淘汰されるべきスキー場?
インバウンドに湧く一部のスキー場と比べて、ローカルスキー場は休廃止のニュースが毎年続いています。
しかし、2022年に台風被害に遭った五ヶ瀬ハイランドスキー場が再開するという明るいニュースがありました。
ただし、この場合は台風被害が原因で休止されたため財務上の問題を抱えて休止した場合とは異なります。
時折、「市場の縮小に見合った淘汰が必要」という意見がありますが、私はそうは思いません。
淘汰とは生存競争の結果であり、誰かの意思による選択的な安楽死ではないと考えます。
知恵や資本、労力を注ぎ込んだ結果、弱い所からこぼれ落ちた結果生き残った者出なければ強者とは言えないと思います。
ここで、スキー場について一つ定義をしましょう。
最近の休廃止に至るスキー場のほとんどは、私が考えるローカルスキー場です。
施設が大きく長期滞在に耐えられる大型宿泊施設や宿泊街を備えているスキー場をリゾートスキー場と定義します。
それに対し、半径50キロ程度がメインマーケットで長期滞在できる施設や宿泊街がないようなスキー場は、地域に根差したローカルスキー場と定義します。
積極的な廃止論者にとっては、税金を原資とする援助によって継続しているようなローカルスキー場は不要に思えるかもしれませんが、そういった場所で育った人々と取引をしている私にとっては、見方が違います。
多くの場合、国内のスキー・スノーボード業界の底辺を支えているのは、インバウンドで賑わうリゾートスキー場ではなく、家の近くのリフト券の安いローカルスキー場だと思っています。
施設の運営スタッフや用品の開発・販売者、スクール主催者など、地方出身の関係者が支えた上にリゾートスキー場が成立しているように見えるのです。
行政が税金を原資とする資金を注ぐことを不平等だと考えるならば、民間所有スキー場の無償譲渡を提案してみるのはいかがでしょうか。
結論として、淘汰されるスキー場は今後も出るかもしれませんが、淘汰されるべきスキー場は存在しないというのが私の意見です。どうしても残したい、残りたいという強い意志を持つスキー場運営者や所有者のために、私は頑張ります。