Narciso Yepes - Romance anónimo / 愛のロマンス「禁じられた遊び」1952
ルネ・クレマンが監督したフランス映画の名作です。
昭和の頃には良く、テレビで放映されていて、戦争の悲劇を伝える映画の一作品としても数えられていたけれど、昨今では知らない人も増えてきたのではないかしら。
戦争映画だけど、兵士とか戦場とか直接的な戦闘シーンは出て来ず、冒頭のシーンでドイツ空軍の機銃による、逃げ惑う市民に対する殺戮シーンが出てくる程度ですかね。
そのような空襲(市民への銃撃)によって、両親を失うことになった戦災孤児の話になります。
そしてこの映画は「火垂るの墓」以前の、昭和の子供たちにとっての、トラウマ映画だったかも知れない。
映画「火垂るの墓」1988 予告編
子供が主役だし、「お葬式ごっこ」というのがね、何とも。
キリスト教の国だからこその映画でもあって、「死」が身近になってしまう戦争へのアンチテーゼでもあったりする。
同じく無垢な子供が紡ぎ出す、十字架を用いた子供ならではの「遊び」を主体とした映画では、スペイン映画の「汚れなき悪戯」なんかもあるけれど。趣がまったく異なりますな。
映画「Marcelino Pan y Vino / 汚れなき悪戯」1955
より「La canción de Marcelino / マルセリーノの歌」
この映画は感動的で、やっぱ泣いちゃう。
映画「Jeux interdits / 禁じられた遊び」予告編 1952
ハッピーエンドではない最後。
約束を破って、ポーレットを引き渡してしまうお父さんにも腹立ったけれど… 駅ではぐれてしまったポーレットはあの後、どうなってしまったんだろうって、ホント。
大人のいいようにされてしまう子供の運命が、戦争によって引き裂かれてしまう家族や人の絆、破壊されていくすべてのもの、失われてしまう命と重なるというか、「死」を遊びにしてしまう無垢な子供たちの姿に戦争が日常化してしまうことへの静かなる怒りが描かれている、見事な反戦映画です。
そしてこの映画と言うと、全編流れているこの音楽ですね。
Narciso Yepes 「Romance anónimo / 愛のロマンス」1952
演奏者はスペイン出身のギタリスト、ナルシソ・イエペス。
ちなみにこの曲「愛のロマンス」はスペイン民謡という説もありますが、19世紀後半にギターの練習曲として、スペインのギター奏者アントニオ・ルビーラによって創られたものだそうです。
そして、この曲が最初に映画に使われたのは、1941年の「血と砂」でした。
1922年にルドルフ・ヴァレンティノ主演で製作された映画のリメイクです。
「Blood and Sand‐ Romance / 血と砂」1941
このシーンで歌われています<愛のロマンス
そして、ポーレット役のブリジッド・フォセー。
この後に何本か映画を出た後、子役は引退していたのですが、下記の映画で女優復帰をしましたね。
映画「LA BOUM / ラ・ブーム」1980
ソフィー・マルソーのデビュー作で、ソフィーのお母さん役を演じています。あのポーレットが!って、話題になりました。
曲の話に戻って。。。
ギターの練習曲として創られただけに、クラシックギターを始める人にとっては登竜門とも言える曲になりました。
ピアノで言うと、「きらきら星」とか「茶色の小瓶」とか、「子犬のワルツ」とかのポジション?
バイエルに載っているような曲ってことかな。
ちな、私もさんざん練習させられましたよ、この曲。
いちおうギター部でしたからっっっ
今はもう指が動きません。
アントニオ古賀さん 1983年
村冶佳織さん
音がとても丁寧で優しいですね
切なくて、哀しくて…いい曲です。
いつまで経っても色褪せない、永遠に伝えるべき名曲かも。
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