Mike Oldfield ft. Maggie Reilly - Moonlight Shadow / ムーン・ライト・シャドウ - 1983
この曲は1983年にヒットした曲なんだけど、当時はさほど印象に残らず心に響くこともなく、まあ聞いたことあるし、知っているという程度でしたかしら。
思うに、マギーの声が私にはいまいちタイプではなかった模様(曲以上に声って重要ですよね)。
この曲が私の胸を打つことになったのは、今から23年くらい前。某所から某所に転居してきた日。引越しを終えたものの、食べるものまだないぞー 作る気力もないぞー・・・だったので、駅近のパスタ屋(今はない)さんに、ランチしに行ったのですね。
そうしたら、BGMにこの曲が流れ始めた。
その時、妙に心に響いたんです。
でもね、オリジナルではなく、カバーバージョン。
当時でいう、今風にアレンジされてる感じで、女性の切なそうな歌声だったので、以前にどこか聞いたことがある曲だけど? わからん…なんて曲だったけ?
で、解らずじまい。
そういえば、
「ムーンライトシャドウ」って何回も繰り返してたなあ…
と、このフレーズだけで、YouTube見るようになってから、ふと思い出して探してみました。
おお! この曲に違いない、タイトルもまんまだし。
とは言うものの、私の聞いたのはオリジナルのマギーの声ではない、もっと若いシャープな感じの女性の声だったけども?…と。
「Moonlight Shadow」1983
誰よー 誰なのよー 誰がカバーしていたのよー
…でしたが。
かろうじて、アゼリンのを見つけて、コレ・・・かな?? と。
ちょっと違うような、そのような? んー自信ありません。
Aselin Debison カバー 2002
オリジナルも今となっては好きなんですけど。
私はこのアゼリンのバージョンの方が好きだったりします。
オリジナルがダメってわけではなくて、アゼリンバージョンは間奏部分がギターでなくて、バイオリンでして。なんかそこがいいんですよね。哀愁があって、歌詞の世界観に合ってる気がして。
もともと私はオリジナル派というか、カバーやリメイクをあまり認めない?人なんですけれどもねw
他にも、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、カナダ、そして日本と世界中でカバーされてまして、全部は紹介しきれないので一部だけ。
Annie Haslam カバー 1990
彼女の声ではないんだよなあ。
The Shadows カバー 1986
シャドウズのはインストですね
嶺川貴子さんカバー 1995
Missing heart カバー 1997
ユーロビートになってもたー なんか違うー
KOKIA カバー 2002
ちなみにこの曲って、テンポがいいというか明るい曲調なんで、英語を解さない人が聞くと、とても「楽しいことを歌った曲」と思うそうですが…
実際は、「遠い天国であなたに会えるよう祈ります」って、不幸な決闘事故で命を落とした恋人の死を嘆き、恋人を思い、泣き崩れている女性を描いた歌詞。
歌詞の意味(翻訳)をちゃんと知ったときには、
自分がなんでこの歌に心惹かれたのか理解できました。
英語できないくせにねw
はい、フィーリングで何か感じ取っていたのでしょう。
この手の恋人を失くすというモチーフの歌に、昔からどうしても弱いのです(トラウマっていうのかなあ)。
ほんでもってこの歌は、そういう事件をモデルにして書かれた歌詞かというと、全然違いまして…マイク曰く、
映画「魔術の恋」を観てインスパイアされた結果、この曲を書くに至った・・・とのこと。
映画「HOUDINI / 魔術の恋」1953
※「魔術の恋」は邦題で、現代はまんま「フーディーニ」です。トニー・カーティスとジャネット・リー夫婦が出ていました。ちなみにこの二人の娘が、ジェイミー・リー・カーティスです。
「魔術の恋」は実在したアメリカの奇術師で脱出王、ハリー・フーディーニの恋と生涯を描いた1953年の映画です。
フーディーニは、今でいうとイリージョニストというのかな…(日本人でも脱出王とかそんなことやってた人いたような。ああ、引田天功か。但し、初代)
私ももちろん彼のことは知っていましたけど、最初それ知った時は、「えっ!」この曲とフーディーニって、なんか結びつかないんですけど?? でした。
だけど彼の奥さんのベスの立場から…と言えば、なるほどーという気も。
そしてフーディーニは、スピリチュアリズム(心霊科学)に心酔し、死後の世界を信じつつもイカサマ霊媒師を断罪し、そうした方面のトリックを暴くことをしていましたから、ちょうど事故の直前に…
「もしも何かあって自分が命を落としたならば、
その時には、死後の世界が本当にあったならば…
必ず会いに行くし連絡をするから」
とベスに言っていたので、それが故のオリジナルのあのミュージックビデオなんだろうなと。
…で、
結局ベスのところへは連絡は何もなしだったとのこと。
そして、作家のよしもとばななさんは、この曲にインスパイアされて、短編小説を書き上げていらっしゃいます。
そしてカラオケで歌おうとすると、キーが合わないんですよね、この歌。泣きながらになってしまうので、それ以前の問題がありますけどもっっっ
いちおう、他の歌も紹介しておきます…
って動画貼っただけですがっっ
「To France」1984
「Tubular Bells」1973
「Five Miles Out」1982
「The Song of the Sun」1996
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2020/08/28 掲載記事より転載