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【withE通信:音で火が消える!?】

皆さんこんにちは!
8月ももう終わりですね。新学期が始まっている人もいれば、コロナの影響で夏休みが延長になった人もいるのではないでしょうか?どちらにせよ、宿題は当然終わっていますよね…?(笑)
さて今回は私たちの身の回りにあふれている「音」を使ったある発明について紹介したいと思います。


〈音波について〉

まず、音が聞こえる仕組みについてです。
音というのは、音のもととなったものが起こした空気の振動が、波のように伝播して私たちの耳の鼓膜に伝わり振動させることによって聞こえています。つまり音が聞こえるためには振動を伝えるもの(空気)が必要となるので、真空状態では音が聞こえません。主に振動を伝えているのは空気ですが、それだけではありません。
例えば、小さい頃、糸電話で遊んだことはありませんか?あれは、糸が振動することで音が伝わっています。そのため、糸が緩んでいると音が聞こえづらくなったり、糸を途中でつまむと音が伝わらなくなったりします。また、山に登ったときに「ヤッホー」と叫ぶとこだまして返ってくる、やまびこ。あれは、叫んだ声が空気を振動させてその音波が目の前の山にぶつかって跳ね返ってくることによって返ってくるのです。


〈音で火が消える〉

この音波によって、なんと火を消すことができるんです。火というのは、燃えるものと火、そして空気中の酸素、そしてその空気が循環することによって燃えます。一般的には水で直接火を消したり、消火器で二酸化炭素を噴出して酸素の供給を絶つことで消火したりします。しかし、音の場合には音によって空気の振動を起こし、火全体を大きく揺さぶることで火を消しています。基本的に音波というのは一定で、空気の振動が波のように何度も伝わるので、火を吹き飛ばすような感じで消すことができます。


〈音波消火器〉

この仕組みを使ってアメリカの大学生たちが開発したのが、「音波消火器」です。これは、大型スピーカーが搭載されており、そのスピーカーを火元に向けてブーンという重低音を当てることによって火が消えます。
この消火器の優れた点は、従来の消火器に比べて消火後の片づけが楽だったり建物へのダメージが少なかったりする点です。従来の消火器は容器の中に詰められた粉末の消火薬剤をガスで噴射させる仕組みです。そのため残留物が四方八方に飛び散ったり、せっかく焼けるのを免れても消火剤によって建築材が痛んでしまったりします。しかし、音波消火器ならば薬剤を使わないため、焼けていないところにダメージを加えることなく火を消すことができるのです。

音の振動というのは調節可能なので、逆に火の勢いを強めたり、物体を浮かしたりすることも可能です。さらに、今回は音の振動を利用した発明でしたが、他にも音には新たな技術開発につながるようなユニークな性質がたくさんあります。皆さんも身の回りの現象について調べてみることで、面白い発明ができるかもしれませんよ!
わさび(国語・英語担当)

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