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Pop Tops - Mamy Blue / マミーブルー - 1971

このバンドに関しては、日本ではこの一曲だけって、そんな一発屋さんなので、若い人は特に知らないでしょうね。
つーか、曲は知っていても、ポップトップス? はて???
‥‥となる人も少なくないか。はい、私も知らんかったw

活動したのは、1967年から1974年と実質8年位。
バロックポップというジャンルらしく、プロコルハルムとレフト・バンクから影響を受けたらしい。

プロコルハルム
レフト・バンク

ちなみにスペインのバンドで、主にインストルメンタルが主流。ボーカルもいちおう入っていたりするけど、繰り返しが多いかな…そして、キリスト教的な価値観、宗教観が反映された歌詞なのが特徴かも。

「Oh Lord、Why Lord」1968

こちらがデビュー曲。パッヘルベルのカノンのメロディーを取り入れたポップソングになります。

Pachelbel「Canon / カノン」

英語圏と言うか、西洋ではクラシックやバロック音楽のメロディをサンプリングしたり、創作の下地としてメロディに取り入れるケースが多いですね。

ポップだけではなくて、それはロックも<リッチーとかバッハをよく使うし。最近だと、ホルストの木星。少し前だとベートーベンのエリーゼのために等など
エンニコ・モリオーネも、ベートーベンの月光をミーナさんの曲に使用したり、他の作品…特に映画音楽にクラシックを取り入れていましたっけ。バッハとかベルディとかetc

Sarah Brightman「Running」2007

 ザ・ピーナッツ「情熱の花」1959

ヴィーナス「キッスは目にして」1981

それは他人のヒット曲なんかにインスパイアされてのオマージュや、サンプリングや引用なんかも結構よく見かけるんだけど…日本だと真似とかあれやこれや言われたり、タブーなのか数としては少ないような気がする。無いわけではないけどね。歌詞だと西洋の場合、聖書や古典から引用されるケースが多々<ボブ・ディランとかZEPとか

「The Voice of the Dying Man」1968

この曲の邦題は「死にゆく男の声」
スペイン語の原題は「La Voz del Hombre Caido」
で、解る人には解ると思いますが、バッハの曲です。

「Suzanne Suzanne」1972

「Hideaway」1972

他にバッハの「主よ人の望みの喜びを」とかも出していますが、そちらは動画見つからないのでした。

「Mamy Blue」1971

で、この曲。子供の頃は意味なんか解らずに聞いていたのですが、「オーマミー」の繰り返される部分が妙に耳について、はい。リピートするんですよね~ 
リフレイン状態<オーマミマミ

直訳すると、「母の憂鬱」って感じなのかな?「嘆きの母」の方がいいような気もするけれど。

悲しみの聖母像

母親が、亡くなった息子に対して、子供の頃の思い出などのあれやこれやの心情を訴える、母親の悲しみを歌ったものです。フランスのソングライター、ヒューバート・ジローが書いたもので、もともとはフランス語だったとのこと。

なんでも、車の渋滞にはまっているときに思いついたらしいです。歌詞の内容と生まれたイキサツがなんかマッチしてないっすなっっ

ちなみに愛する人を失くした悲しみを歌った歌と言えば、ストーンズの「黒く塗れ」が他にあげられるかな。

The Rolling Stones 「Paint It, Black」1966

日本だと沢田知可子さんの「会いたい」とかとか。長渕剛の「祈り」やスタダスの「木蓮の涙」なんかもありますですね。でも、これらもそうだけど、大体が恋人とかパートナーを失った悲しみが多く、母親とか父親の立場からのは少ないかもです。

沢田知可子「会いたい」1990

さて、「マミーブルー」

アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、南アフリカ、イスラエル、北欧、ラテンアメリカなど世界中と日本でヒットしました。

で、カバーと言うか競作も多数されていて…

Joel Dayde 1970

Nicoletta 1971

上記二つは、フランス人シンガーによる英語とフランス語バージョン。

Ricky Shayne 1971

こちらはドイツ語。

Dalida 1971

Johnny Dorelli 1971

上記二つはイタリア人シンガーのイタリア語バージョン。

Roger Whittaker 1976

Eric Aae 

デンマークのシンガーさんです。

Kirka 1971

こちらはフィンランドでのカバー。

Julio Iglesias

Cherry Laine

The Bob Crewe Generation 1971

南米のグループですけど、ラテン調にアレンジされてますね。

Franck Pourcel 

James Last

とにかく探すと出てくる出てくる…色んなカバーがっっ
きりがないのでこの位にしておこう・・・ってなくらいに、世界中のシンガーから愛された曲って感じなのかな。

ただ日本では珍しく、この時代のヒット曲であるのにも関わらず、カバーされてないです。

そしてポップトップに関しては日本のwikiページもなく、英語版の方にも大したことが書かれてないので、上記の活動期間以降、その後は解散しちゃってそれっきりなのかなあ?
・・・って、そんな感じです。

はい。息子を失くした母親の悲しみを歌った歌ですが、言葉の壁を越えて世界中の人が愛してやまなかった、昭和の一曲なのでありました。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/10/07 掲載記事より転載


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