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難病と妊娠:希望と不安を持って進んだ記録 ※写真掲載あり
腎臓病を持つ女性の方へ妊娠は
諦めないでほしい
腎臓病を持ちながら妊娠することは、
多くの困難を伴います。
ですが、現代医療の力と、
信頼できる医師やスタッフの支えがあって
私は希望を持ち続ける事ができ、
妊娠と出産をする事ができました。
どんなに不安で恐ろしいと感じる瞬間があったとしても、
スタッフさんに支えられ決して一人ではないと感じられる
瞬間がありました。
その支えがあったからこそ、
私は諦めずに前進できたと思っています。
私自身が経験を通して感じたのは、
どんなに厳しい状況でも
諦める必要はないということです。
希望は必ずあると思います、自分が望んでいる事なら、
できるところまでやってみたい、私は、そう思いました。
自己紹介
さとみと申します。自己紹介を兼ねて
notoを始めた理由はコチラをご覧ください
「あなたには妊娠は無理かもしれない」と言われた
その時、私はどうしても諦めたくなかった。
『IgA腎症』という難病があるなかで妊娠を続けることは、
母体や赤ちゃんへのリスクが高いと言われ
医師から「出産を諦めるように」と言われました。
絶望感に包まれる日々を過ごしました。
主人に申し訳ない。。
そんな気持ちも持っていました。
周りから出産報告を聞くたび、
家にきた年賀状に写る家族写真をみて
落ち込む日々が続きました。
腎臓病を持ちながら、命を育むことは想像以上に困難で、
「母体の健康も危うい、
赤ちゃんを守れないかもしれない」
という現実に、何度も悩み心が折れてしまいました。
買い物に行くたび、子供の姿を見て憧れを抱いたり、
幼稚園や学校の話題についていけず、
社会で疎外感を感じることもありました。
それでも、私にはどうしても子供がほしいという夢があったから
諦めることができませんでした。
困難な道のりではありましたが、
その時の記録を残します。
悩んでいる方に少しでも届き、
役立つことができたら心から嬉しく思います。
妊娠する事が難しいという理由は4つありました
※注意:この出来事は2011年のことです。
今は医療が進歩して変わっているかもしれません。
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妊娠するためには、いくつかの条件を
クリアしなければなりませんでした。
母体や赤ちゃんへのリスクを考慮し、
妊娠を止めるように言われた理由は以下の通りです
1・服用しているカンデサルタンという血圧の薬が
奇形を引き起こす可能性があること。
2・ネオーラルという免疫抑制剤の副作用が赤ちゃんに、
何かしらの障害をもたらす可能性があるという事。
3・腎臓の数値が妊娠できる数値ではなかったという事。
4・妊娠できた場合は着床が難しく胎児の成長や在胎期間や、
死産になるリスクが上がるということ。
先生の話を聞いていると
多くの経験を積んでおり、
簡単に妊娠を許可することは
できないという雰囲気が伝わってきました。
「自己責任という重い責任を背負い、不妊治療を決意しました」
腎臓に疾患があるからなのか、
妊娠しにくい体質だと気づいたのは、
結婚7年目で先生に妊娠を止められるまででした。
子供を授かる事を諦められなかった私は
不妊治療を始めることを決意しました。
それからは「自己責任」という言葉に
強く向き合わせられました。
治療を進める中で、すべての結果に責任を
持たなければならないという
重圧を感じ続けました。
治療を受けることで成功するか失敗するか、
どちらの結果にも自分が直面するのだと思いながら、
日々を過ごしていました。
この選択が、私の人生にどんな影響を与えるのか、
また体にどれほどの負担がかかるのか、
どれだけの時間とお金が必要になるのか―
それらをすべて考えた上で、
私は治療を受ける決断をしました。
それでも、やはり「自己責任」という言葉が
常に心の中にあり、
重くのしかかっていました。
不妊治療は単なる医療行為ではなく、
心身に大きな影響を与えるものだと実感しています。
それでも、私は自分の選んだ道を
歩んでいくしかないと感じ、
治療を続けていきました。
どんな結果が待っていようとも、、、
それを受け入れ、前向きに進むしかないと
心に誓ったのです。
それでも、専門医や医療スタッフが寄り添ってくれ、
私の体調や妊娠の進行に合わせたケアを
行ってくれたことで、
最終的に妊娠に至ることができました。
切迫早産と緊急入院:私にできることはあるのか?
しかし、想像もしていなかった困難が待ち受けていました。
妊娠中、切迫流産の危険に直面したのです。
妊娠7ヶ月目で緊急入院しました。
その時は7月の暑い日で、
ここから出産までに3ヶ月の
入院生活が始まりました。
あの時の不安は、今でも鮮明に覚えています。
毎日が不安との戦いでした。
赤ちゃんの命を守るため、
そして私自身の体調を維持するために、
毎日、ベットに横になって必死に戦いました。
腎臓病と妊娠を支えた3つの重要なケア
腎機能のモニタリングと管理
妊娠中、腎臓にかかる負担は大きいため、
定期的な血液検査や
尿検査が必要です。
腎機能の低下が進行する前に、
適切な対策を講じることが重要になり
血液を腎臓に送るよう余計な動きは
控えるように指導を受けました。
後ほど、検査数値を掲載しています。
高血圧の管理
腎臓病患者にとって、
高血圧のコントロールは欠かせません。
妊娠高血圧症候群などのリスクを防ぐため、
定期的な血圧測定と
必要な薬物療法を行いました。
そのおかげで血圧を安定させることができました。
• 3. 栄養管理と食事指導
腎臓病を持つ妊婦さんにとって、
食事管理は非常に重要です。
腎臓に負担をかけない
タンパク質と塩分制限の食事が出て
栄養士さんと共に計画的に栄養摂取を行いました。
正期産とは、妊娠37週0日~41週6日までの間に出産することを指す母子ともにリスクが低く、理想的な出産時期と考えられている
結論から申しあげると、私は33週で出産しました。
ここからは周期別の採血検査を掲載します。
参考になれたら嬉しいです。
【妊娠24週の採血結果】
赤ちゃんは894gに成長していました。
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【妊娠26週目の採血結果】
赤ちゃんは約1210gに成長しました。
管理入院の効果もあり、
30週まで持ちたいと医師と話しました。
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【27週と5日の採血結果】
下に書いてあるCCrは
クレアチニンクリアランスのことです
クレアチニンクリアランスは
血清中のクレアチニンの腎臓での老廃物の排泄能力(クリアランス)を計算して腎機能を推定する検査です
クレアチニンクリアランスは腎機能障害で低値となるので、血液検査では腎機能障害の程度を知るために利用されます。※この情報はGoogleから引用したものです。
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【29週と6日の採血結果】
腎臓機能が落ちていたので少し焦りました。
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【30週と5日の採血結果】
この時は赤ちゃんに栄養が届いているのか不安でしたが、
腎臓の機能は良くないものの、
自覚症状はなく、お腹のハリだけを感じていました。
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【33週と5日の採血結果】
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33週でストップがかかり、腎臓に負担がかかるため、
帝王切開で出産することになりました。
ここまでくるのに助産師さんや
看護師さんが一生懸命看病してくれ、
とてもありがたかったです。
帝王切開の日
帝王切開の日、のちにドナーになってくれた姉が
来てくれることがわかっていたので、
心強さと安心感でいっぱいでした。
遠くから一人で駆けつけてくれ、
近くの病院に宿泊して
手術が終わるのを待っていてくれました。
姉がこんなにも支えてくれることに、
感謝の気持ちで胸がいっぱいでした。
私は下半身麻酔で無事に出産し、
手術が終わった後、病室に戻った時のことを
今でも鮮明に覚えています。
姉の目には涙が浮かんでいて、
NICUに入る直前の息子の写真を撮っていてくれました。
その瞬間、どんな言葉よりも
深い愛情と喜びを感じました。
姉の涙を見たとき、私は本当に嬉しくて、
心から安心しました。
あの瞬間、姉の存在がどれほど
大きな支えだったかを実感し、
また一つ大切な思い出が心に刻まれました。
生まれた子供のアクシデント
生まれたのは、2222gの男の子でした。
すぐに保育器に入れられましたが、
肺気胸を起こしてしまい、
1ヶ月もの間入院することになりました。
その間、私の体調に負担がかかるため、
母乳をあげることはできませんでした。
毎日、子どものことが心配でたまりませんでしたが、
無事に退院し、元気に過ごしている今、
あの頃の不安がどれほど
大きかったかを振り返ります。
あの時、心から願ったことはただ一つ、
子どもが元気で育ってくれることでした。
今こうして元気に過ごしている姿を見て、
あの頃の不安や苦しみが
少しずつ癒されていきます。
難病を抱えながら妊娠を希望する方々へ伝えたい
このブログを読んでくださっている皆さん、
私の出産記録はいかがでしたか?
私のように腎臓病を持ちながらの妊娠は、
リスクが大きいため、簡単に
「産んでみて」とか
「挑戦してみて」とは言えません。
実際、私は12年後に慢性腎不全となり
腹膜透析を始めました。
その後、姉の提供で腎臓移植を受けました。
しかし、こうした病気を持っていても
出産を乗り越えられたという事例が、
少しでも参考になればとても嬉しく思います。
妊娠や出産はそれぞれ異なる状況であり、
私の経験がすべての方に
当てはまるわけではありません。
でも、どんな困難な状況でも、
主治医としっかり相談しながら、
自分の体と心を大切にすることが
一番大切だと私は感じています。
もし悩んでいる方がいれば、
無理せず、あなた自身のペースで進んでください。
そして最後まで読んでいただき、
ありがとうございます!
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