「結婚=幸せ」ではない。
20代後半に入って口癖のように「幸せになりたい」とつぶやいていたあの頃。
具体的な相手もいないから、相手の顔にぼんやり頭の中でモザイクをかけながら、何度も妄想した理想の結婚式。
当時の私の中では幸せの象徴で、何度も何度もイメージトレーニングを繰り返していた。
そして2020年2月22日。
その妄想はついに、現実となった。
自分たちが選んだ会場にドレス、ケーキ、BGM。
好きな人たちが一同に会する空間。
その場に集う人全員が自分たちを祝福してくださり、自分たちを主役にしてくれた。
頭の中で妄想していた幸せの象徴は、期待を裏切ることなく現実になってもそのとおりだった。
…で?
あの結婚式は幻だったのか?と思うほどに
式が終わったあたりから、世の中の状況が少しずつシビアになってきた。
「式ができて本当によかったですね…ギリギリでしたね…」
と多くの方々に声をかけていただく日々。
式を中止せざるをえない方々がたくさんいらっしゃる中で無事に挙げることができたことに心から感謝しつつも、
まるで夢から覚めるみたいに、現実を見せられ、幸せの象徴である結婚式の「先」を想像できていなかった自分にも同時に気づき始めた。
世の中的に緊急事態宣言が出たりステイホーム期間に入ったりする中で、自分自身もいろいろな状況が変わって。
コロナの影響を受けて元々決まっていた仕事が延期となると同時に所属部署も変わったり、
夫婦揃って自宅勤務になったり、
楽しみにしていたイベントが次々となくなったり。
元々決まっていた仕事が延期となり、今後どうしていくのか?
ステイホームでできた時間を無駄にしないために何をしていくのか?
夫婦揃って家で過ごす時間をどう充実させていくのか?
イベントがなくなり、会うはずだった人たちとの予定はどうしていくのか?
頭の中で浮かんだ疑問たちは、結婚して幸せになったからと言って自動的に解決されるようなものではなかった。
夫が解決してくれるわけでもなく、自分で考えて、行動して、答えを出していくしかない。
そんなシンプルな現実を、突きつけられた。
そっか、結婚すれば幸せになれるってわけじゃないのか。自動的に夫が幸せにしてくれるわけでもないし。
私の頭の中の結婚は幸せな結婚式までで止まってて、その先はぼんやりしてて。
なんとなく結婚すれば幸せになれるのかと思ってたけど違うんだね…
結婚してもしなくても、何も変わらないんだね。
変えられるのは自分自身なんだね。
こんな風に書くと、私は幸せじゃないのか?と思われるかもしれないが、そんなことはない。
それは、この状況下で生まれた疑問に対して私たち夫婦それぞれがそれぞれに答えを出し、前進できているから。
互いに甘えることなく、互いが前進する姿に刺激は受けながら。
私は元々決まっていた仕事がなくなったものの、その前にやりかけていた仕事に戻り、新しい事業を作ろうと決めて取り組んでいる。
社外の企画講座に通い、企画することが好きな自分を再発見し、やりたい企画の実現に向けて取り組んでいる。
夫は管理職として部下とのコミュニケーションをあらためて見つめ直し、この状況下におけるいいチーム作りをしようと取り組んでいる。
46歳で英会話を習い始め、毎日どれだけ仕事で忙しくても、うまく言葉が出てこなくても、フィリピン人の先生と会話している。
どちらも、それぞれが自分自身で決めたこと。
「結婚=幸せ」ではない。
でも、自分自身で決めたことを前向きに取り組む人が身近にいる今の環境は、間違いなく幸せだ。
「幸せになりたい」とつぶやいていたあの頃の自分に教えてあげたい。
自分を幸せにしてあげられるのは、自分しかいないんだよ。
でも、それを理解してる人に出会って、互いに刺激し合えることで一人で生きていく以上に幸せになるという選択ができたら、いいね。
これが2020年、私の気づき。私の選択。