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赤ちゃんの予防接種について その2
こんにちは。
子育てママのゆきです。
前回は予防接種の概要などについてお話しました。
前回で、そもそも予防接種って?という基本的なことをお話しさせていただきましたので、今回は実際の赤ちゃんの予防接種スケジュールやワクチンの種類についてお話ししたいと思います。
前回のnoteはこちら
1.赤ちゃんはなぜ生後2か月からワクチン接種が必要なのか?
まず皆さん、赤ちゃんのワクチンデビューは生後2か月の誕生日がベストタイミングであるということをご存知ですか?
「生まれてまだ間もない生後2か月という早い時期に、もうワクチンを打つの?」と思うママさんもいらっしゃるかもしれませんね。
ではどうして生後2か月からワクチン接種が必要なのでしょうか。
それは、赤ちゃんは生後5~6か月までは、生まれた時にお母さんからもらった免疫などによって、多くの細菌やウイルスなどの感染症から守られていますが、その免疫が落ち始める頃からむしろ感染症にかかりやすくなります。
一度感染症にかかってしまうと重くなることもあり、入院が必要になったり、時には命に関わるという場合も出てきます。
このような感染症から、大切な赤ちゃんを守るのが「予防接種」です。
生後5~6か月までに予防接種の十分な効果を発揮させるためには、生後2か月になったら、すぐに予防接種を開始することがとても重要なのです。
つまり、生後2か月はワクチンデビューの最適な時期ということになります。
日本小児科学会が、定期接種・任意接種を含めたいくつものワクチンの接種を生後2か月から開始することを勧めているのはこのためです。
2.同時接種とは
そしてもう一つ、予防接種のスケジュールを進めていくにあたって皆さんにお話ししておく必要があるのが、同時接種の必要性です。
同時接種とは、2種類以上のワクチンを1回の通院で接種することです。
日本の赤ちゃんが1歳前に接種する主なワクチンは6~7種類。
何回か接種するワクチンもあり、接種回数は15回以上にもなります。
また生ワクチン接種後は、4週間あけなければ次のワクチンが接種できません。
そこで有効なのが同時接種なのです。
同時接種は必要な免疫をできるだけ早くつけて赤ちゃんを守るだけでなく、お母さん達の通院回数を減らすことができます。
安全性も単独で打つ場合と変わらないため、同時接種は世界中の小児科医がお勧めしています。
3.生後2か月からスタートするワクチン
では早速、生後2か月からスタートするワクチンについてお話していきましょう。
《生後2か月から接種を開始できるワクチン》
・ヒブ
・肺炎球菌
・B型肝炎
・ロタウイルスワクチン
※すべて定期接種
《生後3か月から接種できるワクチン》
・四種混合ワクチン ※定期接種
《1歳までに摂取するワクチン》
・結核予防のBCG ※定期接種
→望ましい期間:生後5か月~8か月未満
では、それぞれのワクチンはどのような病気に効果があるのでしょうか。
病気への効果①:細菌性髄膜炎
細菌性髄膜炎は、命に関わる重症な病気です。
体の中でもっとも大切な脳や脊髄を包んでいる膜を髄膜といいます。
この髄膜に細菌が侵入して、発熱・嘔吐・頭痛・けいれんなどの症状を起こす病気が髄膜炎です。進行すると意識障害から命に関わる重症な病気です。
これはヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを接種することで予防できます。
病気への効果②:B型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染して発症します。
B型肝炎にかかると、急性期には劇症肝炎といって命に関わる重篤な病気を引き起こすこともあります。
また慢性期には、肝硬変から肝臓がんになることもあります。
B型肝炎ワクチンは、劇症肝炎や肝臓がんから身を守ってくれます。
またB型肝炎は、集団生活の場で知らない間(例えば保育園でのいろいろな行為:噛みつき、尿、便、唾液など)で罹ることがあります。
2か月になったらすぐに接種しましょう。
病気への効果③:百日咳
百日咳という病気は赤ちゃんが罹ると、肺炎や脳症を併発して危篤状態になることがあります。
四種混合ワクチンは、百日咳から赤ちゃんを守ってくれるワクチンです。
3か月になったらすぐに接種しましょう。
これらのワクチンは、0歳の間に接種する回数が決まっています。
ヒブ、肺炎球菌ワクチンは4~8週間間隔で3回接種します。
四種混合ワクチンは3~8週間間隔で3回接種します。
4.具体的なスケジュール、予約はどうしたらいい?
実際赤ちゃんが産まれてからどのようにしていけばいいかイメージがつきにくい方もおられると思います。
赤ちゃんが産まれてからの月齢ごとにまとめてみましょう。
生後1か月
生後1か月で1か月健診を受けたら、いよいよ予防接種に向けての準備です。
まず始めたいのが、かかりつけ医の小児科を探しておくこと。
生後2か月になったらすぐワクチンデビューを果たせるように、事前に小児科でワクチンの相談をすると良いでしょう。
予防接種は予約制の小児科が多いので、早めに予約をしておきましょう。
生後2か月
生後2か月になったその日から次の4つのワクチンを接種することができます。
0歳で受けるワクチンは6~7種類、15回以上もあるため同時接種がお勧めです。
ヒブ①
肺炎球菌①
B型肝炎①
ロタウイルス①
生後3か月
2か月の4ワクチン同時接種の4週間後に、四種混合ワクチンを追加した5つのワクチンを同時接種で受けることができます。
ヒブ②
肺炎球菌②
B型肝炎②
ロタウイルス②
四種混合①
生後4か月
3か月の5つのワクチンの同時接種の4週間後に、次の3つのワクチンを同時接種で受けることができます。
ヒブ③
肺炎球菌③
四種混合②
ロタウイルス③(ワクチンの種類では2回で終了のものもある)
生後5か月
4か月の4つのワクチン同時接種の4週間後に、また接種が可能です。
四種混合③
BCG
生後5か月からBCGが接種開始になります。
自治体によって集団接種のことが多いですが、個別接種なら同時接種も可能です。
集団接種の場合は、自治体に確認してみてくださいね。
生後2か月からワクチンデビューをした場合、四種混合③を接種し終えると、一旦4週間ごとの接種スケジュールは終わりになります。
B型肝炎は2回接種した後、期間をあけて初回接種から20週以上あけたタイミングで1歳になる前に接種します。
5.予防接種法改正に伴う接種間隔の変更
2020年10月1日より予防接種法改正に伴って、接種間隔が変更になりました。
予防接種スケジュールを検索すると、改正前のものを提供しているサイトも出てくるので、確認してくださいね!
不活化ワクチン
ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合、日本脳炎、インフルエンザなど
今まで:次の接種日まで6日以上間隔を空ける
変更後:間隔の制限なし
経口生ワクチン
ロタリックス、ロタテック
今まで:次の接種日まで27日以上間隔を空ける
変更後:間隔の制限なし
注射生ワクチン
MR(麻疹・風疹)、水痘、おたふく、BCG
今まで:次の接種日まで27日以上間隔を空ける
変更後:次に注射生ワクチンを接種する場合は27日以上間隔を空ける
次に不活化ワクチンを接種する場合は間隔の制限なし
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いかがでしたか。
0歳の間の予防接種は回数が多くて大変ですが同時接種を行うことで、通院の回数を減らせるということもわかりますね。
次回は1歳以降の予防接種についてまたお話ししたいと思います。
参考:
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