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Marvin Gaye - What's Going On / ホワッツ・ゴーイン・オン - 1971
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マーヴィン・ゲイは、以前にモータウンの映画を見た時の感想で、流れ的にちょっと触れた程度でしたねー
彼のことも忘れてはいけない存在なわけですが。実のところ、そんなに聞いてないというか、よく知らないww
モータウン、好きでしたけどねっっ汗
その中で聞いてはいたから、聞けば「知ってる」という曲はたくさんあるわけですけれども。敢えてちゃんと聞いていないというか、そんなシンガーの一人です。
「Let Your Conscience Be Your Guide」1961
これがデビューシングルみたい。
マーヴィン・ゲイは、アメリカのシンガーで作曲家ですが、ジャンルとしては、ドゥーワップ、ソウル、ゴスペル、ファンク、ディスコミュージックもやってたし、モータウンサウンドに分類されると言えばそう。
ワシントン出身で、お父さんが説教師だったので(けれど、このお父さんが問題ある人でした)、教会で聖歌隊として歌い始めたのが、音楽との出合いとのこと。
そして、歌と並行してドラムとピアノなども習得。
学校を終えた後、空軍に入隊し除隊。その後、ドゥーワップ・グループ「マーキーズ」に参加し、これをきっかけとして、いくつかのグループを渡り歩き、その公演中に、モータウン創立者のベリー・コーディに出会い、才能を見出されて ソロシンガーとしてデビュー(後にコーディの姉と結婚)。
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「Ain't No Mountain High Enough」1967
「Ain't Nothing Like The Real Thing」1968
「Your Precious Love」1967
タミー・テレルとのデュエット曲。
「Heard It Through The Grapevine / 悲しいうわさ」1969
アメリカのホップグループ、グラディス・ナイト&ザ・ピップスが67年に出したヒット曲のカバー。
Gladys Knight and the Pips オリジナル 1967
最初にこの曲をレコーディングしたのは、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズですが、発売しなかったのでした。
「You Are Everything」1973
この曲に関しては、やはりスタイリスティックスの方が好きだわん。ダイアナとマーヴィンのデュエットって、悪くはないけど…やはり、主役がダイアナになっちゃうなあ…って感想デス。
「Can I get a Witness」1963
「Pride And Joy」1965
そして、デュエットのパートナーだった、タミー・テレルですが…1970年に脳腫瘍により、24歳の若さで帰らぬ人にっっ
そのことにショックを受けたマーヴィンは、音楽活動を休止しちゃったんですね。
音楽パートナーを失ったことだけでなく、日々変化していく時代(ベトナム戦争)やその時代の変化の中で、自らの音楽の方向性について悩んだことなどが原因だったとのこと。
そしてその慟哭と、自らに対する反問の日々の結果「ホワッツ・ゴーイン・オン」が産まれたのでした。
「What's Going On / ホワッツ・ゴーイン・オン」1971
作詞作曲はマーヴィンと、フォートップスのメンバーであるレナルド・ベンソン、モータウンレコードのスタッフ、アル・クリーヴランドの3人の共作で、ベンソンがサンフランシスコでの反戦運動において、警官隊と若者の衝突を目撃したことで歌詞を書き、クリーヴランドとマーヴィンが手を加え歌詞を追加して、完成させました。
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ちなみにバック・コーラスは、マーヴィン自身のオーバーダビングですが、アメフト選手のメル・ファー、レム・バーニーも参加していたとのこと。
最初コーディはこの曲を嫌って、シングル化を拒否したとのことですが…スティーヴィー・ワンダーが擁護し、他重役の判断で発売されました。
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発売と同時に初版はすぐに売リ切れ。最速のヒットを記録。ビルボードのチャートで5週連続の一位となるなど、ミリオンヒットに。
ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500では4位になり、様々な映画にもサウンドトラックとして使用されています。また、他アーティストにもたくさんカバーされてもいます。
Cyndi Lauper カバー 1986
All Star tribute カバー 2001
こちらのトリビュートですが…当初、エイズの研究および被害者救済を目的としたチャリティ・シングルでしたが、同時多発テロを受けて、エイズとテロ被害支援の両方を目的としたチャリティ・プロジェクトに変更されました。
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やっぱいい歌ですよね。
いつの時代にも通じるテーマがあります。
で、ほぼ一緒に発売されたこの曲も忘れてはいけないなあ。
「Mercy Mercy Me」1971
副題は「ザ・エコロジー」
これは環境問題のことをテーマとし、歌っている曲です。
「青空は失われ/毒物が北から南から東から風に乗ってまき散らされている」「海は廃油にまみれ/魚は水銀におかされている」
wikiに書かれていることをそのまま引用してしまいますが…
音楽以上に人々に衝撃を与えたのは、このアルバムがベトナム戦争や公害、貧困といった社会問題を取り上げた歌詞と、それに対する苦悩を赤裸々に表現したマーヴィンの歌唱であった。
当時、シングル盤が中心であった黒人音楽の世界に、一つのテーマ、特に社会情勢などを元にしたコンセプト・アルバムを制作することは画期的なことだった。またこのアルバムの内容についてモータウンは消極的な態度だったが、マーヴィン自身がセルフ・プロデュースという制作体制で望んだことも注目を集めた。
自分の感じたままのことを干渉されずに作品にまとめ上げるというセルフ・プロデュースの姿勢は、同世代に活躍した黒人ミュージシャンに大きな影響を与えた。
マーヴィンの行動に触発されたダニー・ハサウェイやスティーヴィー・ワンダー、カーティス・メイフィールドなどのアーティストが、より自分の才能で個人的世界を音楽に反映し、意欲的で充実した作品を生み出すことになった。彼らの音楽は「ニュー・ソウル」と呼ばれた。また、ニュー・ソウルは80年代のアレクサンダー・オニールら次世代の黒人アーティストにも受け継がれていった。
そんな感じに、このアルバムはめちゃくちゃ当時と後世のアーティストに影響を与えたわけです。
多くのプロテストソングを歌うアーティストやビートルズなどに代表されるような、ラブ&ピースな活動をしているミュージシャンやシンガーは多数あれど、そうした活動とは一線を画する黒人ミュージシャンが、公民権運動以外で自らの理念や思想を創作物としての音楽に反映することって、それまでは、ほぼなかったですからね。
「Trouble Man /トラブル・マン」1972
「Let s Get It On」1973
「I Want You」1976
「Got To Give It Up / 黒い夜」1977
「ホワッツ・ゴーイン・オン」以降もヒット曲を生み出した
マーヴィンですが、私生活は大荒れでした。泥沼離婚とか裁判とか、薬物中毒とか破産とか、あれやこれやすったもんだ、これでもかーって位な人生のお試し状態。
「Sexual Healing」1982
この曲を収録したアルバムが遺作となってしまいました。
1984年、両親のケンカを仲裁した際に父親と口論になり、激昂した父親によって撃ち殺されてしまったのでした。皮肉なことに、その拳銃は彼が父親にプレゼントしたもので。
その日はマーヴィンの45回目の誕生日の前日だったのです。
まだ45歳。生きてたなら、もっとたくさんの良作を残してくれたと思うんですが…
天は、天才を早くに天国へと呼び寄せるもののようで(合掌)
Nona Gaye「I'm Overjoyed」2015
そして、このノーナ・ゲイは、マービンの娘さんだったり。似てる…かな?奥さん似なのかな?
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F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。
「My Favorites〜音楽のある風景」
2021/05/21 掲載記事より転載
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