夜の写本師 by 乾石智子

オーリエラント・シリーズ登場のお話。乾石智子さんの処女作でもある。

カリュドウは右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠を含んで生まれた。驚愕する両親からエイリャは彼を引き取って育てる。彼が13歳を超えた時、エズキウムを支配する魔導師長・アンジストがやってきて、エイリャを葬り去ってしまう。その一部始終を見た彼は、復讐を誓うが・・・
魔導師修行をするが、とある失敗から写本師へ転身を図る。

生まれた時の状況の謎、魔導師・アンジストの出生の秘密、そして写本師のとはなにか。話は現代を中心に過去へ遡る・・・

出張中に本を読みきったために品川駅中の本屋で買った。気になっていた本が文庫に落ちていたため、購入。日本の方が書いた本だが、場所は中世ヨーロッパ、それも砂漠かトルコ、地中海のアフリカよりのイメージがあった。創元推理ということもあり翻訳ファンタジーの香りがあるが、日本語がちゃんと読みやすいのがありがたい。(創元推理は翻訳が悪いと読みにくいイメージあり)

本作、世界観が素晴らしい。何処かありそうではあるが独特な乾石さんの世界:オーリエラントの描写が展開される。写本師という職業もなかなかユニーク。その写本師の羊皮紙やインクの詳細も魅力的な描写が続く。

この世界はまだまだ続く。良い作者・シリーズに遭遇したと思う。

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この後、乾石さんに傾倒するかとおもいきや、ずっと眺めている状態。好きだけど告白できない初心な高校男子みたいな状態だと思う。別の言い方では、楽しみで読めない状態かも。


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