障害をもたれた方のための「婚活支援」始めました
つい先日、僕が運営しているオンラインコミュニティと結婚相談所「LafMariage」さんとのコラボで、障害をもたれた方の婚活支援のセミナーを開催しました。
よくある「マッチングや出会い」のためのパーティ、ではなく「異性とお付き合いするためのセミナー」という形で開催しました。
婚活支援、というんだから出会いやマッチングをしたらいいのに、と言われそうですが、僕としてはむしろ支援と銘打っているからこそ出会いやマッチングから手がけるのは違うと思い、こんな形にしています。
僕は普段就労支援や社会参加の為の支援を行なっていますが、実際に彼らが社会に出た後にライフステージを進めていこうと思うと、やっぱりいくつもの課題があります。
ひとり暮らしをする、遠くに旅行に行く、お金を貯めて大きな買い物をする、そして恋愛や結婚をする、など。
自己責任、で片付けてしまうのはもちろん簡単なんですが、これらの活動ってやっぱり人生を豊かにするものですし、それ以上に人生の折々のタイミングでは「目標」になるものだったりします。
どんな人だって自分の人生を楽しみたいですし、楽しむために頑張れたりするのは障害の有無は問わないんじゃないかと思います。
とは言えなかなか福祉の枠組みや制度の中では、生活や人生の質にアプローチするためのインフラは十分ではなく、セーフティネット的に最低限の生活を担保するための支援、というのが中心にあるのが現状で、就労して安定したら「自立」とみなされて少しずつ福祉制度の梯子が外されていく、というのが今の仕組みになっています。
でもいつも思うんですが、たとえ仕事をして収入を得られるようになっても、それを自立と定義しようとも、元々生きづらさがあるから支援を受けていたのに、就職したからお金稼げるようになったから「生きづらさがなくなる」というわけではありません。
何かしらのサポートが必要だったりアドバイスが必要だったり、突発的には直接支援が必要だったりということは断続的にあるはずなんです。
実際に僕らの日常生活でもそうですよね。
一人暮らしをしようと思ったら、不動産屋さんに「相談」しにいってアドバイスを受けたり、一人暮らしをしている友達や先輩などに助けてもらったりもしています。
旅行に行こうと思えば旅行代理店に相談に行きますし、パックツアーなんかを斡旋してもらったりしています。
車を買うなら車屋さん、そこでローンなどを組むのか個人リースみたいな形にするのかを助言を受けながら決めていきます。
結婚だってそうですよね。
ちょっと恋愛に奥手な方なんかは、それこそ結婚相談所に行ったりもするでしょうし、あちこちで開催されているお見合いパーティ的なものに出会いを見出しにいったりしています。
人的なサポートがあったり、物事をうまく運ぶためのインフラが整備されているからそれに応じて僕らのQOL(人生の質)というのは上がります。
自己責任だから、と言って直接大家さんと交渉したり、飛行機のチケット取りから海外のホテルの予約、旅行のプランを練ることからと全て自分たちで段取りしたりって、できない事ではないけれどめちゃくちゃ大変じゃないですか。
だから世の中には人が不便なく生きていけるように、そういったインフラ的なサービスが存在しているんです。
障害を持たれている方だって同じです。
必ずしも今世の中にあるインフラが彼らにとって使い勝手の良いものばかりなわけじゃなくて、それゆえにQOLが上がらないんだったら随分と自立とは縁遠い生活じゃないか、と思うんです。
どんなライフステージだって、誰にでも選択する権利はあるはずで、それを叶えるためのインフラが整備されることって当たり前じゃないでしょうか。
僕が婚活支援、というものを形にしようと思ったのはそれが一つの大きな理由です。
そしてもう一つ。
これはちょっと繊細な問題なような気がするんですが、僕が住んでいる地域では、男女の問題的な話って多分今までは「タブー感」があったような感じがしています。
誰も表立って口にはしませんし、特に何か否定的な事も言われはしていませんが、なんとなく漂っている感じ。
言葉を選ばずに言うなら、「障害者の恋愛や性の問題はトラブルにつながりやすいからあまり積極的に取り組みたくない。なんならちょっと遠ざけておきたい。」ような雰囲気はずっと感じていて、それにずっと気持ち悪さを感じていました。
僕らもそうですが、恋愛とか性の問題って学校の「性教育」くらいしかまともには習っていなくて後は自分の経験とか雑誌とか友人とのやり取りとかでなんとなく学んで来たような気がするんですが、障害を持たれていると下手をしたらそういった情報に触れることさえなかったりします。
そりゃ興味関心はあるけど、全くと言っていいほど情報を持っていなければ誰だって上手くは出来ません。
それによってむしろトラブルのリスクは高まっていくんじゃないかと思います。
タブー視して触らせないようにしていく事じゃなく、むしろしっかりと触れてもらう機会を作り、なんならしっかりとそこにサポートや支援の手があることの方が僕には自然に思えます。
だからこそ支援、という形のインフラづくりにこだわりました。
婚活支援では、ご本人だけでなく支援者さんにも必ず携わってもらいたいな、と思っています。
自分で恋愛などができる方ならそもそもこういった支援を選択しないですよね。
ひとりでは不安だったりどうしていいか分からないから支援が必要なんだと思います。
だからこれは支援者さんと一緒に進めていくプロジェクトだと思っています。
セミナーや出会いのためのイベントをただやるんじゃなくて、そこから日常の支援の中で当事者の方が将来を考えていくためのプロセスを一緒に支えていくことが当たり前になるためのきっかけです。
まだ始まったばかりでどんな形になっていくのか僕自身も分かっていませんが、障害があったって全然恋愛も結婚も前向きに考えながら人生を生きていく、っていうことが当たり前になっていくような風土づくりにつながればいいな、と思います。
ひとまず第1回目を終えた所感として。
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