見出し画像

【語の体系】 〜令和5 試験 Ⅰ 問題3のC〜

振り返りをしている時間よりも、普段の授業の準備やそちらの振り返りの方に時間がかかる、今はそんな感じで(苦笑)あとは初級 Ⅱ の教科書に進んだけど、初級 Ⅰ の20課以後、学生の文法理解にばらつきが目立ち始めて、未解決なまま打開策が見つかっていないこと。理解している学生は口を揃えて「簡単です」を繰り返すから、同郷の仲間に母語でなんとか説明してもらうなど、色々考えてるようで案外楽しんでいます。

授業見学があり常勤講師が見に来られた。自分では時間ぎりぎりくらいのつもりで進めたら、意外に早く終わってしまった。緊張は特にしなかった。授業が始まったら、見られていることも忘れていた。その日、たまたまそうなったのだけど、誰に見られているかではなく、自分は目の前の学生と向き合っていきたい。

令和5年度 試験 Ⅰ  問題3のC【語の体系】


(11) 【一つの語基に接辞が付いた派生語】

知らない用語にのまれる。くわれる。心理的な揺さぶり。でも、数秒深呼吸してみましょう。焦りなんて所詮、自分が作り出す幻影みたいなものだから。と、自分に言い聞かせる(笑)

1 接尾辞「さ」は、イ形容詞の辞書形に後接して名詞を作る。
⇒美しい+さ→美しいさ?「い」を外せば名詞になります。美味しい+さ→美味しいさ?「い」を外せば名詞になります。「暑いさを忘れる面白いさ(?)」
接尾辞「さ」は、イ形容詞の語幹に後接して名詞を作るようですね。この選択の記述は誤り。

2 接尾辞「み」は、イ形容詞とナ形容詞の語幹に後接して副詞を作る。
⇒臭(くさ)い→臭み 名詞やね。早い→早み?何をいう早見優ですね。静かな→静かみ?賑やかな→賑やかみ?どうやったら副詞を作れるのでしょうか(汗)この選択肢も誤りでしょう。

3 接尾辞「上」は、名詞に後接してイ形容詞を作る。
⇒「便宜」+「上」 便宜上は名詞です。「使用」+「上」 使用上も名詞です。「成り行き」+「上」 成り行き上、言葉選びにやや難ありだが名詞ですね。これも誤り。

4 接尾辞「的」は、名詞に後接してナ形容詞を作る。
⇒彼の弾くフレーズは、芸術的「な」センスに溢れている。これですよ!
わたしの文法理解は、いかにも浅はかで素人的だ。わかっちゃいるけど、そこまで言うのはあまりにも自虐的だ。これやね(笑)

わたしの場合は、振り返りの前に問題文を読んだ時に感じた「何じゃこりゃ〜、意味わかんな〜い(涙)」と、振り返り後にもう一度読み直した時の「ふむふむ、ちゃんと読めばわからんこともない文やね♪」の変化は確かめるようにしています。これが急激に試験本番で活かせるとは、到底思えませんが、積み重ねは大事かと。

この問題の正答は 4です。

(12) 【単義語と多義語】

心の揺れの正体は、知らないってことだな(苦笑)これも、わたしの場合ですが。

1 多義語の複数の意味は、互いに関連をもっている。
⇒「橋をかける」と「二股をかける」と「カマをかける」。これは使えるのではないか。それぞれ意味は違うようで、「かける」に妙な関連性がありますね。
⇒「地面を掘る」と「オカマを掘る」
⇒「シャワーを浴びる」と「批判を浴びる」
⇒「塩を舐める」と「辛酸を嘗める」
⇒「美味しいラーメンを味わう」と「美しい音楽を味わう」と「人生の苦痛を味わう」
これは正答がわかった後の所謂「後出しジャンケン」というやり方です。
⇒「汚いやり口」と「汚いトイレ」も⭕。

2 活用形の違いにより、多義語の意味の違いが示される。
⇒? シャワーを浴びて 朝ご飯を食べる。
批判を浴びて 言動に気をつける。
活用形を変えても、意味の違い「は」示されませんね。この選択肢の記述は誤りです。

3 使用頻度の高い基本的な語には、単義語が多い。
⇒読みま〜すの「よむ」で考えます。①本を読む②空気を読む③図形を読む④今後の展開を読む
⇒見ます!の「みる」では、①夜景を見る②病状を診る③雑誌を見る④顔色を見る⑤病人を看る
二つしか「みて」いませんが、使用頻度の高い基本的な語には、多義語が多いと思いますね。この選択肢の記述は誤りです。

4 科学的な専門用語には、多義語が多い。
⇒ん?多義語が多いと紛らわしくて、研究や実用の妨げになるでしょ?と、専門用語について知らなくても想像できますね。この選択肢を記述は誤りです。

この問題の正答は 1です。

(13) 【語の音形と意味の恣意的でない結び付き】

1 機能語
2 擬音語
3 指示語
4 屈折語

「恣意的」という言葉と4つの選択肢の中の「擬音語」が 正解のように見えてくる?問題ですが、順に見ていきます。 

1の機能語とは、名詞・動詞、形容詞などのことで、恣意的の代表選手たちといった感じでしょうか。
🍎を見て、日本人は「りんご」と呼び、英語圏の人は「apple」、朝鮮・韓国では「사과 」と、同じ🍎なのに使う言語によって呼び方が違う。
また、日本語で🍎を「りんご」と呼んでいるから「りんご」なのであって、仮に「みかん」と呼んでいれば「みかん」になっていた。
一例しか挙げていないが、名詞とは人間が会話など意思疎通を図るため、便宜的につけた呼び方に他ならないのであります。
名詞しか見ていないけど、基本的な見方は同じだと言えそうです。何となくですが、言葉というものは人類の進化とともに生まれたのではなく、「こう呼ぶんやで」と決めた存在がいて、わたしらは教えられた通りに使っているだけなのかも知れませんね。
この選択肢の機能語は、音形と意味の結び付きが「恣意的」そのものなので、除外します。

2の擬音語を見てみます。例えば動物のなき声。犬の場合、日本語では「わんわん」と表記し、英語圏では「bow wow」と表記するようです。言語は違いますが、共にその音形は同じ「犬のなき声」を表しているだけで、それぞれ意味的な結び付きはありません。
授業の合間に、犬のなき真似をして、「日本語では わんわんと  書きます」と言いながら板書したら、英語を共通語に持つアジア圏の学生に、かなりウケてしまいました^^; 猫の「ニャ〜」「ミャ〜」や、一番笑いが起こったのは鶏の「コケコッコー」でしたが(笑)、それは表記の違いが面白かったのであって、下手なわたしのなき真似でも動物の声であることは伝わりました。
音形と意味の結び付きが恣意的でないのは、聞こえた音を表記した擬音語だと言えそうですが、続けて見ていきます。

3の指示語。「これ、それ、あれ」は音形と意味の結び付きそのものですね。この指示語はすぐに除外できました。

4の屈折語とは?少し検索したら、言語の種類のことのようです。時々お世話になる『旅する応用言語学』のページを読んでいますが、設問の音形と意味の結び付きという内容とは関係ありませんね。詳しくは、後で学習します。
この選択肢も除外。

この問題の正答は、音を聞こえたまんま形にした擬音語ということで、2です。


(14) 【語における「犬」と「柴犬」の関係】

1 (ア) 同位語  (イ) 位相語
2 (ア) 位相語  (イ) 同位語
3 (ア) 上位語  (イ)下位語
4 (ア) 下位語  (イ) 上位語

どうもわたしは知らない用語を見ると、腰が引ける状態になりやすい傾向がありますね。そのくせ用語集を書店で見かけても、手に取って見たこともないという^^;  
「犬」と「柴犬」の関係はすぐに分かりましたが、「同位語」と「位相語」については上に記したように、腰が引けない程度に理解しておきたいです。

この問いでの「犬」は上位語で、「柴犬」は下位語ですので、正解は3です。柴犬と同位の関係になるのは、秋田犬、土佐犬、シェパードなどです。
他の例を挙げると、ドラえもんの登場人物・のび太くんのクラスの「担任先生」と「のび太くん」の関係は、「担任先生」が「上位語」で 「のび太くん」が「下位語」となり、「のび太くん」と遊び仲間の「ジャイアン」や「スネ夫」、「静香ちゃん」は、「同位語」です。成績優秀な「出木杉」も「同位語」。
「位相語」については、わたしの現在の理解度で説明できません。ただ身近な例で、氷〜冷水〜水〜ぬるま湯〜熱湯〜水蒸気のような(ちゃんと説明せんかい!)、周囲の温度によって呼び方が変わる語のことではないかと。この問題とは関係ありませんので得意の逃避を活用します。

この問題は「用語について、知っとるけ  おめえ?」の類いで、正答は 3です。

(15) 【一方の語が肯定されれば他方の語が否定される対立関係】

全否定。ゼロか百か。善悪観念。白黒思考。

1 明るい ー 暗い 
⇒ゼロ ー 百にはならないでしょう。少し明るい。やや暗い。かなり明るい。どちらかといえば暗い。とか、わたしの好きな曖昧な表現も可能です。つないで一つの文にしても、問題のような対立関係にはなりません。この選択肢は誤りですね。

2 上手だ ー 下手だ 
⇒それなりに上手だ、口ほどにもなく下手だ。
それなりに上手な人がいれば、そうでない人もいる。口ほどになく下手な人がいれば、黙っているけど上手な人もいる。共存の世界ですね。この選択肢の例は誤りです。

3 出席 ー 欠席
⇒彼は今日の授業、どちらかといえば出席かな。
そんなことはあり得ない。出席したなら欠席ではないし、逆も然り。これが正答です。

4 売る ー 買う
⇒売る者がいて、買う者がいる。君がいて、僕がいる。共存社会やね。この選択肢の例は不適当。

この問題の正答は 3です。

☕🍫日本語学習のきっかけ


自身のルーツをさらけ出す(頼まれてもないのに!)とか言うて、枕の側に積んである本を並べただけ(笑)

わたしが2年前、日本語学習に目覚めた(少し大袈裟な表現かな)きっかけは、小学校の5教科問題に取り組んだことでした。受験研究社さんの「チャレンジテスト 全科+思考力」というドリル形式の問題集を書店で見つけて、やり始めました。どうして小学校の問題なのか。様々な理由がありますが、その中の一つに当時小学校3年の姪が、あまり学校の勉強が好きではないという話を聞いたというのがありました。別に「ならばわしが教えてあげよう」とか思った訳ではなく、好きでないのは仕方ないとして、好きになれないことを教わっているのかな?と疑問に感じて、自分の場合随分昔のことで覚えてもいない(笑)から、「もっぺん、自分でやって見るか」と思ったという、実にシンプルな理由からでした。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?