「運」の科学的エビデンスを証明 成功の法則 3/7冊 エリック・バーカー 橘玲監訳 読書メモ
生まれつき幸運な人はデータ的にいないのだが
ワイズマンの研究によれば、「運」は単なる思い込みや超常現象なのではなく、その人の行動の選択により、運が良くなったり悪くなったりすることが分かった。
「運がいい人」と「運が悪い人」の調査をした結果、それぞれ日頃の行動に違いがあることを発見した。
「運」のいい人の性質を発見
運がいい人は、積極的に新しい経験をすることを好み、外交的で、あまり神経質でない。
直感に従い、良さそうなことを選び、いろいろ試す。当然、いいことも悪いことも起こるのだが、良いことを幸運と思い、悪い出来事だったとしてもその良い面をみて学ぶ。それらの経験がさらに直感を研ぎ澄ます。
新しい体験を求めたり、新たな人間関係を見つけたり、積極的な多くの行動がチャンスをつかむ可能性を高める。家に閉じこもってばかりいては、決してチャンスは訪れない。
ワイズマンが自ら主催する「ラック・スクール」で運が悪い人を運がいい人のように行動するように指導した。すると卒業生の80%が運が良くなったと実感した。実際に幸福度も上がった。
新しいことへの挑戦を続ける
楽天的に考えること。失敗を積み重ねることこそ、成功への近道。それが幸運。
質より量。単純に経験の量の多さが質の高さに繋がる。
機会を増やすことが、「運」を高める
良いことも悪いことも確率的には同じく起こる。
楽天主義で「運のいい人」はさらに前向きに新しいことに挑戦するようになる。やがて時とともに、良い出来事が起こるようになる。ときおり起こる悪い出来事も正当化することで、上昇スパイラルが続く。
そしてある時、ついに大成功を呼び込む。
天才は趣味が多い
一般人の三倍はあると言われている。日頃と異なる場面で異なる課題に向き合うことは、思い込みにとらわれず、異なる発想で解決に向かうことに繋がる。創造性が高くなる。
夢が叶う方法としての「WOOP」心理対比 エッティンゲン
wish 願い・・・まず、夢や願いをイメージする。
outcome 成果・・・願いの先にある結果を具体的に思い描く。
obstacle 障害・・・現実を直視して具体的な障害を考える。
plan 計画・・・障害をのり越える計画を立てる。
願いをただ夢見るだけではかえって実現しない。脳は現実と幻想・仮想を見分けるのが苦手だからだ。映画に没頭してしまうのはそのため。脳が夢を現実と感じてしまうと、わざわざアクションを起こそうとしなくなる。
WOOPを真剣に考えると、「具体的」に「夢」と「障害」とそれを越える「計画」まで考えることになる。そこで現実と自身の状況を鑑み、あきらめるか否かを決めることができるようになる。つまり、見切ることができるようになる。
成功する秘訣
何かで成功するのに必要なのは、スケジュール管理の向上ではなく、その進捗に関与しないもの全てを断つことだ。
めざましい飛躍を遂げた企業に共通の大改革は、新たなイニシァティブではなく、収益を上げない事業の廃止だった。
見切ることの重要性
私たちは多くを求める。何でもできると将来の夢を見る。しかし、時間が最も希少な資源。
将来のお金を増やすことは可能だが、時間は有限で増やすこ とができない。
時間の制約がある限り、行動の全てはトレードオフ。大きなことを成し遂げた人は、他の全てを切り捨てている。
戦略的に諦める
プロになるには1万時間かかる。
達成困難な目標を諦めないとストレスで参ってしまう。
諦めるためにも、たくさん試してみることが大切。
その中から小さな成功を見つければいい。
「運」の大部分は「選択」によってもたらされる
人はやらなかったことを後悔する。死の間際で悔やむ。
失敗した後悔よりやらなかったことの後悔の方が大きい。二倍以上のショックと云われている。失敗は正当化することができるが、やらなかったことは正当化できない。
とにかくやってみることで初めて、上手くいくのかそうでないのかを学ぶことができる。
人生経験が多ければ多いほど、すべての経験はやがていい記憶になっていく。
つまり、人は良いことはよく覚えていて、悪いことはやがて忘れていく傾向があるので、経験が多ければ多いほど、年老いた時に幸福感が増していく。老人になれば円熟するという理由である。