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崖っぷちOLの本棚紹介「あきらめない 働く女性に贈る愛と勇気のメッセージ」(村木厚子)

祖師ヶ谷大蔵のブックショップトラベラーにて、
ひっそりと、売れない棚主をやっております。
主に働いている女性向けに、小説中心で置いてます。

棚の賃借料、月に4,400円。
平均の売上、月に1,600円。
う、う、
宇宙戦艦ヤマト。じゃなくて、
売れない。
物を売るって本当に大変だ~

でも、あなたの棚の本が買われましたの即時通知が来ると、
そのときどんな崖っぷちであっても瞬間でバイブスぶち上げ
「今日は本が売れた」というハッピーな気持ちに上書きされるyo!!

主に小説を置いておりまして、
さっそくですが小説じゃない本を紹介します(いい加減にs

「あきらめない 働く女性に贈る愛と勇気のメッセージ」(村木厚子)

めっちゃ食わず嫌いされそうなタイトル

村木厚子さんといえば冤罪事件で有名ですが、
この本、普通にお仕事エッセイとしてめちゃ面白い!

村木厚子さんは、Wikipediaによりますと2013年7月から2015年9月まで、
厚生労働事務次官を務められたとのこと。

中途半端な「指導的立場」じゃないっすよ
事務次官といえば、官僚のトップ…おおおおお
それこそ多くの官僚が、そこを目指して
自分自身の寿命を日々すり減らしているような、
そんなポスト。と思う。たぶん。

国の官僚といえば、
「スーツ、男、東大、めっちゃ頭いいけどやなやつ(偏見です)、または悪い人ではないけどみんな忙しすぎて冷たい、体力無尽蔵」
つまり男性ホルモンの強いやつが勝つ、みたいなイメージなんだけど

村木厚子さんは、
バッキバキで近づきがたい、キレモノの「女傑!」
というよりは、
誰も怒らせない、人望が厚い、典型的な調整型というタイプだったそうで。
そういう「男顔負け」という路線ではない女性が
いったいどうやって?

とともに、そういう方が組織のトップに就かれる場面があるということは、
一定程度「男性的な強さ」じゃないニーズも、
組織にはあるんじゃないか?
そんな希望をもって読める。

※なお、念のため断っておくと、もちろんワイなんかに比べたらもう雲の上くらい頭がよく優秀でバリバリのバリだと思います。
あくまで、国家公務員という世界における相対の話ですよ!

この本の好きなところは、
決して自分を大きく見せようとしてない、自然体なところ。

仕事で成功した男性のエッセイにありがちな(もちろんそうではない方もいらっしゃるが、傾向としては多いように思う、、、)
「どこか自慢げ」
「さりげなく他人と比較して自分の優秀ポイントをアピール」
「早い話がめっちゃドヤっている」
みたいなところがいっさいなく、

自分の中にもある不安、怒り、モヤモヤ、安堵、迷い、
そういう感情の延長線上に、著者の存在や体温を感じられるところが好き。

村木厚子さんには娘さんが二人いらっしゃるが、
子どもが小さいときは仕事と育児の両立のため、
部下が残業していても自分が先に帰らなきゃいけない日が多くなり、
それはそれは申し訳なく思っていたが、
「育児をしてない人だって、二日酔いで休む日もあるじゃん。」
「誰だって事情があれば休めばいいじゃん。」
「本当にダメだったら仕事をやめればいいや。」と思ったら、
周りに申し訳なく思うこともなくなったと。
そして、部下に頼りながら仕事ができるようになったと。

これって、男性にはなかなか難しい心のムーブなのかなあと思ったりして。
特に、「部下に頼りながら仕事をする」というところが。

ちょっと話は変わりますが、先日仕事のイベントにて、
ノボリの組立を全員でやっていて、
若手社員が慣れた手つきでノボリを組み立てる中、
誰にも頼らずひとり苦戦しているおじさまがいて、
この人は社内では要職の幹部なのだが、
「情けねぇ、こんなこともできなくて、ほんとに俺はダメだ」
とガチなトーンで何度もつぶやいていて、
この人、どれだけ気を張って社会人やってきたんだ、と
なぜか私も泣きそうになった。

いわゆる「男性的強さ」を唯一のバロメーターとして、
社会を引っ張る人を決めていくっていうのは、
成長成長成長!みたいな時代には良かったかもしれない。
けど、今の日本のように、下山のフェーズにある集団ではどうなのかな。

これまでとは違う色合いの人材が、
意思決定に加わっていくことも必要なんじゃないだろうか。

逮捕されて拘置所で過ごした期間、
仕事も家事もしなくていいからすごくよく寝れた。っていう村木厚子さんは
ちょっとタダモノではないと思ってしまうけど。笑

私はまだ、「男になめられたくない」「女だって男と同じことができる」
という路線で張り合ってしまいがちなんだけど
目指したいのはそういう人物像じゃないかもと考えるきっかけをくれた、
大事な1冊。
いつかお会いしたいと願っている!!

最近のBOOKSHOP TRAVELLER

我らがBOOKSHOP TRAVELLERは、
去る11月16日・17日に
世田谷文学館というところで開催された
「セタブンマーケット」というのに出店したりしてました!
(終わってから宣伝すな

今週末の11/23、24は大阪梅田の「本のマルシェ in HERBIS」に出店予定!
わたくしの秘蔵っ子マミコ(こちらの記事参照)も大阪に参ります!

崖っぷちOLが棚借りしているお店はこちら。↓↓
祖師ヶ谷大蔵の改札を出て、右手の商店街を進む!
セブンイレブンの角を右折!100歩くらいで到着!(たぶん)←こないだ数えたら、59歩でした。
基本的に火・水がお休みですm(__)m

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