大人でもポケモンを楽しんでいいんだと思えた言葉
わたしはポケモンが大好きです。小学生の時に買ってもらったポケモンのソフトは今でも実家に残っています。はじめて遊んだソフトを言うと年齢がバレそうなのでそこは秘密ですが、当時はとにかく暇さえあればずっとポケモンをしていました。可愛くて頼れる子達と色んな場所を冒険するのがとても楽しかったです。
友達と通信交換したり、通信対戦したりもしました。当時はもちろん努力値や性格なんて知らないし、技も全部フルアタでしたが、とても楽しかったことを覚えています。
それでも中学生くらいになればポケモンをしてる友達はほとんどいなくなっていき、話題は、部活や友人関係、恋愛などになっていきました。
そうなると自然と「いまだにポケモンって(笑)」という空気感になっていき、わたしはひっそりと内緒でポケモンを楽しむようになりました。あんなに一緒にポケモンをした友人にさえ、ポケモンを遊んでいることを秘密にするようになりました。
高校生になると部活や勉強、アルバイトなど忙しくなりわたしもしばらくポケモンから離れてしまいました。でもポケモン自体に飽きた訳では無いので気になるポケモングッズなどは買ったりしていました。
大学生になり一人暮らしをはじめると、かなり自由な時間もでき、ここで再びポケモンを本格的に遊びはじめました。久しぶりに没頭したポケモンの世界は、昔と同じように、わたしの生活に彩りを与えてくれました。(ちなみにこのあたりで努力値や性格など、対戦に関する最低限の知識を学びました。)
しかしまわりは皆、華の大学生。話題といえば恋愛、下ネタ、謎の寝てない自慢。などなど。ここでもポケモンの話題をだすのは躊躇われました。
こんなに大好きな趣味なのに、声を大にして言えないのは何故なのか。それは他でもない自分自身が、「良い歳してポケモンなんかで遊んでていいのかよ。」という偏見を持っていたからではないかと思います。自分の好きなものに対して偏見を持っているのは何故なのか。それはきっと、周りが少しずつ大人になりはじめた中学生の頃。あの、何に対しても「なんだよそれ。だせえ。」みたいにバカにする変な空気。自分はずっとあの空気感がトラウマになっていてそこに捕らわれているのではないかと思いました。
今は大人になって、就職して、結婚して、娘もいます。それでもわたしはずっとポケモンが好きです。仕事中に構築を考えたりしてるし、娘が寝た後に「あー!今の下手すぎた〜!!」なんて言いながらランクマッチを楽しんでいます。
結婚当初は奥さんに気を使って、留守の時や寝た後などにひっそりとポケモンをしていました。別に秘密にしている訳ではなかったのですが、なんとなく、「旦那がポケモン遊んでるのって、嫁から見たら嫌かな…。」と気を使っていました。この時もわたしは、わたし自身に偏見を持っていました。
「いい歳した家庭持ちの男がポケモンなんかに夢中で…。」と。
そんな気持ちをふきとばしてくれたのは奥さんの言葉でした。
ある時いつものように奥さんがお風呂に行っている時にポケモンで遊んでいました。奥さんがお風呂から上がってきて、着替えているところを横目になんとなくキリのいいところで終わりにする。いつもそんなルーティンでした。その日もそんな流れでしたがこの時、わたしはなんとなく聞きました。
「旦那がポケモンめっちゃ楽しそうにしてるのって奥さんから見たら嫌かな?」
すると奥さんは笑顔でこう言いました。
「全然?てゆうか大人になっても夢中で打ち込めるものがある凛ちゃんが羨ましいよ!いいことじゃん。私も、凛ちゃんにとってのポケモンくらいの趣味が欲しい〜!」
この言葉は今でもすごく心に残っています。奥さんはなんとなく言った言葉なのかもしれませんが、自分にとってはすごく大きな言葉でした。ずーっと自分自身をぼんやりと苦しめていた感覚がなくなるようでした。
大人なんだからこんな趣味は卒業すべきとかそういうことを言う人もいますけどそんなものは一切無いんだと思います。人生は1度きりです。その1度きりの人生を彩ってくれるものは人それぞれ違うし、その人にとってはそれが一番素晴らしいものなのです。奥さんの言葉のおかげで自分は「いい歳した大人」ですが、ポケモンをすごく楽しんでできています。