【辻村ちひろ文字起こしシリーズ】失敗から学ばないリニア(その1)
2024/5/28配信 文字起こし その1
山梨の実験線
今日はリニアのお話しで、テーマは「失敗から学ばないリニア」というタイトルでお話しをしています。
経緯として山梨の実験線っていうのが作られた時に沢枯れ、水枯れを起こしてるんですね。で、その時の建設基準みたいな、トンネルを掘る時の基準の中にしっかりと地下水の影響を見なさいよっていうので「シミュレーションをしなさい」というふうにマニュアルに書 かれている、だから、実験線はアセス(※)の対象ではなかったんですけど、シミュレーションはしているんです。で、そのシミュレーションの結果、影響は少ないという風に結論を出してトンネルを掘った結果、近傍の皆さんの水源が枯れた、それから沢の水がなくなった、っていう影響を出したんです。 で、その影響が出た後の対処ってのもツッコミどころ満載なんですけれど
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注目しなければいけなかったのは、その時のシミュレーションマニュアルに 書かれてるシミュレーションでは、実際起きることをしっかりと予測できなかったっていうことが事実なんですよね。 で、失敗から学ばなければ同じことを繰り返す、ていうことで、本来であればシミュレーションのどこが良くなくて、何が課題だったのか、で、なんで予測できなかったのか沢枯れを起こすということをなぜ予測できなかったのか、で、予測できるためにはどういう風にしなければいけないのかっていうことを検証して、それでブラッシュアップしてかなきゃいけないわけですよね。
リニア中央新幹線の環境影響評価の方法が…
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そういうことが起きている中、リニア中央新幹線の環境影響評価の手続きというのが進められて2011年の7月ぐらいから始まったんですけど、そのシミュレーションの中にも当然地下水への影響っていうところがあって、 シミュレーションしますと書いてあるわけですね。 でそのシミュレーションは何によってシミュレーションするのかって言うと、やはりその建設指針みたいなところに書かれているマニュアル通りの方法でやります、と書かれていたわけですね。 で、それは実験線の時と全く同じ方法なわけです。 つまりブラッシュアップされてないものでシミュレーションをして影響は少ない、何かあったら適切に対処しますっていう書かれ方をしていたわけです。 これは同じことを繰り返すでしょ、って予測は当然立つわけですよね。
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で、そのシミュレーションも朴訥と、計算式は載っていて、その計算式はどう見ても2次元のシミュレーションなんです。 で、地下空間っていうのは3次元で存在してますから、水門学、地下水の研究をやられている方たちの最新の研究論文なんか見ると、やっぱりしっかりと3D、3次元で予測するモデルというか計算式を掲げながら論文を書いてるわけです。 でもかなり複雑なパラメーターが入るわけですよね。それに対してJR東海の示している計算式っ ていうのは2次元なんで単純なんです。で、当然それは粗い。シミュレーション結果は粗い結果が出てくるわけで、これでは意味がないだろうというふうに思ったんで、そういう最新の3次元シミュ レーションをするべきだし、なおかつその実験線でなぜ予測できなかったかってことの評価、いわゆる失敗をちゃんと評価し、その改善点を提示してからシミュレーションに入るべきでしょ、ってい う意見を書いてですね。 「しっかりとマニュアル通りにやっているから大丈夫だ」っていう事業者側からの回答は問題ない、という回答なわけですね。
本日の文字起こしはここまでとなります。続きは後日!お待ちくださいませ
かんたんまとめ
山梨の実験線の時、シミュレーション上は問題なかったはずなのに、実際には水枯れ沢枯れが発生した
そのシミュレーションでは実際に起こることがきちんと予測できてないという事実
本来であればそのシミュレーションそのものを検証ブラッシュアップ必要だった(が、しなかった)
にも関わらず、リニア中央新幹線の環境アセスの時にも同じシミュレーションを採用
問題点を指摘すると「マニュアル通りにやってるから大丈夫だ」との返答
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