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出張回想録Vol.7

いざいざサウジ!
サウジではジッダで商社との事前打合せ後に、取引先がいるサウジ南西部の標高2,000mを超える高原都市アブハへ飛行機で2時間程移動し、2泊してジッタに戻る全3日間の行程です。
今回は、M商社ジッダ事務所長(キツネ目の上司崇拝者)、ソマリア人のローカルスタッフ(メチャ優秀な出稼ぎ社員)、日本から来た当社担当者(商社マンらしくないのんびりした方)計4名での取引先との商談なので、とても心強い旅です。
サウジでの取引先は、国内に何千人もいる王族が経営する会社のひとつで、代表者(彼)は国内外で手広く様々な事業を展開し、行政とか銀行とのパイプも非常に強く、商社でも最上ランクS級に値するやり手の人物です。

日本での闇アテンド!
日本に彼が来日の際は何故か私が毎回指名を受けて、成田での出迎えから朝昼晩のフルアテンドを行っていました(キツネ目の上司は面白くないと嫌っていました)。年齢は彼の方が12歳年上ですが、二人になると歳の差を誤魔化す為かファーストネームで呼ぶよう命じられていました。顔立ちはアラブ特有の彫りの深いイケてるオヤジで、王族の血を引く大金持ちなので当たり前の如くサウジに4人の奥様方を設けられていました。アラブのお金持ちと言えば女性にとても優しく且つ、大の女性大好き人間が多いのですが、彼も例外ではなく日本に来る度に、あちこちで後先考えずナンパを繰り返し、その度にトラブルを巻き起こし、その度に私が尻拭いに走り回っていました。とても気が合ったことも事実ですが、トラブル処理の功績が私を指名する一番の理由でした。
そんな彼と約1年振りの再会となります。。。

サウジに入ればサウジに従え
サウジだけではなく、イスラム系航空会社の飛行機を乗ると先ずはコーランのお祈り♪が流れ離陸、着陸すると機内で拍手喝采、このパターンが定番です。
ホテルの天井・テーブル・サイドボードとか公共の至る所に、メッカの方向を示す矢印マークが貼ってあり、どこにいてもムスリムはギブラ(メッカの方向)に向かって一日5回(派によっては3回)のお祈りをします。ギブラが直ぐにわかる磁石付き時計とか、最近ではスマホアプリもあるみたいですが、モスク(礼拝堂)やムッサラー(礼拝所)に行きギブラに向かいお祈りをするのが基本です。
余談ですが、初めてサウジ取引先の彼と外人VIP専用ツアーで訪れた神の山・日光の華厳滝付近で、いきなり彼が地べたにお祈り用じゅーたん(サッジャーダ)代りのシャネルのスカーフをガバッと広げギブラに向かってお祈りを始めた時は、私も多くの観光客もビックリ!物珍しさもあり写真を撮る人もいたぐらいです。超軟派な彼ですが、どこにいてもお祈りだけは欠かさない信仰心には驚きました。


ムスリムの皆さまと仕事を進める上で注意をしなくてはならないのが、このお祈りタイムと昼食休みが長いこと。なかなか仕事が進まないサウジタイムですが、「それぞれの国の文化を理解した上で仕事を組み立てるのは当たり前!」とキツネ目の上司のアドバイスを肝に銘じて商談を進めることを心掛けました。

アブハは標高が高い避暑地的なところで、ほとんどが高級リゾートホテルばかりでホテル名は忘れましたが、タツノオトシゴがロゴマークの素敵なホテルに二日間滞在しました。
イスラム教国家の良いところは、滞在中は健全に過ごすことができる点です。お酒と甘い誘惑が全く無いからです。お酒はどこにも売っていないので、もちろん一滴たりとも飲むことは出来ません。この当時流行っていた大人の飲み物が、果樹と炭酸を合わせたノンアルコール・クーラー(サウジシャンパン)でした。チョイ洒落なグラスに注ぐとミントの香りがし、とても美味くてガバガバ飲んでいると何となく酔った気分になれました。
そしてサウジでは、日中街中で女性を見ることはほとんどありません。イスラム発祥地サウジアラビア王国は、イスラム諸国の中でも戒律遵守の風潮がとても強く、女性は他人に顔や肌を見せてはならなく外出の際は、全身黒衣装・アバーヤをまとい髪は専用のスカーフ・ビジャブで隠しています。ホテルのブックストアーで女性向けファッション誌をチラ見したのですが、肌が出ている箇所の写真は黒く塗りつぶされてとても異様な感じがしました。外人男性がサウジ女性を繁々とガン見し宗教警察に捕まり石投げの刑に罰せられた事が、昔はたまにあったみたいです。
なので、お酒無し+女性を見る機会も無いサウジでは、とても健康健全に過ごす事ができるのです。

つづく、、、、、、、


サウジの王族と私

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