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【withE通信:発音と綴り】

みなさんは英語の発音がローマ字のように見たままのとおりならもっと覚えやすいのになんて感じたことはありませんか?見た英単語をなんとなくそれっぽく発音し、間違えた発音で読んでいたという経験は、多くの人が持っていると思います😅ですが、どうしてスペルと発音が異なるかを考えたことはありますか?今回はそんな英単語の綴りと発音の違いについてのお話です。

実は、かつては英単語の発音は綴り字通りのもので現代英語と比較すると、はるかに規則的な発音でした。私たちが学んでいる現代英語のスペルと発音が激しく乖離する現象には様々な原因が考えられているのですが、今回はその中でもメジャーなものを紹介していきます。

①大母音推移(Great Vowel Shift)
英語の歴史の中で、大母音推移と呼ばれる大きな事件がありました。これは1400年代ごろから1600年代ごろにかけて、英語の母音を発音する位置が変化した出来事を指します。一説として、当時の人々がそれ以前の人々よりも下あごを少し下げ気味にして発音するようになったことが原因とされていますが、明確な理由は現在でもわかりません。
大母音推移の影響を受けた単語の例としてfeelやhomeがありますが、以前はそれぞれフェール、ホーメと発音されており、現在の発音とは異なります🧐
日本語においても地域や時代によって発音がなまることがありますが、それは英語でも同様なのです。

②活版印刷術の導入
15世紀の活版印刷術の発明は綴り字の固定に影響を及ぼしたと考えられています。この発明以前は、書き手が各自の方言で書き、綴り法もそれぞれ異なりました。当時、英語の綴りは柔軟で、発音の変化に伴って綴りも変化していくものだったのです。しかし、活版印刷技術は人々が様々な情報を共有することを可能にし、活字文化の時代へと導きました。そして、一旦製版された書物はその後も保存され続けるため、発音の変化とは無関係に綴り字が固定されるようになったのです。現在同様の綴り法が確立されたのは1650年頃とされています。

③外来語の受け入れ
英語は借用語を元の言語の綴りと発音をほとんどそのまま受け入れてきました。しかし、借用語と本来語を区別するために、音が「i」で終わる本来語に綴りの最後に「e」を加える、または「y」に置き換えるという措置を取りました。die、lie、dryなどがこれに相当します。すなわち、綴りが「i」で終わるtaxi、skiなどは借用語です。
また、音が「u」で終わる本来語には綴りに「e」を加えたそうです。argue、clue、trueなどがそうですね。本来語には綴りが「u」で終わる語は存在せず、fluやhaikuなどは外来語です。

いかがでしたか?英語の綴りと発音の違いは私たちが英単語を覚える時に苦戦させるものですが、その原因にはこうした歴史的背景が存在するのです😲他にもknowのkやclimbのbなどの文字が発音されない理由など色々な説があるので興味がある人は調べてみると面白いかもしれませんね!

作:ゆい(英語担当)

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