ナンテン
週に3日行くアルバイトの道、赤いふさふさしたナンテンに出会った。
おはよう ナンテン
さよなら ナンテン
通る度そのナンテンと握手した。
ある日ナンテンが目の前で実を潰され赤いぐちゅぐちゅした液体に変わっていく夢を見た。
次の日アルバイトの道にナンテンはもういなくて、ナンテンの背後にあった家も壊されていた。
ナンテンは最後に私に逢いに来てくれたのか。
朝日に照らされて赤く光るナンテンに、この道を通る幾人の人が心を奪われたのだろう。
私以外にもあのナンテンがいなくなって寂しいと誰か感じてほしい、、。