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【辻村ちひろ文字起こしシリーズ】失敗から学ばないリニア(その1)

こんにちは。辻村ちひろさんと自然保護について学ぶ会、略称WithChihiroです。

私たちは自然保護アナリスト 辻村ちひろさんをセンセイに、生物の多様性について、気候変動について、自然保護をめぐる日本の法律について、自然保護の歴史について…さまざまな角度から自然保護や環境問題について学んでいます。

普段は辻村さんの不定期配信などを見たりする自主学習です。辻村さんの配信は内容が多岐にわたり情報も多いのでそこに出てきた言葉を調べるだけでもかなりの勉強になります!(最近は辻村さんもお忙しいのか配信が少なめなのがちょっぴり残念)

たま〜〜〜にオンラインでの学習会を主催して全国・世界中から集まってくださる皆さんと共に学びを深める時間も持っております。(最近はおサボり中、すみません…)

自然保護の現状や問題点、また、それについて私たちにできることはなにか?ともに学びを深めながら、その中で実際の活動におけるヒントがあったらいいな、具体的に動くきっかけが得られる場になったらいいなと思っています。

2024年5月28日の辻村ちひろさんの不定期配信を文字起こししたものを何回かに分けてお届けしていきます。ゆっくり目の更新となると思いますので、続きが気になる〜という方はぜひぜひ辻村さんYouTubeをご覧ください。

2024/5/28配信 文字起こし その1

山梨の実験線

今日はリニアのお話しで、テーマは「失敗から学ばないリニア」というタイトルでお話しをしています。

経緯として山梨の実験線っていうのが作られた時に沢枯れ、水枯れを起こしてるんですね。で、その時の建設基準みたいな、トンネルを掘る時の基準の中にしっかりと地下水の影響を見なさいよっていうので「シミュレーションをしなさい」というふうにマニュアルに書 かれている、だから、実験線はアセス(※)の対象ではなかったんですけど、シミュレーションはしているんです。で、そのシミュレーションの結果、影響は少ないという風に結論を出してトンネルを掘った結果、近傍の皆さんの水源が枯れた、それから沢の水がなくなった、っていう影響を出したんです。 で、その影響が出た後の対処ってのもツッコミどころ満載なんですけれど

※ WithChihiroより用語説明…「環境アセスメントとは、開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度」環境省サイトより抜粋

http://assess.env.go.jp/1_seido/1-1_guide/1-1.html


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注目しなければいけなかったのは、その時のシミュレーションマニュアルに 書かれてるシミュレーションでは、実際起きることをしっかりと予測できなかったっていうことが事実なんですよね。 で、失敗から学ばなければ同じことを繰り返す、ていうことで、本来であればシミュレーションのどこが良くなくて、何が課題だったのか、で、なんで予測できなかったのか沢枯れを起こすということをなぜ予測できなかったのか、で、予測できるためにはどういう風にしなければいけないのかっていうことを検証して、それでブラッシュアップしてかなきゃいけないわけですよね。

リニア中央新幹線の環境影響評価の方法が…

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そういうことが起きている中、リニア中央新幹線の環境影響評価の手続きというのが進められて2011年の7月ぐらいから始まったんですけど、そのシミュレーションの中にも当然地下水への影響っていうところがあって、 シミュレーションしますと書いてあるわけですね。 でそのシミュレーションは何によってシミュレーションするのかって言うと、やはりその建設指針みたいなところに書かれているマニュアル通りの方法でやります、と書かれていたわけですね。 で、それは実験線の時と全く同じ方法なわけです。 つまりブラッシュアップされてないものでシミュレーションをして影響は少ない、何かあったら適切に対処しますっていう書かれ方をしていたわけです。 これは同じことを繰り返すでしょ、って予測は当然立つわけですよね。



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で、そのシミュレーションも朴訥と、計算式は載っていて、その計算式はどう見ても2次元のシミュレーションなんです。 で、地下空間っていうのは3次元で存在してますから、水門学、地下水の研究をやられている方たちの最新の研究論文なんか見ると、やっぱりしっかりと3D、3次元で予測するモデルというか計算式を掲げながら論文を書いてるわけです。 でもかなり複雑なパラメーターが入るわけですよね。それに対してJR東海の示している計算式っ ていうのは2次元なんで単純なんです。で、当然それは粗い。シミュレーション結果は粗い結果が出てくるわけで、これでは意味がないだろうというふうに思ったんで、そういう最新の3次元シミュ レーションをするべきだし、なおかつその実験線でなぜ予測できなかったかってことの評価、いわゆる失敗をちゃんと評価し、その改善点を提示してからシミュレーションに入るべきでしょ、ってい う意見を書いてですね。 「しっかりとマニュアル通りにやっているから大丈夫だ」っていう事業者側からの回答は問題ない、という回答なわけですね。


本日の文字起こしはここまでとなります。続きは後日!お待ちくださいませ


かんたんまとめ

  • 山梨の実験線の時、シミュレーション上は問題なかったはずなのに、実際には水枯れ沢枯れが発生した

  • そのシミュレーションでは実際に起こることがきちんと予測できてないという事実

  • 本来であればそのシミュレーションそのものを検証ブラッシュアップ必要だった(が、しなかった)

  • にも関わらず、リニア中央新幹線の環境アセスの時にも同じシミュレーションを採用

  • 問題点を指摘すると「マニュアル通りにやってるから大丈夫だ」との返答


続きが気になる!文字起こし待ってられない!というあなたはこちらの動画から続きを今すぐチェックしてね


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