繋がりがプラットフォームになる
10月から、地域の福祉プラットフォームをつくるための助成金プロジェクト「くらしき支援LABO」に参加しています。
地域の様々な支援の主体が集まって、いくつかの小プロジェクトを展開しながら地域の福祉の周りにある様々な「分断」を解消していくことをある種の大きな目標にしています。
福祉の周りにある「分断」とは「福祉と社会の分断」、「福祉と保護者の分断」、そして「福祉と福祉の分断」です。
プロジェクトの中では様々な活動を展開していくことになるのですが、例えば僕がオンラインコミュニティ「ふくし会社margin」から立ち上げた『障害者のための婚活支援』なども、福祉と社会の分断を埋めていくためのアクションとして取り込んでいます。
それ以外にもいろんなアクションを企画していて、毎回ミーティングの中ではたくさんの議論が生まれます。
実は今回のプロジェクトは、前もってはっきりくっきりと「何」をするかが定まっているものではありません。
まさに0⇒1を生み出していかなきゃならないものがたくさんあります。
プロジェクトのメンバーの誰も答えを持っていない中で議論をしながら僕ら自身で答えを作り上げて検証していく、というものなので、議論の中でもたくさんの疑問を投げかけ合い、それぞれの捉え方や考えを交わらせ合っています。
ミーティングという名の「模索」です。
福祉の周りにある分断を解消することがなぜ福祉プラットフォームをつくることに繋がるのか。
福祉の周りにある分断って一体何なのか、という事も改めて問い直していきます。
「やってみなきゃ分からない」ことが満載の中で、問いから答えまでの物語をつなげていかなきゃいけません。
以前にもこのプロジェクトの記事は書かせてもらったことがあるかと思うんですが、僕らが定義している福祉の周りにある分断とは、「知らない」という事だと捉えています。
関わることがないから知らない事、知らないから余計に能動的な関わりが生まれない事、知るための情報が少なすぎる、もしくは手に入れにくい事、知るための機会自体が少なすぎる事など、福祉の周りには「知らない」事による距離=分断があちこちにあります。
僕らが取り組もうとしていることは、それぞれ分断が起こっているところに「接点」と「コミュニケーション」の機会ををできるだけ自然な形で生み出したり広げていきながら、関係性を作っていくことなんだろうと思います。
そしてその手段としての活動やインフラはどういうものを選んでいけばいいのか、という事を今議論しながら進めています。
その議論を進めている中で「知る」というキーワード以外にそれぞれの分断にはもう少しキーワードが隠れているんじゃないかな、と感じています。
例えば福祉と社会の分断を解消していくためには、知り合うということに加えて「選択肢」を増やすという発想を持つともう少し距離を縮めていくためのアイデアが広がるんじゃないかな、と思います。
婚活支援もそうですが、「障害があっても恋愛や結婚をしたいという選択肢を諦めなくていいじゃん」という発想が最初のきっかけです。
これが「一人旅」でも「飲み会」でも「学び」でもいいと思います。
社会の中で生きていく中で、何となく諦めてしまっていたこと。選択できないと思っていたことが、福祉✕社会が知り合うアクションの中で解消していくことがお互いにとって価値を見いだせるきっかけになるんじゃないかと思います。
そして福祉と保護者の分断を解消していくためには、「届ける」という発想なのかな、と思います。
福祉や支援のインフラや制度、資源自体はそれなりにあると思います。しかしそもそもそれらの情報自体がちゃんとみなさんに届いているか、というとそれは別のようです。
実際に保護者の方とのコミュニケーションの場に参加をさせてもらうたびに支援者としては「伝えられていない」「届けられていない」ということを痛切にいつも感じさせられます。
最後に福祉と福祉の分断の解消については、もう間違いなく「繋がる」ということだと考えます。
制度や仕組み、課題ごとに整理して棲み分けられた福祉は、ある種体系化されてきましたが同時にそのセパレートが壁になってしまいお互いが見えにくくなりました。そしてもしかしたらそれが当たり前になり、お互い見ることをしなくなりつつあるのかも知れないという感覚を持っています。
でも僕らが支えているのは一人の人生です。年齢ごと、時期ごと、困りごとなどで人の人生はセパレートされているわけじゃありません。すべてが陸続きで繋がっています。
だったら僕ら福祉自体も改めて繋がり直していかないとけないんじゃないかと思います。そのまず手前に知る、ということが必要です。
それぞれの分断を埋めていくには、知り合うということから始まって、選択肢をふやしたり、届けることができたり、繋がることができるともしかしたらその距離は縮まっていくのかなぁ、と考えます。
そしてそのためのアクションが定着したり普及したりしていった未来に、今の僕らのプロジェクトの足跡が「プラットフォーム」になっているといいなぁ、と願っています。
2年間のプロジェクト、どこまでそれが叶うか分かりませんが、頑張ってみようと思います。
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