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ライブチケットの半券から話が あれこれ

学生時代に観たライブのチケット半券を整理していたら、梅田a.m.hallのは残っているのに、難波ロケッツのは一枚もないことに気づいた。

プレシャス vs ウルフ・・・タイムマシンに乗って、今の自分の 目と耳と心で 観てみたいものだが! ウルフのチケット半券が、一枚しか見つからない。ウルフのライブは、もう少し観たような気がする。プレシャスは 東京を活動拠点にしていたから、そんなに頻繁に 関西には来なかっただろう(推測するしかない、自分の記憶のいい加減さ)。

けれど ウルフは大阪のバンドで、ライブの度にとまではいかなくても、vs プレシャスのライブしか観ていないというのは、ありえない。いや、ないはずだ(汗)

イングヴェイ・マルムスティーンが現れて、シュラプネル・レコーズから様々な「めっちゃ巧い≒速く弾くギタリスト」が紹介された。当時の音楽雑誌には「速いだけ」とか辛口な批評もあったが、自分の記憶ではそれは メタル専門誌の某Bくらいだった。プロのライターが書くレコードレビューには、こまめに目を通したし、酷評されたレコードやアーティストに対しては、まだ音を聴いてもいないのに、「そ、そうなんか?」と記事を鵜呑みにしそうになったりしたものだ。
今思えば、大の大人が子どもを相手に、自分(音楽ライター)の好みの音を勧めて、気に入らない音に対して「これは聴いちゃ いかん!」と言っているのと、何ら変わりはないものだった。


まあ、他人の口に蓋はできない訳で、しかもそれを商売として成り立たせてしまっている消費者(自分も含めて)側にも、問題がないとは言えないだろう。情報として自身の都合のよいものは、しっかりと吸収しているのも事実だしね!
ウルフの話に戻って。高校生の時に雑誌の記事を見て(苦笑、さっきのボヤきは何?)、ウルフというバンドの存在と、ギタリストの黒木政彦さんの名前は覚えていたが、音を聴く機会はなかった。初めて音源を聴いたのは、大学の先輩から借りたミニ・アルバムが先だったか、当時のバイト先の知り合いから借りた、ライブハウスで録音したプライベートカセットが先だったか、記憶は曖昧だ。
曲が格好いいのと、ボーカルの歌唱力とギターが「凄い!」と思ったから、一度生で体験したいと。

知り合いが貸してくれた ライブ音源のカセットの中には、ウルフの他にテラ・ローザのものが2、3あった。ギタリストに特化したイベント・ライブを収録したテープには、大谷令文さんのバンドで、 Raven Eyes を、三宅庸介さんと競演or 饗宴するという貴重なテイクも収録されていた。テラ・ローザ在籍時の三宅さんは、令文さんの演奏よりも、令文さんが影響を受けた音楽エッセンスそのものを吸収し、消化していたと思う。そういう卓越した感性の持ち主だから、その後の音楽性も演奏スタイルも独自の変化を遂げていって、それは今も続いているように感じる。

そのイベントには、スナイパーの日下部正則さんのプロジェクトもあったけど、他に何があったのか正確には思い出せない。ダビングさせてもらったそのカセットテープは、1995年の地震で全壊した家の下に埋まってしまったから、今さら確認しようもない(ToT)

ただ、イベントに唯一バンドで出演したのが、ウルフだったのは、はっきりと覚えている。ボーカルの松本さんがMCで、「真面目なウルフ!」と話していたのも印象的だった。そして、そのステージでのエンディング曲  Flying Higher が、特にお気に入りの曲になった。イントロからスタジオ盤のハモり旋律でない 単音バージョンが、マイナー調を一層強める感じがして、自分には「たまらない哀愁の響き」だった。


そんな ウルフのステージを初めて観たのは、梅田バーボンハウスで開催された 年末オールナイトイベントだったと思う。1989年の12月、これは半券が残っている。今のように細分化されていない時代だったから、様々なスタイルの HR/HM 系のバンドが出演していた。梶山章さん率いるプレシャスも出ていた。音出しチェックでステージに現れた梶山さんが、チョーキング一発かまして すぐに引っ込んだ。「ええっ!!格好よ過ぎやんか」。記憶違いか、自身の梶山さんへの憧れが創り出した幻想であったか・・・(汗)

正直、このイベントに足を運んだお目当ては、ウルフも入ってはいたけど(黒木さん、すみません🙇)、鈴木広美さん在籍のテラ・ローザと、梶山さんのプレシャスがメインだった。ウルフよりも2年以上前に、両バンドの音源を聴いていたから。理由はそれだけだったと思う。

テラ・ローザのステージで、待ちかねた鈴木さんが登場したと思ったら、雑誌で見たのとエラく感じが違う、金髪で長身しかも「ややニヤけ顔」のギタリストだったので、正直戸惑ってしまった。ギターもVでなかったし・・・
それでも曲が始まったら、そんなこと(!)忘れていた。なんて薄情な自分なのだろう。初めての生テラ・ローザ体験の方が、自分にとって大切だったということか。

少し後の雑誌の記事で、テラ・ローザから鈴木さんが脱退し、新たに今井芳継さんが加入していたことを知った。鈴木さんを観ることは出来なかったが、代わりに(言い方!)加入したての今井さんを観られたのだった。


この梅田バーボンハウスでのライブで感じた嫌なこと、嫌な記憶が一つだけあった。それは 悪ノリした一部の客が、ただでさえ満員の 身動きの自由がきかない会場の中で、意図的に人のウェーブ?を起こして楽しんでいたことだ。自分が観ていた斜め後方に、客の列に体当たりをかましているイカれた奴を確かに目撃した。一旦起きたウェーブは止められず、無力に しかし強い力で流され、持ち直したと思えば今度は反対の方向へ 人のウェーブが発生するという、まさに「身の危険」を感じるものだった。結果を見てものを言う形になってしまうが、現場に居合わせた当事者としての証言だ。本当に怖かった・・・


つらい思い出も残ってしまったが、その後、バンドを生で体験するために ライブハウスへ 足を運ぶようになった。ウルフの2ndデモテープも、会場の物販で入手した。1stのフルレンスCDは、地元神戸のレコード店で買ったと思うけど、作品発表後のライブにも行った。記憶は曖昧だが、ワンマンライブだったように思う。アルバム収録曲を中心に演奏したライブを観た記憶がある。

そんな訳で、チケット半券は一枚しか残っていないが、ウルフのライブは複数回 体験している。機材のトラブルで ギターの音が出なかった短い時間に、頭の上で手拍子して客をノセていた黒木さんの動き。ドラムの堀江睦男さんがマイクの前に立ち、「どうして僕が このバンドにいるのか?不思議に思っている人も いるようですが~」と、短いMCを担当した姿。ライブのエンディングでギターを客席に向けて差し出し、「オッラ〜、触ってもええぞ〜!」アクションしていた黒木さん。MC時だけでなく、歌っている時にも笑顔をよく見せてくれた松本さん。脱退したからウルフでは観られなかった関勝美さん。

おっちゃんの、「もう一度観たいわぁ〜」の夢を実現させてくれたライブが、昨年だったか開催されたが、メンバーに黒木さんの名前がなかったから 自分は行かなかった。
8月にもっぺん大阪で演ってくれるみたい。わたしとしては、観たい聴きたいの基準は音楽であり、そこにメンバーの誰々が「いるから行きたい」のであって、その逆はない。けれど、黒木さんがいないから行かないというのは、違うギター弾きの人が「いるから行かない」と言っているのと同じように思えて・・・今の自分はそちらの気持ちの方が強くなっている。

赤尾さんが「いないから行かなかった」最近のライブ。あれは自分にとっては、明らかに声質も歌い方も違う(でも、その方も素晴らしい歌い手さん)人が歌う テラ・ローザの曲を受け容れる自信がなかったという理由があった。同時期にプライベートなことが重なったこともあった。


三宅庸介さんが弾くテラ・ローザ  セッションを体験する機会が 2019年にあって、自分も会場に行ったけれど、自身の体調不良のため まともに立ってもいられない状態だった。本当なら「行ったらあかんでしょ!」だったけど、行きたかったのも本当だから行った。結果は、会場の関係者の方には心配をかけるし、音は聴けないという「ホンマにあかんやん!」の思い出作りに行ったような形になってしまった(号泣)

チケットの半券を もらいに 行きます。
ウルフとテラ・ローザの 曲を聴きに 行きます。
これで いこかいなと((o(´∀`)o))ワクワク








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