ジャコ・パストリアス風?ベースとの出会い
神保町のとある雑貨屋に入ったとき、ジャコ・パストリアス風モデルのベースを発見しました。
といっても、そのベースはただアンティーク家具や装飾品に混ざって店の隅に置かれていただけです。値札はついていましたが、ジャコのジャの字も書いてありません。
ぱっと見はただのジャズベース。メーカーはフェンダージャパン。色はサンバースト。
よく見ると、フレットが手作業で取り外されているようで、穴をパテで埋めてありました。
「え、これってまさか??」
天才プレイヤー、ジャコ・パストリアスが、自分でネックのフレットを抜いてエポキシで埋めたジャズベースを使っていたことは有名な話です。
弾いてみたいと思ったのですがそこは楽器屋ではなく。音が出るかどうかも確かめずに衝動買いして家へ持ち帰りました。
細かく見ると、手作業の粗さが目につきました。おそらく前のオーナーが、ジャコの真似をしてジャズ・ベースを改造したのだと想像できました。
アンプにつなぐと音は出ました。が、フレットがなくなった分、弦高がめちゃくちゃ高くなっています。ブリッジで調節は可能ですが、低くするとバランスが崩れて弾けなくなります。
おそらく前のオーナーもまともに弾けないことが分かり、雑貨屋に売ったのでしょう。
ナットなどをしぶとく交換してみたりすればよかったのでしょうが私にはこうした専門的知識はなく、我が家でもそのままただのインテリアになってしまいました。
(ジャコも自分の楽器の状態を維持するのにひどく苦労していたようで、結局は晩年に手放してしまいました。)
一度だけ、スタジオに持って行って弾いてみました。音は悪くなかったですし、簡単な曲だったら何とか弾けました。もちろんジャコの超絶プレイを弾くなんて無理です。「ブラックバード」や「ドナ・リー」なんかを弾く真似をして一人悦に入っていました。
ジャコ・ベースはその後、引っ越しを重ねるうちに姿を消し、今では記憶の中に存在するだけです。