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男と女の間には深くて長い河がある③

①で性的モラルの一致した夫婦のお話をし、
②では、夫が男性機能を失ってしまったがために、
婚姻関係を解消するという選択をした夫婦について触れた。

男と女の関係(恋愛や結婚などのパートナーシップ)において、セックスの問題は切り離すことが出来ない事象であるといえる。(互いがノーマルであるならば)避けられない問題であるというか・・・

もちろん、男と女という性の違いを考慮したとしても、
人と人としての結び付きはそればかりではないが。

そして、
夫婦をつなぐ絆というのは、必ずしも性的行為ばかりではない。
けれど、それも大切な要素のひとつであることは間違いない。

なぜなら、セックスと言うのは、単なる子を成すための生殖行為だけでは無いし、快楽を得るためだけのものでも無く、お互いが相手を気持ち良くさせたいという想いのもとに、肉体を用いて、互いの存在を慈しみ合うという、コミュニケーションのひとつの形だからだ。

勿論、性的な快楽を得ることも目的ではあるが。その快楽には互いを与え合い捧げ合う行為、相手を身体ごと、心をも求め、愛を確認し合うことからしか得られない、精神的な充足感も含まれる。

つまりは極めて物質的な愛の表現方法。
だから、行為の手段そのものに相手への愛が表れるわけで。

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話は飛ぶけれども、相手の存在(意志や気持ち)を無視した一方的な快楽や満足のためのセックスは、単なるマスターベーションでしかない。(種まきというか何というか)

アタシはセックスカウンセラーではないので、
こんなことをエラソーに薀蓄たれられるほどのもんではないが。

ていいますか、ほとんどカーマスートラとかからの受け売り。

んでもって、性欲というのは強い人とか弱い人というのがいるけれども、
あって然り…なものであって、スケベでエッチな人が居ないと、人類は滅亡してしまう。これは困る。次に転生する肉体が少なすぎると、奪い合いになってしまう(笑)

つまり性欲は罪悪ではないから、
決して抑圧したり否定されていい欲望ではないってことで。

ただ、強すぎるのも困りもので、そういう人は別の行為で昇華するなど、欲望をコントロールすることを学ぶ必要性があるだろう。理性や思慮分別はいつだって必要だ。

同時にまったく欲望を感じない人もいる。
不感症とは違うのだけれども、とくにそれがなくても大丈夫な人もいて、
欲望が起こらない背景に過剰な抑圧とか精神的な問題が無ければ、まあ、それはそれでザッツオーライなこと。うん、必要としていない人には要らないものなんですね。

だけど、レイプとか痴漢被害の経験とか、あとは性的なことに対するネガティブな刷り込みや印象から、恐怖心とか拒絶感を抱いている場合は、その精神的なトラウマからは早く解消されるべきだろう。男嫌い、女嫌いとかも、そうかな。

セックスは男と女が互いに愛情を確認しあったり、交感する上で、自然な行為で、ある意味不可欠な事象でもあるってこと。必ずしもそれが無ければダメだとか、それが無ければ恋愛や結婚生活(パートナーシップ)が成立しないとか、そういうことでは無く。

じゃあ、互いをよく知らないでのセックスはどうか、っていうと、これまた頭から否定は出来ない。そこにマナーというのかな・・・自分本位な一方的なものではなく、双方の合意のもとで、その瞬間だけでも、相手への思いやりや慈しみがあればって、想う。

一時の慰めとしての、肌と肌のふれ合いが、
乾いた大人の心には必要なときがあるからね。

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なんかいっぱい脱線しまくりだけれども・・・話戻って、

夫婦の間では、
性的な価値観の一致って、ものすごく大事な問題だと想う。
これは無視できない問題でもアリ。避けては通れないこと。

金銭的な価値観も、人生観も子育てに対する考え方とかも、
同等に外せない重要な問題だけれども。

恋愛前に、相性がいいって確認できていれば、良いのだけれども。倦怠期の訪れは避けられないし、出産後の性欲低下とかの問題も出てくる可能性はありますからね。

(女性の場合、出産を機に性欲が失われたり、旦那さんを肉親のように感じてしまうことから、近親相姦をしているような気分に陥り、行為を苦痛に感じ、受け入れられなくなる場合がある。男性も多忙だったり、病気になったりで、突然不能になることがある。出産に立ち会ったことでショックを受けて・・・という人も。いずれのケースもパートナーにはなかなか言えないもんで)

人間である以上、性欲は持っていて当然で、結婚という公の社会から認められたパートナーとの関係は、性的な行為も含むものであるから、それに対して互いがどんな期待や認識を持っているのか、本来はその点についても、十分に確認したり話し合ったりするべきなんだろうけど、なかなかなかなかなかなかなか・・・難しいよね。

で、結婚するにあたって、
片方が、性的なことに対してトラブルというか、深刻な心理的及び肉体的な問題を持っている場合、相手がそのことも承知し、受け入れた上でのものであるならば、合意の上での婚姻関係だからそこに何ら問題は全く無いのだけれども・・・

そうでない場合。それは片方にとって悲劇になる。

このあたりは信頼関係の問題であり、相手への配慮というか、
思いやりや愛、人間性に対する尊重の問題なんだとも思うけど。

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とある仕事を通して知り合ったある人の話。
それこそ、もうずっと昔…二十年以上前のこと。

その人は結婚して一年足らずの新婚さん。

彼女はセックスに対して、ひどい嫌悪感と罪悪感を持っていた。それはどうやら、親の教育、刷り込み的な躾のせいらしく・・・セックスを汚いもの、人を堕落に導くもの・・・なんて、教え込まれたらしい。
(ホラー映画「キャリー」の母子の関係を思い出します)

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ヲイヲイ、娘にそんなこと刷り込んでおいて、自分たちはちゃっかり、
その穢れた行為の結果としての「娘」を作ってるじゃん~
どおいうこと?

なんですけどねっっ汗

なので、新婚旅行のとき、それを恐れて、風呂場に隠れていたらしい。旦那さんは初めてだから怖いんだと理解を示して、我慢してくれたらしいけど(優しいね)。

そして、その後も何かと逃げ回って、もうダメだと一回はガマンして受け入れたらしいのだけど、苦痛と嫌悪感と罪悪感で押し潰れそうになり、以来、寝たふりをするなど、逃げまくっていると。

「最近はあきらめてくれたらしくて・・・とてもホッとしている」

そういう彼女に、私は思わず、

「それは旦那さんが可哀想すぎ。ちゃんと話し合うべきじゃないの?
 旦那さんもセックスが好きじゃないって人なら、いいけど、
 普通の男性なら、耐えられないことだよ。
 あなたの態度はむごすぎるし、
 どうして受け入れられないのか、説明するべきだよ、夫婦なんだから」

それに対して彼女は、
「ええ~やだ。口にするのもおぞましいことだよ。
 話し合うなんて・・・できない、それはイヤ。
 何も言ってこないし・・・きっと私の態度で解ってくれてると思う。
 私のこと好きなら、解ってくれてるよ。
 だって、それが無くても、私たち上手くやっていけるもん。」

もう一人の人が、
「え゛ー それじゃ、子供はどうするの?
 欲しくないの、産まないつもりなんだ」と聞いてましたが、

「うーん・・・赤ちゃんは欲しいけど・・・」

どうしても、その行為そのものは受け入れがたいようで。

まあ、こっちの「仕事」として相談されたわけでもなく、ランチタイム中の職場仲間での会話なんで、これ以上、さほどの知り合いでもない人の家庭の事情に突っ込みいれて、説教することもできないので、これ以上は・・・でしたが。カウンセリングを受けたほうがいいんじゃない?とは、薦めたものの。あと、その理由で離婚を切り出されたとしても、仕方ないよ、とも。

彼女の考えは、自分さえよければ、って幼稚な発想で、相手のこと…ダンナさんのことを、まったく考えていないというかなんと言うか・・・

これじゃ相手の人格(この場合性欲か)を無視しているのと一緒。

ままごとじゃないんだから、結婚は、と思ったり。

てかー、自分の問題を自覚しないとってのはあります。
こんな話を他人に話す時点で、彼女なりに悩んではいて、
自分を肯定し、弁護しながらも、
どこかでこのままでいいのか?という葛藤はあったと思われ。

その後どうなったのかは知りませんが。

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対等なパートナーシップを築くためには、
夫婦の間に隠し事があってはいけないといいます。

何でもかんでも、細かくあらいざらい話す必要もないけれども・・・はい。嘘も方便と申しまして、すべての嘘が悪いわけではなく、時には相手のために付く嘘も、誰かを守るために付く嘘も必要なわけですが。

でも、相手のことを大事に思うのであれば、夫婦生活に必要不可欠なこと、男と女の間において、あってしかるべき性に対する意識、価値観についても、それについてどう思っているのか、苦手な場合なら尚更、しっかりコミュニケーションをとるべき問題であると思うのです。
完璧には理解しあえないまでも、合意点や妥協点を見つけて、解決していくべき問題なのでは?思ったりするわけです。

相手の事を、真に思う気持ちあらば…なら。

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The Sacred Journey ~スピリチュアル・セラピーの現場から
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