『引き寄せの法則』に賭けた膨大なお金と時間
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ナポレオン・ヒル博士の「思考は現実化する」を知りその内容は当時の私にはとても難解で何となく流し読みをし、その後マーフィー本の内容がやさしく大きな文字の本を選んで読んだけど
現実社会を生きる上で、常にワクワクしてるなんて絶対無理!
で、大ベストセラーとなったロンダ・バーン氏の「ザ・シークレット」辺りから「引き寄せの法則」を本格的に実践し始めた。
そして「波動の法則」「鏡の法則」?
なるほど、新しい手法もあるのか。
それらの本を買い漁り日常生活に取り入れてみた。
その過程で「目に視えない世界」という概念を無視することが出来ず、どうしてもスピリチュアルな世界という沼に足を突っ込んでしまったものの
小さい頃からの霊感持ちだった私には納得がいかないものが多くて混乱してしまう。
学びを進める?沼る?うちにハイヤーセルフや守護天使、バシャール等々を知り
やれグラウンディングやら宇宙意識だのアセンションだのパラレルだのもう思考回路がパンクしつつあった中で
私自身も起業し、お店を構えてみたけれど(全額借金)毎月毎月赤字を垂れ流す生活が始まる。
それでも私は心の中で言い続けた。
「大丈夫だ」
「大丈夫だ」
本当は全然大丈夫なんかじゃない。
誰かに相談?
「とんでもない!」
「そんなネガティブな言葉を発したら、発する言葉に魂が宿り文字通り言霊となってしまう。
そんなの怖くない?
望まないことは考えたり口に出すのはやめましょう!
「大丈夫だ」
「大丈夫だ」
「私は豊かだ。そして誰からも憧れられている存在だ」
「月末の支払いだってちゃんと支払える」
「次回の異業種交流会にはこうゆうドレスを着て出席できる」
何とかやっていけると思っていた。
だって私は豊かで美しい暮らしを意図しているのだから。
そう宇宙にオーダーを出しているのだから。
自分で自分に作るブロックだってちゃんと解除出来ているはずだ。
そしてポシティブな状態でいれているはずで、グラウンディングだってちゃんと出来てる。
でも、とうとう限界に達する。
今までお店にかかる固定費や起業時に借りた創業融資の返済が出来ているような気がしていたのはリボ返済にしていたからだった。
リボの返済地獄は知らないわけではなかった。
でも私は来月こそ予定通りの売り上げが上がり、
再来月にはその売り上げが1.2倍になり、その次の月は1.5倍になり
まとめてリボ分を返済出来ると確信していた。
パワースポットに沢山行って、沢山いい波動をもらってきたはず。
あそこの神社の強力な御守りも持ってる。
YouTubeでは「恐ろしいほど効果がある幸運のBGM」をずっと聴いていた。
「絶対大丈夫だ」
「絶対何とかなる」
誰にも相談できないまま、ある時全てを諦めなければならない日が来た。
それはカードのリボ枠が限界を超えたのだった。
あんなに沢山引き寄せ本で学び、
実践してきたのに?
整合性の取れないスピリチュアルな領域に入ると更に深く学び、自分なりに噛み砕いて消化してきたつもりだったのに?
複数枚持っていたカードの枠が全て上限に達したその月末
私の全てが終わってしまった。
この世には神も仏もいないし、引き寄せの法則なんてない。
全くの時間の無駄だったやん!
それらに費やすお金や時間は膨大で、その分もっと楽しいことをすべきだった。
カフェで下世話な他人の噂話や人の悪口を言ってガハガハ下品に大笑い出来る人生のほうが楽しかったのではないか。
気に入らないことがあったらあからさまにムッとしたり誰かを心から憎んだりしても良かったのではないか。
逆にそのほうが人間らしかったのではないか?
「お金ないからその飲み会行けない」
そう言える人生でよかったのではないか。
そしてその方が正直で明るかったのではないか。
貧乏を隠すのに必死だったな。
気丈なふりをするのに精一杯だった。
大好きな友達に会っても仕事の話になって仕事が上手くいってる話をするのにも疲れ、
そもそもその単価800円のコーヒー代を払うのもキツくて人と会うのが辛くなった。
そしてその流れで破産して閉店しても誰にも会えなかったので、誰も私のことは知らない。
私は本当の孤独を味わい続けた。
「何もかも失った」
失った気がしたんじゃない、
本当に本当に本当に
何もかも失っちゃったんだ。