働き方の"強制"改革?
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が延長されそうな雰囲気です。
岡山は感染者数もそこまで拡大してません。しかし、拡大防止のためにとっている外出自粛があらゆる産業にダメージを起こしていて、これがまだ長期化する事で、倒れていく会社や個人事業主がこれから続出する可能性が高くなると思われます。
とは言え、どの産業も必要ないわけではなくて、今まで僕達の生活の中に存在していたもので、ある程度なくてはならないものだったはずです。
もちろん、ある種の自然淘汰は起きるんでしょうが、それにしてもアフターコロナの世界は随分様変わりしそうです。
そんな中、僕ら福祉の業界は結構シビアなんじゃないかと思うところがあります。
福祉はいつの時代も社会のあり方に合わせてそのカタチを変えてきました(多分)。もう少し突っ込んだ表現をすれば、自らの定義付けを社会に依存していたんじゃないか、と個人的には感じています。 でも、こんな情勢の中、これから社会がどのようになっていくのかの見通しは立たず、先行き不透明な中で一体僕らはどのように構えていけばいいのか、と日々戸惑いやら困惑を生じているのが正直なところです。
でも、こういう時だからこそ自分達が持っているリソースや、理念、ビジョンを整理して見直していくいい機会なのかもしれないな、と思い、これから間違いなく襲いかかってくるであろう時代の変化にどのように対応していくのかについて、僕なりの整理をしてみたいと思います。
【自分達はそもそも何をしようとしているのか】
根本的な話ですが、こういう動乱の時には、今まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなって、自分達の足元すら見えなくなります。そんな時には、一番普遍的な想いに立ち返ることって大事だと思います。
そもそも自分達って何を目指していたか、
何を実現したいと思っているのか、
今やっていることや今までやってきたこと全部横において考えてみることです。迷った時こそ「何のために?」をもう一度立ち返ってみるといいです。
僕個人の理念はいつだって「誰かの役に立つ」ことで、それが利用者さんだったり近所の居酒屋さんだったり同僚だったり同業の方だったり・・・。少なくとも目に入る、手が届く範囲の人だけは守りたいのが僕の理念なので、そこは譲れません。ここの理念さえブレなければ、それを叶えるための方法論はまだまだありそうです。僕の職場の理念も、間違っても『持ち場の事業所をちゃんと維持する』ではないので、理念から見たら方法論はまだまだ選び放題っぽいです。
【将来ビジョンの練り直し(新しい地図が必要)】
会社であれば事業計画でしょうし、個人であればマインドマップやシナジーマップとかそういった感じでしょうか。 要は自分がどっちへ進もうとしているのか、どんな世界を描いているのか、っていう未来予想図です。多分、今回の件でいろいろ予定が崩れていると思うのですが、全部を白紙にする必要はないと思うので、整理が必要なんだと思います。縦軸を「価値」横軸を「時代感や継続性」と考えると、
①価値が変わらず(時代感にマッチして)継続できるもの
②価値は変わるが継続できるもの
③価値は変わらず継続が難しいもの
④価値が変わり(下がり)継続も難しいもの
という風に整理しやすくなるかもしれません。
何となく無計画に現状を進めていくのはやっぱり不安なので、この折なのでくっきりと見切るものは見切りながら、「今」にマッチしたものを選んだり組み立て直したりしていく軌道修正をじっくり考えるにはいい時間じゃないかと思います。
【自分達のフィールドをどこに置くのか】
福祉とひとくちに言ってもその定義や範囲は膨大で、カバーしようと思えばその範囲は膨大に広がります。今回の新型コロナウィルスにより、今までのフィールドにいてもおそらく色んな問題が生まれてくると思います。その時に改めて自分達がどのポイントを抑えていくのかを決めておかないと、いろんなものが目に入ってきたり気にかかったりして色んなことが中途半端になっていきます。
就労移行というフィールドでは、就労された方が「休業要請」により仕事に行けないという状況になったり、「クビ切られるんじゃないか」という不安から情緒を乱したり、実際にこれから雇用調整などで職を失うことも見込まないといけないし、場合によってはそこから派生した日常生活への支援が必要になるかもしれません。企業へのサポートや調整のボリュームが大きくなるかもしれません。
【今までの運営のやり方全てが通用しなくなる、を想定する】
僕だったら就労移行という事業を行っていますが、就職活動ができない、そもそも求人が出てこない、今までやっていたプログラムができない、などの状況が現実的に生まれてきています。当然在宅利用の方も出てきているし、もともとの前提にない事態が足元から忍び寄ってきています。さてそれをどうしていくか。
きっと既存のやり方や今まで自分達がやってきたことに固執してしまうのはマズそうです。だって、「ウィルスの感染のリスクによって外出もできない、人が集まる場所にはいけない、それによって経済活動が止まってしまう」なんて状況を経験したことがある人はおそらくいないので、誰も正解を持っていません。だったら新しい手段をさっさと探しに動いたほうがよくて、安易に既存のやり方を縮小しても、その終わりが見えないので結構苦労しそうです。
【新たに打ち出せる価値(支援)は何か】
こういう状況の中で閉塞感ばかりになってしまってもあんまり何も解決しないようなので、今だからできることや、今だからやって価値があることって何なのか考えたほうが精神衛生上はよさそうです。
例えば、外出時にはいつもマスクをつけないといけないからこそもしかしたら楽しめる「マスクアクセサリー」だったり、外出できないという状況だからこそ「インターネットやSNSのリテラシーについて」のカリキュラムが活きてきたり、オンラインツールの習得という支援ができたり、いっそ在宅支援のノウハウを構築したり動画コンテンツを手掛けてみたり・・・。
僕はしきりに最近オンラインを織り交ぜたコミュニティづくりを模索しています。
外出できないからこそ成立する価値、人が密に集まれないからこそ輝いてくるものを探してみるのは結構楽しいと思います。
【具体的に何を準備しないといけなくて何を変えないといけないのか】
よく「マインドセット」という言葉が使われますが、いわゆる『心の準備』というやつです。もっと言うと動じないための手立て、や想定をしっかり準備していかないといけない、ということだと思います。よく「最悪の事態を想定して」ということを言われますが、多分正しくは
「最悪の事態も含めた様々な事態を想定して」
という意味だと思います。最悪の事態だけを想定しちゃったらえらい悲観的な発想にしかならないし、もちろんタカをくくって「いつか元に戻るだろう」という楽観視は、みずから最悪の事態を招く結果になります。だから色んなパターンの未来予想図を想定していく心の準備がまず必要だよね、ということです。
そして、変えないと行けないのは『未来に向けた具体的な思考と行動』です。 それは個人のレベルでも組織のレベルであってもです。一番いけないのは『今の思考と行動を何も変えないこと』です。
本当にしばらく耐え忍んでいたら、全く元の通りの日常が戻ってくるのであれば今はぐっと堪えていれば、行動を変えなくてもいいかもしれませんが、今それで倒れていっている事業主さんも出てきています。仕事がなくなった人も少しずつ出てきています。
僕は動かないで倒れるのは嫌だし、誰の力にもなれないのも嫌だし、守ろうと決めている人達を守れないのは絶対に嫌なので、手段も選ばずとりあえず行動を起こしていこうと思います。どうせこんな状況の中で正解なんて誰も知らないので、自分で正解を見つけに行こうと思います。
アフターコロナなんだか、Withコロナなんだかは分かりませんが、強制的に時代が変化をさせられているのは間違いないので、GWの時間を使って、こんな感じでいろんなことを整理して『心構え』を整えてみるのもいいんじゃないでしょうか。