【withE通信:人が人に及ぼす影響】
早いもので9月も終わりを迎えようとしています。だんだん寒くなってきていますが、いかがお過ごしでしょうか?
突然ですが、皆さんは集団心理という言葉を聞いたことがありますか?これは人と人が集団で行動することによって生じる、集団特有の心理のことです。実は日常生活でも、この集団心理が働いている場面はたくさんあります😲今回はそんな集団心理をテーマにしたお話です。
〈集団心理とは?〉
「ある商品が今の流行!」という話やお店の前で行列ができている情報を耳にすると、自分も欲しくなるといった経験はしたことありませんか?実は、この現象には集団心理が働いています。集団の中の大勢が同じ行動を取っているのを目にすると、自分もそれに合わせた行動を取ろうとするのです。特に、日本人は協調性を重視する傾向が強いので、周囲の言動の影響を受けやすいと言われています。
また、集団心理は人の感情性の強化にも影響を及ぼします。一般的に人前で感情的になることはあまり良くないとされていますが、周囲にいる人が泣いたり笑ったりと感情的になっていると、自分も感情がより出やすくなります。たとえば、好きなアーティストのライブやスポーツの試合観戦での自分を思い浮かべてみてください。日頃は物静かで冷静な人も、このような場では気分が高揚して感情的に声を上げる人が多いはずです。
このように、人は集団の中に置かれると、他者の影響を受けざるを得ないと言えます。大勢の人が集まると個人が特殊な心理状態に陥るのです。
〈社会への作用①〉
実際、集団心理は悪い方面に作用していることがよく取り上げられます。ですが、人は他の誰かと全くかかわらずに生きていくことは不可能です。では、集団でいることのメリットは何でしょうか?
まず、勇気がなくて1人では実行出来ないものも、集団となると挑戦しやすいという点です。募金活動やボランティア活動、清掃活動は自分1人で始めるにはとても勇気がいります。しかし、集団でするとなると恥ずかしさも薄れるのではないでしょうか?1人だけでは実行しにくいものも仲間がいれば大胆な行動に着手しやすくなります:ピカピカ:
また、集団心理は考える時間、労力の節約にも繋がります。周囲に同調することは自分の意思が欠落していると捉えられがちですが、他者の意見を取り入れること自体は決して悪いことではありません。
たとえば、ネットショッピングをする時、自分の考えに執着して悩みながら商品を選ぶのは多大な労力がかかります。しかし、他のユーザーによる感想を参考にすれば、悩む労力を減らせる上、買って後悔する可能性を低くすることもできます。日々、多忙な生活を送る人にとって、他者の意見やメディア、ネットの情報を活用することは時間の節約に有効だと言えるのではないでしょか。
〈社会への作用②〉
ここまで集団心理のメリットを上げてきましたが、やはりマイナス面は軽視できません。ここでは、集団心理が及ぼすデメリットも紹介します。
まず、集団は行動を過激にする可能性があります。いじめや海外のデモにおいてはこれは顕著に表れています。「周りがやっているから」「仲間が守ってくれるから」という心理が根底にあるために、冷静な判断がしにくくなり、1人では出来ないような大胆で無責任な行動も出来てしまうのです。
また、自分の意見が言いにくくなることも集団心理のデメリットです。多くの人は、周りと意見が異なっていると、自分が間違っているのではないかと不安になってしまいます。多数決で多い方が正しいとは限らないにもかかわらず、自分の意見を押し殺してしまう人は少なくありません。そして、これは個人の独創性の欠如にも繋がります。
〈集団でどう生きるか〉
集団心理について理解を深めていただけたでしょうか?集団の力は良い方向に進めば社会に大きく貢献する一方、使い方次第では、いじめやハラスメントなどの社会問題を引き起こします。集団心理の作用をしっかり熟知し、冷静に自分自身で思考、判断することを意識したいものです。集団心理は無意識のうちに働いていることが多いので、扱いが難しい部分もありますが、なるべく多くのプラスの面を活かしていきたいですね😁
作:ゆい(英語担当)