ステーキハウス症候群とも呼ばれた。食塊異物による食道閉塞。ご飯、梅干しの種。
これからの時期は、高齢者がもちを喉に詰まらせる。注意時期。
食塊異物による食道閉塞(food bolus impaction:FBI)は、文字通り食物の塊が食道で詰まってしまう病態を示しています。
ステーキ肉で好発したことからステーキハウス症候群とよばれていたこともありますが、肉塊以外でも発症することや飲食店に限った話ではないことから名称は変更されています。
唾液が飲み込めないといった完全閉塞が疑われる場合では、緊急(2時間以内が目標)の内視鏡による解除がガイドラインでも推奨されています。
症状緩和より根本的な解決をめざした方がよい。
症状をうまく訴えられない高齢者や認知症などの病気がある方では、苦しがっている様子を「胸痛」として搬送される例もあるようです。
食直後であれば、急性冠症候群(狭心症、心筋梗塞など)の鑑別と同時食塊異物による食道閉塞を想起できるようにしましょう。
食塊の存在や位置、遠位食道に高度狭窄病変がないかなどの情報が得られるため、撮像するのもよいかと思いますが、解除には内視鏡が基本となることと粘膜病変の描出にも内視鏡が優れていることを覚えておいたほうがいい。また食塊異物による食道閉塞をきたす食道基礎疾患として好酸球性食道炎が注目されています。
ガイドラインでは、自然解除に至っても積極的な内視鏡検索を勧めていますので、消化器内科外来の受診をする必要がある。
お正月を迎えるこの時期は余計に注意ですね。ちなみに、画像は、ご飯粒に梅干しの種が詰まった。