イルミネの落ちサビは、3人の可能性だから
こんにちは、りりと申します。風野灯織さんを中心に、イルミネーションスターズの担当Pをしております。
みなさんは、イルミネーションスターズの楽曲を聴いたことはありますでしょうか。
明るめの曲調を中心とした可愛らしくエネルギッシュな曲に囲まれ、私自身元気をもらい続ける毎日です。
イルミネーションスターズは櫻木真乃(さくらぎ-まの)、風野灯織(かざの-ひおり)、八宮めぐる(はちみや-)の3人によるユニットです。
全員が高校1年生で、それぞれ柔らかく可愛い声、強く意志を持った芯のある声、周りを照らすように明るい声と、三者三様の輝きを見せています。
イルミネーションスターズは、これまで6枚のシングルをリリースしています。シャニマスが6周年を迎える今、改めてこれらの楽曲について触れてみたいと思います。
その中でも、私が注目するのは「落ちサビ」の部分。最後のサビの直前、バックのメロディーが静かになるタイミングで歌われるパートです。
以前3次元のアイドルを応援していた際、ライブ会場を後にするタイミングで一番記憶に鮮明に残っているシーンはいつも落ちサビの部分でした。曲によっては歌うメンバーだけにスポットライトが当たり、ラスサビの最高潮の盛り上がりを迎えるために客のペンライトの動きや感性も静寂に波長を合わせる部分。その映像、光景、すべてが曲のピークを担っている部分と言っても過言ではないのです。
今回はこれまでリリースされたイルミネーションスターズ(以下、イルミネ)の楽曲の落ちサビの部分をパターンに分けて振り返りながら、イルミネの楽曲がどのような特性を持っているのか、どのようなエネルギーを秘めているのか、探っていきたいと思います。
真乃→めぐる→灯織
イルミネの曲の落ちサビには、このパターン(+派生形)が非常に多いです。特に、歌い出しが真乃である場合が大半を占めています。
落ちサビの歌い出しは、ラスサビの盛り上がりから最も離れた静寂を抱えた部分。イルミネの中で静寂を纏った声を出せる真乃が歌いだしを務めるのは、最も落ちサビの理にかなったパート分けであると私は思います。
虹になれ
まずは歌詞。
背中を押し、一緒に走ってくれるような歌詞です。
めぐるの声には不思議な魅力があると思っています。めぐる自身の持つ明るさを周りに分け与えてあげられるような、柔らかく強い光を感じます。
そんなめぐるが「行き止まりも飛び越えよう」と言ってくれること、これほど心強いことはないでしょう。
めぐるのパートでいえば、この曲は2番サビ以降にめぐる主導の部分が存在します。『虹になれ』を象徴するような伸びやかなパートは、めぐるだからこそ可能な明るさを持ち合わせていると思います。
Twinkle Way
この曲のように、真乃が落ちサビのパートの前半を1人で担っているパターンもかなり存在します。
イルミネのセンターポジションとして灯織とめぐるの隣に立つことが多い真乃が前半を担うことで、3人組ユニットとしてのバランスを丁寧に保っている印象を受けます。
また、めぐるのパートからドラムがカットインし、本来のエネルギッシュな曲調に戻っていくところを見ると、めぐるがそのきっかけとして上手く作用していることを強く感じさせてくれます。
Happy Funny Lucky
まさに落ちサビ然とした部分です。
ここでは灯織の歌う歌詞に注目したいと思います。
他人に正直すぎる関わり方をした結果、無意識のうちに周りに壁ができていた灯織。そんな灯織が、真乃とめぐると肩を並べて「仲間達と同じ時を生きるって奇跡だよ」と歌い上げてサビに向かうパートには、感慨深いものがあります。
イルミネという居場所が、彼女たちにできたこと。この曲の最後の歌詞「出逢ってくれてありがとう」に全てが込められている気がします。
トライアングル
この曲は少し特殊です。これまでの真乃→めぐる→灯織の順番ではあるのですが、灯織とめぐるが一緒に歌っています。
この曲の歌詞はイルミネそのものを表しているように感じられます。イルミネは3人組ユニットでありながら、チグハグな性格で最初は円滑に活動できたとは言いがたいスタートでした。ですが、真乃が先導し、灯織とめぐるが並び立ってそれを支える構図は、今のイルミネの大三角を表す上で存在する1つのかたちなのかもしれません。
真乃サンド
落ちサビの歌い出しを真乃が担い、めぐると灯織のパートを挟んだ後再び真乃のソロでラスサビへ向かうパターンです。
三角形を一周し、真乃のところへ戻ってくる。星の軌道を表しているかのようにも見え、収まりがいいパート分けです。
ヒカリのdestination
イルミネの原点ともなる、最初の曲。この曲はシャニソンでも実装されているため、ぜひプレイして欲しいです。ちなみに落ちサビは含まれていません🥲
この曲の落ちサビの特徴は、音が完全に消える、音楽用語でいう「ブレイク」が存在するところです。真乃のパートでシーンが切り替わり、そのままラスサビに繋がっていく。
真ん中に立ってブレイクのある落ちサビをソロで迎えるのは、かなりのハードルであると思います。
ですが、隣には灯織がいて、めぐるがいる。真乃の後を追うように同じ振り付けが続き、再び真乃に戻ってくる三角形は、横並びでもしっかりと心が向かい合っている姿を想起できるものです。
PRISISM
イルミネの曲の中でも人気のあるEP、L@YERED WING 02から『PRISISM』。この曲の落ちサビも典型的なもので、ずっとバックで鳴っていたスネアやエレキギターが消え、ピアノ中心の大人しい伴奏になります。それぞれの声を順番に聴かせることで、イルミネの3人の個々の存在が際立って感じられると思います。
また、この曲は3人のパート分けがかなり細かくなされている印象があります。特にサビがそうなのですが、短いフレーズを3人で分け合い、長めにとられたユニゾンのフレーズで一体感を演出する。イルミネの特徴をよく捉えたパート分けの仕方なのではないかと感じています。
FELICE
真乃サンドをこれまで取り上げてきましたが、これはその中でも少し特殊なパターン。
最後がユニゾンでの歌唱となっており、ラスサビもユニゾンのまま曲の終わりまで向かいます。
この曲で取り上げられている「緩やかに〜色づいてく」というフレーズは、似た言い回しが曲中に何回か登場するのですが、基本的に「絆は色づいてく」に相当するパートはめぐるが担当しています。ですが、落ちサビのみ全員で歌うことで、曲のクライマックスに向かっていることを感じさせています。
ソロ
落ちサビを1人で担うパターン。特に最近の曲に見られるようになりました。最新曲から数えた3曲は、全て落ちサビがソロのものとなっています。
We can go now!
シャニマスリリースから数えて早い方のEPで唯一、落ちサビがソロの曲。正確にはコールとして灯織とめぐるの声が入るので、ソロではないと考える人もいるかもしれません。
こちらはシャニソンでのMV。『ヒカリのdestination』と違い、この曲は落ちサビまで歌ってくれているのでとっても嬉しいです。真乃に続いて同じ振りを重ねる灯織とめぐるが愛くるしいですね。
この曲はメインのメロディーを1人が歌って、残りの2人で追っかけのコールをするパターンが多く含まれています。色々な組み合わせで歌ってくれるのが、聴いていて楽しいです。イルミネをずっと堪能できる。
星が流れて
この曲は少し特殊というか、落ちサビがどこまでかの判定が微妙なところがあるのですが。
真乃が歌い終わってから、バックサウンドが通常サビと同じ雰囲気に戻るため、真乃ソロと捉えてもよいのではないかと思った次第です。
この曲を聴いて思い出すのは、昨年開催されたイベント『光と夜の音楽、またはクロノスタシス』です。
永遠がないことを自覚した上で、可能な限りの永遠を見る。「時間」「星」をテーマにしているととれるこの曲は、今の刹那的なイルミネの姿をありありと映しているように感じます。
こういうバラード調の曲の方が、元々お客さんは静かに聴き入っているわけですから、落ちサビの静寂がいたく広く感じられると私は思っています。
先述の通り、真乃の声は静寂を貫くような声ではなく、静寂とともにあるような歌声となることができます。曲調を壊さない、かつイルミネらしさを強く全面に押し出すことができる。真乃の歌声が持つ、唯一無二の魅力とも言えるでしょう。
BRIGHTEST WHITE
推し曲です!!!みんな聴いて!!!(大声)
イントロから勝ったな…と思わせるようなメロディー、アニメのOPにしたい、明るいというよりはアップテンポで決意を叫ぶような曲調。
そんな曲の落ちサビを、推しである灯織が担当している。これほど嬉しいことはありません。
では、これまでソロなら真乃が選ばれていたところを、なぜこの曲では灯織が担当しているのか。
それは、灯織の声質にあると思います。
灯織は話す声よりも歌声が強く出るタイプです。ステージで全力を出している証拠のようにもとれて、それだけでニコニコしてしまいます。
灯織は、3人の中では1番シャープな声質をしています。『BRIGHTEST WHITE』のようにドラムやエレキギターが激しさを支えるような曲では、落ちサビとその前後のパートの音数の差が如実に表れるため、通る歌声の方が曲の勢いを崩すことなくラスサビに繋げることができるのではないでしょうか。
いつか、この曲をシャニソンでも見てみたい。灯織が落ちサビソロを歌い上げる姿を、この目で見たい。
叶わぬ願いとなるかもしれませんが、一旦イルミネが続く限りは望み続けようと思います。
枕木の歌
とりあえずMV見ようみんな。いいから。
振り付けも衣装も可愛すぎるでしょ なにこれ
シャニソンのイベントで実装された曲である、『枕木の歌』。サビのフレーズに「離れても〜」とあるように、離れたことを前提とするような歌詞。直近のイルミネのテーマであると考えられる暫時・刹那的な内容を想起させるものとなっています。
この曲の落ちサビも、灯織です。灯織自身が大切な仲間と出会えたことを自覚している中で、離れた後の絆の存在を信じることができると捉えると、なかなかに感情に訴えるものがあります。
その他
スマイルシンフォニア
『虹になれ』でも書いためぐるの歌声が先導する、イルミネでも現時点で唯一無二のパターン。
『スマイルシンフォニア』はイルミネの中でも好きだと言っている人が多いイメージで、その理由の1つには緩急の中でユニゾンが効果的に使われていることが挙げられると思います。
最初に3人のハーモニーから始まり、静かに入るAメロ。曲全体を通してソロとユニゾンのメリハリがついており、その結果3人の声が重なった時の迫力がより感じられるのではないかと考えます。
この曲の落ちサビも、1人ずつが歌ってからのユニゾン、そこからラスサビへ向かう流れ。元々テンポの早い曲なので、めぐるから落ちサビに入ることで雰囲気を崩さずに曲を保つことができている気がします。
最後に
『イルミネイトコンサート』『Forward March!!!』に関しては落ちサビありませんでした。そういう曲もあるよね。
今回このnoteを書くにあたって、イルミネの曲をたくさん聴き直しました。そして思ったことが2つ。
・確実に歌が上手くなってる…!3人の曲に対する理解、表現力、そうして彩られる楽曲の華やかさ、あたたかさ。そういった成長の要素を少なからず感じました。アイドルとしての成長を楽曲を通して感じられるのは、コンテンツとしての理想的な形だと思います。
・イルミネの曲、やっぱり元気がもらえる!!明るい曲ばかりで、隣に立ってくれるような暖かさがある。イルミネのメンバーそれぞれが目指したアイドル像が向かう先がこのような結果を齎しているのだと考えると、やっぱりイルミネを推していてよかったなという気持ちになります。
noteのタイトルにもした、「イルミネの可能性」。真乃の声で寄り添うことができる、灯織の声で背中を押すことができる、めぐるの声で前を向ける。そして、3人のユニゾンと一緒に歩くことができる。
ラスサビにかけての静寂は、それぞれの声の与えるメッセージ性が直に伝わるパート。3人の個性を活かせるようなパート分け、曲調に沿った順番。イルミネの楽曲をイルミネたらしめている大きな要因と言っても過言ではありません。
もうすぐ、イルミネの新しいEP『ECHOES 01』がリリースされます。どんな曲が私たちを待っているのか、心から楽しみにしています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。皆さんもよいシャニマスライフをお過ごしください。