんが高熱で苦しそうにしていると心配になりますよね。
今日は一般的なかぜについての考え方とホームケアについてお話ししたいと思います。
1.「かぜ」の考え方
一般的に言われるかぜの正式名称は「ウイルス性上気道炎」といいます。
名前の通り原因はウイルスであり細菌ではありません。
ウイルスが口や鼻から侵入し、上気道で増殖して炎症を起こすので、熱・鼻水・せき等の症状が出ます。
①ウイルスと最近の違い
ここで少し余談ですが「ウイルス」と「細菌」って何が違うの?と思われる方もいるかもしれません。
わかりやすく説明すると、
・細菌には抗生剤(または抗生物質ともいう)が効きます。
・ウイルスには抗生剤は利きません。
ウイルスは細菌の50分の1程度の大きさであり、ウイルスに効く抗ウイルス薬はまだ少数しか開発されていないのが事実です。
そのため一般的なかぜでは、抗生剤の内服は必要ありません。
②発症期間
かぜの場合、一般的には熱は3日間程度で下がります。
熱は一日の中で上下し、夕方から上がることが多いです。
朝に下がってもまた夕方に上がってくる可能性もあるので、24時間熱が下がりきっているのを確認するまではおうちで様子を見てあげるのが良いかと思います。
③熱の高さと重症度
大切なのは、熱の高さと重症度とはあまり関連がないということです。
熱が高くても、食べる、寝る、遊ぶが出来ている場合は、おうちで経過を見ても大丈夫なサインです。
食欲は落ちることが多いですが、好きなものは食べ、水分が取れていれば大きな心配はありません。
④細菌の感染が疑われる場合
熱が4日以上続く、鼻水や咳が10日以上続く、のどの痛みが強い場合は、かぜと関連する病気を疑うサインとなります。
この場合に細菌の感染も疑われます。
2.ホームケアのコツ
①発熱のケア
高熱でお子さんが苦しそうなときは、解熱剤を使うことで苦痛を和らげることができます。
しかし、熱があっても、お子さんに元気があれば、解熱剤を使う必要はありません。
なぜなら熱は体がウイルスを退治するために起こしているものであり、むやみに下げることでかぜが長引く可能性もあるのです。
《解熱剤が効きにくいタイミング》
熱が下がるサイン(手足が冷たい、寒気がある)が出ているときは解熱剤が効きにくいです。
この場合は、毛布などで体全体が温まるようにして15分~20分待ちましょう。
《解熱剤が効きやすいタイミング》
手足を含め、体全体が温まったら、熱が上がりきったサインです。
このタイミングで解熱剤を使いましょう。
薄着にして少し体を冷やしてもいいでしょう。
アイスノンや氷枕で、脇の下、首回り、脚の付け根を冷やすことも効果的です。
ここには太い血管が走っているため冷やすことで体温が下がりやすいです。
実は市販の冷えピタなどの冷却シートは、本人は気持ち良いかもしれませんが、解熱効果は期待できません。
小さなお子さんの場合は誤飲してしまう恐れもありますので注意が必要です。
②鼻水、せき、たんのケア
ティッシュで鼻をかむ
鼻水を吸引器で吸い取る
お部屋の温度、湿度を高めに保つ
また近年、1歳以上のお子さんには、せきが辛い場合、小さじ一杯のハチミツが咳止め薬よりも効果が高いとも証明されています。
※1歳未満のハチミツは乳児ボツリヌス症を起こすことがあるため、与えないようにしましょう。
③食事、水分のケア
《食事》
食欲は数日落ちることが多いですが、本人の好むものを中心に勧めましょう。かぜのときは好みが優先でかまいません。
おやつも含め、2食連続でまったく食べられない場合は受診をお勧めします。
小さいお子さんの場合は、母乳やミルクだけでもまったく問題ありません。
鼻づまりが強いと飲みにくくなるため、授乳の前に、鼻水を吸引してあげるといいでしょう。
《水分》
経口補水液(OS-1など)は理想的な水分ですが、飲みにくい場合は、リンゴジュースや野菜スープ、味噌汁も良いですね。
少量ずつでもこまめに水分が取れていれば、おうちで様子を見ていただけますが、水分もまったく飲めない場合は脱水になるため、受診しましょう。
これからかぜを引きやすい季節が続きますが、ホームケアについて少しでも参考になればと思います。
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