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映画ドラゴンクエストを観て僕達が真剣に考えなければならない唯一の事

(ネタバレ含む)

40代になって
色々な現実的な事があるなかで
突然時間の出来た8月
世間では日韓問題やら戦争の追悼等が行われている中で

僕は何かに集中することが出来なくて
幼いころに夢中だったドラクエの映画を見た
隣には「トイストーリー」とか「天気の子」とかが大人気な中
平日の昼間だからなのか
劇場には十名ほどの客しかいなかった

ストーリーはとても良く出来ていて
ところどころ胸が熱くなったり
心が締め付けられたりして物語に没我していった
物語も終盤になり
色々な伏線が明らかになっていき
「そうくるかー」と
どんどん魅せられていく中で

最後に、、、
大どんでん返しがあり
「???」となった

これには賛否があるようだ

「ゲーム」は「ゲーム」でしかないけれど
それを無駄という人もいれば
それを意味のある世界だという人もいる

「YOUR STORY」
という副題は
それを決めるのは貴方だという意味だろう

それを見て「そうだよな」と素直に観れた人もいるだろうし
そんな事は知ってるよって激怒している人達もいるみたいだ

でも、、、
本当に僕達が考えなくちゃいけないことは
そんな事ではないのだが
どのレビューを見ても
誰もそれには言及していないみたいだ

そもそも「ゲーム」という架空世界を
「映画」というスクリーンを通してみている事自体が
既に二重の虚構の中に物語を観ているのだが
今回はその間に「この映画自体」が
VRゲームをプレイしている主人公の設定の中にあったと言う
虚構がもう一層加わったのだ
多くの観客がスティミュレートされるのも無理はない

ただ問題はここで終わらない
それら全てを見ている私達や
それを作った映画監督のいる
「この世界そのもの」は
果たして「現実」なのかという問題が
僕たちに突き付けられているのだ

この事は「今」
先端科学の世界で真剣に論じられている

2019年5月に冨島佑允氏によって
「シミュレーション仮説入門 」
という本が河出書房新社から出され
同時期にこの映画が製作されていた事は偶然ではないだろう

もちろん僕は
この映画監督がそこまで考えていたかは知らないが
そんな事は重要ではない

多くの人が生きる意味を喪失して
マスコミやら
誰かの言説に右往左往している中で
静かに
自分の立っている世界が
なんであるかを考えることが
手をつけないで放置してきた
「夏」の宿題ではないだろうか

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