No.86/100【第3,700号】 《スーパー・トランスポーター 〜「運ぶ」と「売る」を分業制に〜》
小島の企画“生”ノート*儲ける脳トレ*
〜大丈夫、策はある!〜
発行:2021_01_07
No.86/100【第3,700号】
《スーパー・トランスポーター 〜「運ぶ」と「売る」を分業制に〜》
農林水産政策研究所の調査では、2015年の買い物弱者は05年に比べ約2割増の約824万人。高齢者の4人に1人に相当し、3大都市圏が4割を占める。国立社会保障・人口問題研究所の推計通りに高齢化が進めば、将来的な買い物弱者の数は1000万人に迫る恐れもある。人口減少が続く地方都市などでは車がないと買い物に困るお年寄りも多く、移動販売を手掛ける事業者への補助制度を設ける自治体もある。(日経2020年12月20日)
記事にも紹介されている「移動販売(移動スーパー)」がその担い手になりそうだが、自治体が補助制度を設けるほど収益性に課題がある。小型トラックに食品・日用品を積み、販売しながら次々に移動するため、費用対効果は決して高くはない。
そこで、移動スーパーの収益性を上げるために付加価値サービスやビジネスモデルの転換、商品構成の見直しなど多方面で考える必要があるが、とりあえず真っ先にビジネスモデルの転換で一つ思いついた。
《スーパー・トランスポーター 〜「運ぶ」と「売る」を分業制に〜》
小型トラックに日用品や食品を積んで巡回しながら販売するスタイルの「移動スーパー」だが、「運ぶ」と「売る」を分業制にしたら、どうだろうか?
<想定シーン>
(1)Aさんが出勤前の自宅でスマホを見ながら「きょうはお手伝いできそうだな」と呟くと、いつもより少し早く自家用車で家を出た
(2)通勤途中にある食品スーパーの駐車場へ入ると、駐車場にいたスーパーの店員さんに「申し込んだAです」と言って車を降りる
(3)店員さんは「ありがとうございます。きょうAさんに運んでいただく“お店”はこちらです」と案内されたのは、移動販売トレーラー。自動車で牽引する車輪が付いた小型コンテナだ。
(4)Aさんは、移動販売トレーラーを自分の車に接続すると、指定の場所まで牽引していく
(5)目的地に着くと、移動販売トレーラーを自動車から外し、Aさんは会社へ出勤する
(6)移動販売トレーラーが現地に着き、しばらくするとBさんが来て、トレーラーの鍵を開けて「開店」する。Bさんは販売専任の委託スタッフ
(7)販売時間が終了する頃になるとCさんが自家用車で来て牽引して出発地点のスーパーへ運んでくれる。Cさんもスマホで申し込んだ方で、ちょうど会社帰りの帰宅時間でできそうだったため、引き受けた
このように「運ぶ」と「売る」を分業制にしたらどうだろう?
<分業制のメリット>
(1)移動によるガソリン代や時間のロスがない
(2)従来の移動販売は個人事業主の場合が多く、失敗した時のリスクが高いが、このビジネスモデルなら隙間時間で関わることができる
(3)買う側の高齢者も長い時間同じ場所で販売してくれていた方が買いに行きやすい
(4)全てを詰め込んで移動販売する従来方式より曜日により野菜、日用品、肉・鮮魚など、ローテーションを組むことができ、買う側も豊富な品揃えで買い物が楽しくなる
(5)販売専任の委託スタッフは地域の人が担うため、コミュニケーションが取りやすく、地域に住む高齢者の近況も把握しやすくなる。また販売にも有利に働く。
個人事業主主体のサービスでは売上の低いエリアは敬遠される恐れがあるため、ある程度の規模(企業)で展開しないと地域全体をくまなく網羅できない。
地域ごとに最適なモデルを採用して、買い物弱者が生まれない社会を作ることがベストだ。
★儲ける脳トレ★
移動スーパーの収益性を上げるために付加価値サービスやビジネスモデルの転換、商品構成の見直しなど、考えてみましょう。ぜひ、皆さんの知恵で「移動スーパー」を魅力的な事業に再構築してください。
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▼執筆者の小島とは?
私は「起業家」として新規事業の立ち上げ・収益化を実業としていますが、「企画参謀」として経営者を対象に新規事業の企画提案も行っています。
しかし、多くの経営者の相談を受けて社員の「提案力向上」の要望が多いため、社員向け「アイデア発想力トレーニング研修」を開発しました。
上場企業やグローバル企業など研修実績があり、手前味噌ですが、満足度も高いのですが、予算が少ない中小企業向けには、「通信教育版」も開発いたしました。
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