2022/01/31 辻村ちひろ 不定期配信【穴あきダムは自然に優しいのか?】部分文字起こしその4
2022/01/31 不定期配信より その4
今回のnoteでは2022年1月31日の辻村ちひろさんの不定期配信「穴あきダムは自然に優しいのか?」より、部分抜粋して文字起こしをしました。その1・その2・その3に続き、このnoteはその4になります。
熊本での講演会の後だったこともあり、現地の様子などもお伝えくださっていましたよ。全文の文字起こしは難しいので、全体を知りたい方はぜひ辻村さんのYouTubeをご覧ください。
(まだまだ勉強が至らず、もしかして辻村さんの意図したことではない文字起こしをしてしまっているかもしれません。間違いがあった際は「ここはこう言ってるんじゃないの?」と教えていただければとってもありがたいです。)
「ダムがあれば防げたのか」
YouTube 12分50秒〜
ダムがあろうがなかろうが結局あの水害は防げなかったということなんですね 。
っていうのは、どのタイミングで何時頃に、どこがあふれ始めているってデータが全部揃ってて、そのデータを突き合わせていくと、その氾濫が最初に起こり始めた時の時間と、その川辺川ダムが予定されていた地域に雨が降って水が溜まり始める時間と、どっちが早いかっていうと、氾濫を起こした方が早いんですね。
つまり、そこのダムで止めてたとしても何にも影響はなかったってことなんです。もっと違うところに原因があったってことですね、その氾濫してしまうっていう…。だから、そういうところをちゃんと検証せずに、水が溢れたから水を貯めれば大丈夫だっていうのはものすごく乱暴な議論だというふうに私は思っています 。
つまり今回の水害というのはダムがあっても防ぎきることはできなかった。
強いて言えば、ダムを作る計画ってそれぞれの河川の河川整備計画っていう中に位置付けられるんですね。
その河川整備計画っていうのはダムだけじゃなくて、例えば、河道(かどう)、 河の道の掘削、川底深くするとか、堤防を少しかさ上げするとか、そうやって流下能力っていう、川の流れる能力はあげるっていうことが、そういう工事もセットで河川整備計画って作られるんですね 。
なので、今回どういうことが起きてたかっていうと、ダムは無しで、ダムに頼らない治水をしましょうねっていってた、にも関わらずそのセットの全てが止まってしまったんです。
つまり河道(かどう)掘削も止まったし、堤防のかさ上げとかも全部止まってしまったんです。つまり何もしない状態でずっと来てたってことですね 。
その段階で、これまでの通常の雨の降り方とは(違う降り方の雨が降った)…やっぱり雨の降り方が最近のいろんな気候変動の影響であったり都市のヒートアイランドの影響であったり川沿いをめぐる都市化の影響であったり、様々なものがあって、雨が降ったことによって線状降水帯ができて、短時間にすごく狭い範囲に大きな雨が集中するということで、ダムとは関係ないとこで溢れるということが起きてしまった 。
さらに、被害を増長してしまったというか、更に大きくしてしまったのは、途中にある発電用のダム、これが何もコントロールできない状態になってしまって、結局その発電用のダムも壊れたらもっとひどいことになったと思うんですけど、完全に濁流がダムを超えてしまってる状態で下流にものすごくさらに悪影響を与えているってことが指摘されています。
今回のその新たなダム計画、そこも触れていないんですね。
だから全ての過去に起きたこと、それから過去何がされてきたかってことそういったもの全部棚上げされてしまっていて、ちゃんとした計画じゃないなっていうのが第一印象なんです。
それによって失われる自然の価値っていうのは計り知れないほど…失われる価値の方が大きいというふうに見える計画なんですね 。
だから穴あきだからどうのこうのではなくて、ダム計画そのものが今回のような豪雨災害には対応できないものである、ということを考えると、ほかのことで治水対策を取るということにシフトして、こないだの雨のようなことっていうのは、かなり頻度が上がって起きてしまうだろうというのが今の環境状況というか、気候条件の変化でそうなってきてますので、急いで、ダムだとか今までの既存のやり方ではない治水対策っていうのを考えないといけないんですね 。
今回の文字起こしは以上です。その5に続く。