Sam Cooke - Wonderful World / ワンダフル・ワールド - 1960
サム・クックというと、爽やかな歌い方や独特の歌声がとっても印象的。ちょっとつぶれたような、個性的な声なんですけども…声の中に、太陽のような明るさを感じる人なんですよね。アメリカ人なんだけど、カリブっぽいカラッとした風を感じるし。
1957年(実質のデビューは60年)から、1964年に亡くなるまでですから、活動期間は決して長くはなかった人。
最初彼の歌を聞いた時、黒人とは思わなかったです。ブラック・ミュージックの声には聞こえなくて。
けれど、その死が衝撃的でした。彼が死んだことで相手方は正当防衛となったわけですけれども…なんか、ちょっと引っかかりますよね。穿ち過ぎなのかもしれないけど。
サムが黒人だったからなのか、泥酔していたとはいえ、彼らしくない行動のような気がします。
(いやさ、ナンパもHもしない聖人君子とは思いませんが)
現代だったら、デモや暴動が起きているかもな…
公民権運動真っ只中の、あの時代だったからこそ、その中でかき消されてしまったような気もする。
「Wonderful World / ワンダフル・ワールド」1960
タイトルがサッチモの曲と似てますが別の曲です。
Herman's Hermits カバー 1965
「見つめ合う恋」で有名な、ハーマンズ・ハーミッツ。
このカバーはちょっと原曲の良さが死んでる気がするっっ
Otis Redding カバー 1965
これまた個性的。
「ドック・オブ・ベイ」の印象が強すぎるのでアレです。
Bryan Ferry カバー 1974
Rod Stewart カバー 2009
うーんっっ
やっぱこの曲は、サム・クックのあの歌い方と、あの声なくしては成り立たない曲って気がする。
てなわけで、オリジナルが一番だなあ。誰でも歌いこなせるってわけではないような。マービン・ゲイだったら、どう歌ったかなあ…なんて思ってみたりする。
「A Change Is Gonna Come」1964
この歌は、ボブ・ディランの「風に吹かれて」から着想を得て、生まれた歌だそうです。
彼自身、差別が激しかったミシシッピー州の生まれで、公民権運動にも積極的に関わっていった人だからでしょうね。
黒人と白人が平等に暮らせる世界を夢見て、その期待と祈りを込めて作った歌とのこと。
んで、この歌を作るきっかけになったインスピレーションを与えた「風に吹かれて」を作ったディラン自身もカバーしているんですよねぇ。お互いにリスペクトし合ってて、なんかいい感じ。
ちなみにこの歌は、2008年のオバマ大統領が大統領選に当選した際の勝利宣言に引用されていたりします。
和訳を付けてくださっていた動画を見つけたので、そちらをペーストしてみた。
そして、その「風に吹かれて」もカバーしていたり。
「Blowing in the Wind」1964
デュランも、自らの地声を潰して、変声でわざと歌っているけど、サムが歌うと、まったく別の歌に聞こえるのは何故なんだろうっっ
「Twistin' the Night Away / ツイストで踊り明かそう」1963
「Unchained Melody / アンチェインド・メロディ」1960
ライチャス・ブラザーズのカバーですね。
映画「ゴースト」でリバイバルヒットしました。
「Chain Gang / チェイン・ギャング」1960
ブルー・ハーツのマーシーの「チェイン・ギャング」って、この曲からのタイトルなのだろーかと思ったり。
んでもって、この歌は、強制労働下におかれ、鎖に繋がれた囚人の立場を唄ったものです。
「You Send Me / ユー・センド・ミー」1957
「Bring It On Home to Me」1962
やっぱいいよなー
唯一無二の存在ですね。彼の曲は、彼にしか…彼の声と歌い方でしかしっくりとこないんだよなあ。
数年しかない活動期間でしたが、素晴らしい歌を遺してくれた、偉大なるミュージシャンでした。
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2020/10/18 掲載記事より転載