医療での診断を支援するAI活用は使い方次第
大腸内視鏡検査において、伊・英・米の国際共同研究チームは、AIによる大腸内視鏡支援の可能性を探索しており、最新の研究成果が公表された。
Gastroenterologyからオンライン公開されているチームの研究論文では、対象者をA群およびB群のそれぞれに無作為に割り付けた。計230名に対して実施された研究では、AI利用検査を先に行った群では「大腸腺腫見逃し率(AMR)」が15.5%であったのに対し、非AI利用検査を先に行った群では32.4%と有意に高かった。
論文では、「大腸内視鏡検査でのAI利用は、重要所見の見逃し率を約2倍低下させる。また、従来の標準的な大腸内視鏡検査における、微細な病変に対する知覚エラーを有意に減少させることができる」とのことでした。AIを使用するのもわるくないかなと思う論文です。
最近の身近な出来事ですが、50代の下血を主訴とした方で、家族歴に大腸癌あり、消化器専門医の診療所を受診して、腹部CTのAI、消化器専門医の画像診断で、所見:下行結腸主体に壁肥厚を認め、周囲の脂肪組織濃度上昇を伴っています。虚血性腸炎などを疑います。画像診断、下行結腸炎疑い、虚血性腸炎などの疑い、CTでは、癌の指摘なし。しかし、内視鏡では、一目瞭然、癌とわかる所見でした。診断経過では、患者自身、親が、がんになっており、大腸内視鏡を強く希望、担当医には、AIでも異常ないですよ、本当に内視鏡するのですか?と言われたとのことです。
それでも知人は、下部の内視鏡検査に挑戦すると、決断したとのこと。
今回のことは、身近でこのようなことがあると、現時点では、AIも使い方
次第と感じるケースでした。また、身近な知人から一言、担当の先生の指示のどおり検査を受けなかったら、今ごろ、自分は死んでいたな。検査を決断した理由は、近親で大腸癌で亡くなった、父親がいたから、必要ないと言われても強く検査を希望したとのお話でした。まだまだ、AIでは、わからないことが多くありますね。紫曜。